370妖精の国のお城。お家の中にお池?
アンドレアスが来たぞって言ったら、お城のドアが開きました。アンドレアスが最初に中に入ります。
僕は中に入って周りをキョロキョロ。王様じぃじのお城みたいに、いろいろなものが置いてあるのかなって思ったら、お城の中もお花でいっぱいでした。お花ばっかり。
それからドア開いたのに、ドア開けた人がいませんでした。王様じぃじお城のドアはエシェット達が直してくれて、騎士さん達が凄いお顔して力入れてドアを開けなくてもよくなったけど、でもそれでもちょっとドアが重いから、4人の騎士さんが一生懸命ドアを開けます。でもこのドアの所には誰もいないの。
「だれもいないでしゅ」
「誰も?」
僕は王様じぃじのお城のお話しました。
「ああ、そういうことか。ここに住んでいるのはほとんど妖精達だからな」
このドアは妖精の王様が開けって思えば開いて、閉まれって思えば閉まるんだって。妖精の王様の魔力が流れてるからできるんだって。だからドアの前に誰もいません。
それからいつもはこのドア開きっぱなしです。妖精さん達と、妖精さんの国に遊びに来る魔獣しかいないから。みんな自由にお城に入れるの。でも今は悪い人達が来ちゃってるから閉めてるんだって。
「人間などここには来ないからな。今が特別なんだ。さぁ着いてこい」
アンドレアスが歩き始めました。僕お花ばっかりって言ったでしょ。お城の中お花ばっかりじゃありませんでした。木も生えてるしお池もありました。面白いね。木とお池。
僕のお家にもキミルが出してくれたお花でプールがあるから一緒だね。でも本物のお池。僕のお家の中にもお池作ってみたらどうかな?
お家には3個お池があります。1個はおやつを食べるテーブルがある所の近く。僕が前に落ちちゃったお池。2個目はお父さん達が訓練する所にあるお池。お家の後ろの所ね。
僕達お家に流れてる川で時々お魚さん釣りするでしょう? お父さん達が訓練してないとき、このお池でもお魚さん釣りするんだよ。
3個目のお池は、じぃじの木の近くにあるお池。僕のお池なの。冒険したときに捕まえたお魚さん、このお池に入れてあげたんだ。他にも可愛い小さなピンクのお魚さんとか、青と緑のシマシマのお魚さんとか、いろんなお魚さんが泳いでます。
この前ルトブルとシュプちゃんに、お池大きくしてもらいました。お魚さん達ちょっときゅうきゅうになっちゃったから。
じぃじの木の所でお魚さんと遊ぶのも楽しいけど、お家の中にお池みたいに海のお池作って、チョコミとチャップちゃん、それからプルカ入れてあげたらどうかな? 海のお池の場所は…ジョシュアお兄ちゃんのお部屋。訓練のお道具はお父さん達の訓練する所に持って行って、お片付けした所に作るの。
僕のお遊びのお部屋は荷物がいっぱいだからだめだし、アンソニーお兄ちゃんのお部屋には僕の絵本が置いてあるから、濡れたらダメダメだもん。うん、それが良いよ。
僕がうんうん頷いてたら、僕の頭の上に乗ってたピュイちゃんの隣に無理やり乗って来て、海のお池面白いねって。ん? 僕今考えてたよね。モリオン達にお話したっけ?
「ぷっ! ジョシュア、あの訓練の道具、ユーキにとっては部屋に必要ない物みたいだよ」
「何でだ!? 訓練は大事だろう!」
「道具が多すぎるんだよ。ユーキじゃないけど部屋少しは片づけたら?」
「静かにしないか。まったくお前達は…いやユーキか? 家の中に池を作るなんて、なんてこと考えるんだ」
「これを見ちゃったら仕方ないわよあなた」
「相変わらずユーキ君は面白い事考えるね」
僕がみんなのお顔見てたらマシロがね、僕考えてただけだと思ってたんだけど、1人でずっとしゃべってたんだって。だからみんな僕の海のお池のお話聞いてて笑ってるんだって。
良いでしょう? 海のお池。お家に帰ったらやってみようよ?
