36みんなで作戦考えよう!
<マシロ視点>
「なあ、オレ達、捕まってるんだよな。」
「ああ、そうだな。」
「2人とも、完璧に熟睡してるね。しかも凄く良い寝顔してるし。捕まってるんじゃなかったら、あの家の人達が皆喜びそうな寝顔だよ。」
「…。」
さっき主が眠ってから、主は少しも起きる事なく、ずっと眠り続けていた。疲れているのだろう。こんな所で気を張ってご飯も貰えず、男達からの悪意にさらされて。だが、ちょっと本気で寝過ぎのような気もするがな。まあ、体力を持たせるには良い事だ。
黒服の方は、最初の頃3回来てから1度も姿を見せてはいない。もしかすると、我々のような者達を探しに行っているのかも知れない。リュカが、部屋はもう1つあり、魔獣の匂いが残っていたと言っていたからな。
男女4人組の方は、主が寝てからまだ1度も確認に来ていない。まあ主はゆっくり出来て良かったが、リュカの言った通り、見張りとしてどうかと思う。
「さて、本当にこの部屋から出るにはどうするか。」
「ボクだけ外に出れても仕方ないもんね。ボクがマシロみたいに強ければね。」
外に出て、シルフィーのおかげで逃げる先も決まっている。
シルフィーが言っていたおじさんが誰のことか結局分からなかったが。1度起きたシルフィーに説明させたが、何を言っているのかさっぱりだった。まあ、あれだけ自信たっぷりに大丈夫と言っていたから、本当に大丈夫なのだろう。ここはシルフィーを信じよう。
本当に後はここを出て逃げるだけなのだが…。その方法がなかなか思いつかん。魔力を使えないのがやはりダメだ。使えればあんな奴らなど。本当に忌々しい部屋だ。
モゾモゾ…。主が動いた。起きたのか?
<ユーキ視点>
「ふゆう…。おはよでしゅ…。ん?」
いつもの僕が起きるお部屋じゃない。何処だっけここ?
「主、ここが何処か覚えてるか。我々は捕まってここに連れて来られ、この部屋に閉じ込められている。」
捕まる?連れて来られた?………そうだった!僕捕まってるんだった。それでちょっと眠くなっちゃって。あれ?僕いっぱい寝てた気がするんだけど、誰も来なかったのかな?聞いたら1度も来なかったって。良かった。そのおかげだね。いっぱい寝れて少し元気になったよ。
「良く眠れたみたいだな。お腹が空いているのはわかっているのだが、ほかに何か具合の悪い所はあるか?」
「だいじょぶでしゅ。たくしゃんねれて、げんきなりまちた。」
「そうか。」
僕が起きて、僕も一緒になって作戦会議再開です。
このお部屋から出るにはどうしたらいいかです。…ずっとこの事考えてるね。
僕が寝ているうちに、このお部屋から逃げられたら、まず最初に逃げる場所はもう決まってました。シルフィーが良い所、知ってるんだって。良かった。
どうするか話してると、男の人達が久しぶりに見に来ました。外の見張りの人はたまに変わってたみたいだけど、お部屋の中に入って来たのは久しぶり。
「ちっ、まだ弱ってないのかよ。もう夜だぜ。」
「もうすぐ弱るわよ。ご飯食べさせてないんだし。」
「もうすぐアレが俺たちの物になるんだな。なあ、少しくらい触っても良いんじゃないか。」
男の1人がシルフィーに近づこうとしました。すぐにマシロが威嚇します。僕もシルフィーのこと抱っこしてギュウウウです。絶対シルフィーのこと、虐めさせないもんね!
「ふん、その威嚇も主人が死んで、あの方の契約魔獣になっちまえば、俺たちには関係なくなる。」
「そう言えばあの方、いつ帰って来るのかしら?」
「明日の昼頃って言ってたな。それまで3回ぐらい、様子見にくれば良いだろう。夜中2回と朝で良いんじゃないか。部屋の前の見張りだってしてるんだ。」
おしゃべりしながら皆が出て行きました。いっつも何か、たくさんおしゃべりしながらお部屋から出ていくね。でもマシロ達はそれが大事って。逃げるのに大切な事、お話してる事があるんだって。今度もそうだったみたい。
「だいぶ情報をベラベラ喋りながら出て行ったが、黒服が戻るのは明日の昼か。それまでにここを出なければ。」
黒服の人が戻って来る前に、お外に出なくちゃね。早く作戦考えなくちゃ。
でも皆で頑張って考えても、良い作戦が思いつきません。考えてるうちに1度男の人達が来ちゃいました。後2回来ちゃったら、黒服の人が戻って来ちゃう。それに…。
「主、大丈夫か。」
「うにゅう…、だいじょぶでしゅ…。」
僕ちょっと疲れちゃった…。お昼寝して少し元気になったのになあ。でも頑張らなくちゃ。お父さん達の、僕のお家に帰るんだもん。皆どうしてるかなあ。早く逢いたいよ。僕はマシロのもふもふな毛に顔を埋めました。そうすると安心するから。
その時ディルが言いました。
「リュカみたいに、隠れて外に出れれば良いんだけどなあ。それかみんな一瞬だけ奴らから見えなくなるとか。」
「ディル、僕にバカにされたいの。」
リュカがディルのお顔、自分の羽でパシパシ叩きました。
「い、いや、だってさ、一瞬でもあいつらから見えなくなれば良いんだろ。」
「それが出来たら、もうとっくに部屋から出てるよ。マシロも何か言ってやってよ。このバカに。」
リュカがマシロに声かけるけど、マシロはピクリとも動きません。そして、突然。
「それだ!」
と、小さい声で叫びました。
マシロがリュカにもう1度確認します。このお部屋ともう1つのお部屋しか魔力封じがされて無いのか。外では絶対魔力が使えるのか。その確認をしたマシロはリュカにお願いをしたよ。
「リュカお前はどの位の強い光を出せる。」
「どれくらい?ユーキと契約してるから、けっこう強い光出せるよ。」
「それは一瞬でも人間の目を見えなくするくらいの強い光か?」
「うん。見えなくするくらい全然余裕だよ。でもそれがどうしたの?」
「いいか、良く聞け。」
マシロが作戦を考えました。
まず、リュカにまた、お部屋の外に出てもらいます。僕達はその時外に出る準備をしておきます。
僕のお洋服の中にシルフィーを入れます。僕のお洋服はゆるゆるで、すごく伸びるからシルフィーくらいなら入っちゃう。それから僕がマシロに乗って、しっかり掴まります。ディルは僕のお洋服のポケットに。
そして男の人達全員がお部屋に入ったら、リュカがすごく強い光を出します。僕のお部屋を明るくしてくれた時よりも、強い強い光です。僕達は最初から目を瞑っておくから大丈夫だけど、他の人達はその光のせいで目が一瞬見えなくなるんだって。
男の人達が目が見えるようになる前に、僕達はお部屋の外へ。リュカを僕のポケットに入れて、お外へ。
お外に出ちゃえば、もうみんな魔力使えるけど、なるべく男の人たちがイジワルしてくる前に遠くへ逃げます。お怪我しないようにです。
「我は次に奴らが来た時に、作戦を実行しようと思う。確実に黒服がいない時が良いからな。」
「そうだね。僕もその方が良いと思うよ。」
「ユーキ、逃げられたらオレが魔法で、元気にしてやるからな。ご飯もいっぱい食べような!」
「うん!みんなでおうち、かえりましょ!」
僕は男の人達が来るまで、ちょっと休憩。寝ないように我慢です。
作戦が成功して、お外に逃げられたら、皆で早くお家に帰ろうね!




