309初めての戦闘ともう1つの依頼書
僕がお花を剣で叩いたら、お花がシワシワシワって萎んでいって、それからすぅって消えていきます。最後に全部が消える時、キラキラってお花が咲いてた所に何かが落ちました。落ちた物をよく見ます。お花の形した石が落ちてました。
触ってもお手々痒くならない? 僕お兄ちゃんのこと見ます。お兄ちゃんは頷いて触っても大丈夫って言いました。
そっとお花の石を指の先っぽでちょんって触ります。あれ? ちょっとあったかい? もう1回ちょんってしてそれから拾って、お手々の上に乗せました。石ね、ちょっとあったかいの。それからお花のとってもいい匂いがしました。
「ユーキ、これはお花とか魔獣とか倒した時に、たまにもらえるプレゼントなんだぞ。今ユーキがお花を倒したから貰えたんだ。最初から貰えるなんてすごいんだぞ。俺なんか小さい時たくさん花とか草とか倒しまくったけど、全然貰えなかったんだ」
お父さんも石見て良かったなって。僕今お花倒したでしょう。もしかしたらお花倒しても、この石貰えなかったかもしれないんだって。それにこの可愛いとってもいい匂いのする石はなかなか貰えないって。
ふへへ、嬉しいなぁ。僕すぐにカバンの中に石をしまいます。美味しいお水取りに行ったら、またダメダメなお花探して倒してみよう。
ちょっと歩いたら道が右と左に分かれてました。お父さんと一緒に地図を見ます。
「ユーキ、今前に大きな石があるだろう。その石はこれだ」
お父さんが地図の石のところ指差しました。
「湖に行く道はどっちかよく地図を見るんだぞ」
うんと、湖はこっちに書いてあって、え~と。僕が考えてたらお母さんが、湖の方から指で道を指してみなさいって。迷路の絵本と一緒よって言いました。僕ね迷路がいっぱい書いてある絵本持ってるの。難しいんだよ。
スタートが湖でゴールがこの石のところ。指でそっと間違えないように道を指して、あっ! 右の道から石の所に着いた!
「とうしゃん、みぎ!!」
「正解だ。よし右に行こう」
また少し歩いたら左と右に道が分かれてて、また迷路で進む方考えます。それを何回かしたら、ちゃんと湖につきました。
湖の周りには可愛いお花がいっぱい咲いてて、それからルーリアがたくさんいました。ホプリンがとっても喜んで、いっぱいのルーリアの中に入って行って遊び始めました。ディル達もみんないろんな所に行っちゃったよ。
僕はマシロが持ってくれてるカバンの中からコップを出します。それからお水しまう入れ物も出して、両方に湖のお水を入れました。お父さん達もコップ出してお水を入れます。
コップのお水の匂い嗅いだら、ちょっと蜂蜜の匂いがしました。僕蜂蜜大好き。すぐにお水飲んでみます。やっぱり蜂蜜味のお水でした。でも蜂蜜より甘くなくて、ベトベトもしてません。
お家でおやつの時、蜂蜜がついたお手々でお洋服触ったら、お洋服ベタベタになっちゃって、いろいろなものがお洋服についちゃったの。そしたら次蜂蜜のついてるおやつ食べる時、アメリアが僕に大きなエプロンつけたんだよ。絶対に外してはいけませんって。
このお水は触ってもベトベトしてないから、湖で遊んでも大丈夫かな?