どんどん進むアンドレアス。階段を上らないで下に下りて行きます。それでまだ階段は続いてたけど途中で止まって、目の前のお部屋の中に入って行きます。入ったお部屋には誰も居ませんでした。
アンドレアスが壁をぺたぺた触って、その後にブツブツ何か言いました。そしたら壁に穴が開いたの。前にお片付けしてた時、変な小さなお部屋見つけた事あったでしょう。アレみたい。
「こっちだ」
穴の中にアンドレアスが入って行きます。穴の中はとっても狭くて、お父さん達お辞儀しながら歩いてました。でもすぐに別の穴が見えて、そこからみんなで出ます。とっても大きなお部屋に着きました。
「およ?」
お部屋の真ん中にキラキラひらひらのお洋服着た、アンドレアスにそっくりだけど、お耳がとんがってなくて、ぜんぜん笑わないアンドレアスのお顔を、ニコニコのお顔にした男の人が、お椅子に座って何かしてました
「アンドレアスのかじょくでしゅか? しょっくりだけど、ニコニコアンドレアスでしゅ」
「ニコニコ? 別に家族ではないぞ。彼が妖精王だ」
「ようしぇいのおうしゃまでしゅか!? おうしゃまこんにちわでしゅう!!」
アンドレアスが妖精の王様って言ったら、お父さん達がみんなお辞儀してご挨拶します。
「よく来てくれたな。こんな格好ですまない。」
妖精の王様の前に、アンドレアスのお耳とおんなじとがったお耳の男の人が、妖精の王様の体にお手々つけて光ってました。
「彼らを連れて行くぞ。魔力を流してもらえば、お前の症状も落ち着く」
「すまないが頼む。君が優しい光を持っている子だね。後できちんと挨拶をするから、今はアンドレアスについて行ってくれ」
う~ん、やっぱりニコニコの優しいアンドレアスだよね。僕はアンドレアスのお洋服引っ張ります。
「何だ?」
「ようしぇいのおうしゃま、ニコニコやしゃちいでしゅ。 アンドレアスもニコニコのほうがいいでしゅよ」
「私はこれでも今妖精王が無事でニコニコしているのだが?」
ん? ニコニコ? 本当に? だってディアンジェロじぃじみたいな怖いお顔してるよ。僕考えちゃいます。アンドレアスもじぃじとおんなじなのかな? ほんとは優しいけど怖いお顔。
「ユーキ! 少しお話するのやめなさい」
お父さんが僕のこと抱っこして、お手々でお口ふさぎます。そしたら妖精の王様がハハハハハッて笑いました。それでお手々をひょいひょいってやって、アンドレアスが変なお顔して、壁に別の穴を開けました。
その穴の中に入ったら、下に下りて行く階段があって、どんどん下に下りて行きます。
それでとっても下に下りて、やっと穴が見えてきました。その穴の前でアンドレアスが止まります。
「良いか、これから見るものについてだが、絶対に口外しないように。もし口外するようなことがあれば、お前達の口をふさぐことになるぞ。私達もお願いをしてここに連れてきている以上、それは避けたい」
「ここに来てようやく気配を感じるとは、かなり強力な結界だな」
「それもあと少ししかもたん。ユーキに魔力をもらわないとな」
お父さん達が頷いたの確認して、ぞろぞろ中に入りました。
入ったお部屋の真ん中、とってもとっても大きくて、真っ白だけど虹色にも見える石が、キラキラ、キラキラ光ってました。
「キラキラだね」
『とっても綺麗!』
『ピュイちゃんこの光り好きなのぉ!』
「なぁなぁ、石に近づいたら、オレ元気になったぞ」
「ボクも! ルルは?」
「僕もだよ。ユーキに元気にしてもらったけど、もっと元気になった!」
「この石は妖精達の源。この石が妖精の国を守っているのだ。そんな石に近づいたのだ。元気になるだろう。ユーキ」
「はいでしゅ!」
「この石に魔力を流してくれ。そうすれば妖精の国も、妖精王も妖精達も元気になるのだ」
僕はお父さんの方見ます。それからマシロ達の方も。みんながうんって頷きました。