持って帰る入れ物にお水入れて、それからお家に持って帰るお水を別の入れ物に入れて、マシロのカバンにしまいます。
「よし頑張ったなユーキ。これでギルドのお願いは終わりだ。あとは好きな事やって良いぞ」
さっきみたいにお花倒したり、魔獣と遊んだり、好きな事していいって。
よし、お花探そう! 僕は僕とずっと一緒にいるシルフィーとピュイちゃんと一緒にお花を探します。
でもお花全然見つかりません。お花見つからなかったら、ジョシュアお兄ちゃんが別の物みつけました。
「ユーキ、これも倒しても良いやつだぞ」
お兄ちゃんが僕に見せてくれたの、葉っぱをクルクル巻いてる変な草でした。
この草はさっきのお花みたいにお手々が痒くなったりしないけど、だんだんとツルが伸びて、いろんなものにクルクル巻きついて、離れなくなっちゃうんだって。
「つるは強いから、道具を作ったりするのに使うけど、ここだとユーキみたいに小さな子供が来て転ぶといけないから、倒しちゃって良いぞ」
この草を倒すのはさっきみたいに剣で叩けば良いんだって。お道具を作る時につるをとる時はハサミとかナイフで切るの。叩くと草は消えちゃって、切ると草は消えないって教えてもらいました。
お兄ちゃんが隣に生えてる草を切ります。草は消えません。次に僕が剣で、えいっ!! って叩きました。今度は草が綺麗にすぅって消えちゃいました。面白い草だね。
草が消える時またキラキラして、今度は緑色の小さな丸い玉が落ちてました。
「何だ、また何か貰えたのか? おっ、ユーキこれはお風呂で使えるんだぞ」
この石はお風呂でお湯の中に入れると溶けて、お風呂のお湯がいい匂いして、それからお体がすべすべになるんだって。
僕が離れたところで座ってお茶飲んでるお母さんとばぁばに緑の玉見せたら、2人ともとっても喜んで、僕のこと良い子って褒めてくれたよ。
「本当の冒険者のようじゃな」
「いい勉強だ。これからユーキがどういう職業についても、この経験は学校に通うようになったら、とっても役に立つ。それにジョシュア達には基本を見直すいい機会だし。父さんもユーキの初冒険を見られて嬉しいだろう?」
「もちろんじゃ」
湖の反対側で遊んでたディルとリュカ、キミルとモリオンが、湖の中にキラキラ光るお魚さんがいるって呼びにきたから、みんなでそっちに移動です。ピュイちゃんがお魚さんって聞いて1番喜んでました。お父さん達はお母さん達の所に行って、一緒にお茶飲むって。
「おしゃかなしゃん、どこぉ?」
あっち見たりこっち見たり、ディル達はお魚さん見たのに、なかなか見つかりません。今度は向こう側探します。それでも見つからなくて、ルトブルが亀さんルトブルになって、僕達のこと湖の真ん中に連れて行ってくれるって言いました。すぐに変身してくれて、僕達はルトブルの背中に乗っかります。
真ん中に着いたら、たくさんのキラキラしたお魚さんが泳いでました。キラキラ? 僕じぃ~ってお魚さん見ます。お骨が見えてる!? キラキラだけど変なお魚さんが泳いでました。
すぐにお父さんにお話しようと思ったら、お魚さん持って行った方が良いって、ルトブルが湖の真ん中に戻って、お魚さん捕まえて口に咥えて戻って来ました。やっぱり透明なお魚さんです。
「とうしゃん! とうめいなおしゃかなしゃん!」
「透明? ………あいつはなんでこの魚を入れたんだ」
「おさかなしゃん、キラキラとうめい」
このお魚さんの名前はクルーシーって言うお魚さんで、とっても美味しいお魚さんなんだって。それからお魚さんのキラキラはお家に置いてある飾りとかに使うの。大人の人が大好きなんだって。
「馬鹿みたいに獲る愚か者がいるといけないからな。後でギルドに報告しておこう。まぁそんな奴らはレシーナ達が許さないと思うが。ユーキ達はこの1匹だけにしような」
「うん!」
綺麗なお魚さんお家のお庭のお池に入れたいな。僕がそう言ったら、ルトブルがピュイちゃんからお魚さんをもらって、魔法でお水出してその水に結界張りました。それからその中にお魚さん入れたら、中で元気にお魚さんが泳いだんだよ。そのままそれをくろにゃんが闇の中にしまってくれました。家に帰ったら池に出せば良いって。ありがとうルトブル!
湖の所でお昼のご飯食べる事にしました。匂いのしないサンドウィッチ持ってきたんだよ。湖のお水をもらって、あと、キミルとモリオンが見つけてくれた木の実をお皿に乗っけて、準備は完璧です。
僕はお父さんのお膝に乗っかってサンドウィッチをもぐもぐ。お外でみんなでご飯、僕なんだかとっても嬉しいです。じぃじとばぁばも一緒だし、お母さんのじぃじとばぁばも一緒だったら良いのに。そうだ! くろにゃんかモリオンに迎えに行ってもらおう!!
「待て待てユーキ! もしかしたらお仕事してて来られないかもしれないだろう? 今度ちゃんと用事がないか聞いておくから、そうしたらまたみんなで冒険に来よう!」
「ぶー」
「はぁ、ユーキは急にいろいろ思いつくから、お父さんゆっくりご飯が食べられないぞ」
ご飯食べ終わって、みんなでちょっとお休みです。お休みしたらまたたくさん冒険しないといけないもん。
マシロベッドでみんなでゴロゴロ。ゴロゴロしてたら、地面が揺れる感じがして、それからドシンッて音も聞こえてきました。




