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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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243もう少し一緒にね

僕ねみんなが森に帰るって言ったからバイバイしました。そしたらくまさん魔獣とウシさん魔獣が僕はあの近くの森まで一緒に行かないのって。


「だって森に帰っちゃったらもうユーキに会えないでしょう。」


「僕もう少しだけユーキと一緒に居たいなぁ。」


 もう会えない? どうして? くろにゃんが森の場所覚えてくれるから、いつでも会えるよ。僕くろにゃんのことちゃんとお話してなかった? 僕が考えてたら、マシロがウシさん魔獣達にくろにゃんのことお話してくれました。

 そしたらウシさん魔獣達、くろにゃんの魔法のことは分かってたけど、でも僕とはもう会えないって思ってたんだって。


「だって僕達森に住んでるでしょう。ユーキは森には遊びに来れないと思ったの。だって怖い魔獣も森にはたくさん居るから。危ないでしょう。」


 ってウシさん魔獣が言いました。大丈夫だよ。エシェットやルトブルが結界張ってくれるもん。それに怖い魔獣も悪いことする魔獣もみんながやっつけてくれるから。ねってエシェット達の方見たらみんなが頷きました。でもその頷いたの見て、ウシさん魔獣達ちょっと嫌なお顔してました。何で? 


「僕あのときちゃんと目覚めてなかったけどなんとなく覚えてる。ビョンビョン飛ばすやつ。アレやるの? 僕達間違えて飛ばさない?」


 くまさん魔獣の体がブルって震えました。ウシさん魔獣も。え~、悪いことしない魔獣飛ばさないよ。


「だいじょぶでしゅ。うんとあばれるのダメダメで、わるいことしゅるのもダメダメ。でももうあばれないからだいじょぶでしゅ。なげるのおねがいちないでしゅ。」


 ねぇってみんなの方向いたらディル達もねぇって。僕達がねぇねぇ言ってたら後ろにいたエシェットがニコニコ笑ってました。


『本当に大丈夫かな?』


『ね、なんかあのニコニコ怖いよね』


「なんでしゅか?」


「ううん。なんでもないよ。」


 みんなにいつでも会えるから大丈夫って言ったけど、でもやっぱりあの近くの森まで一緒に来て欲しいって言われました。う~ん。僕ももうちょっと一緒に居たいけど、お父さんダメって言うかも。

 僕達のお話分かんないお父さん達、ずっと僕達のお話が終わるの待ってました。マシロがお父さん達にお話してくれます。それでやっぱりお父さんダメって言いました。ウシさん魔獣やくまさん魔獣、他の魔獣がお父さん達の前に来てお願いしますしました。エシェットがお願いしますするといいって教えてくれたって。お父さんがエシェットの方キッて睨んでました。お願いします良いことでしょう? ん?


 階段の方からお母さんの声がしました。僕達がなかなか帰ってこないから迎えに来たの。それでウシさん魔獣達のお話したら、あの森までだったらバイバイしに行っても良いって言いました。


「おい!」


「だってあの道封鎖してあるから見られる心配ないでしょう? もうみんな暴れてないんだから大丈夫だし。マシロ達ももちろん一緒に行くのよね。じゃあ何かあれば吹っ飛ばしてもらって、ユーキちゃんはモリオンでここまで帰ってくればいいわ。」


 お母さんがそう言ったらウシさん魔獣達ピョってして、みんな後ろに下がってぎゅうぎゅう集まっちゃいました。どうしたの? ぎゅうぎゅう苦しくない? 僕ディル達がみんな僕に集まってくると、ちょっとぎゅうぎゅうで苦しくなっちゃいます。

 この前の馬車に乗ってたときは、道を曲がったときみんなで端っこにぎゅうぎゅうになっちゃって、僕のお顔潰れちゃいました。今のウシさん魔獣達の真ん中にいる魔獣達、ぎゅうぎゅうでお顔が苦しそうだよ。


 お父さんがハァ~ってため息ついて、森の入り口までだぞって。みんなでやったぁ~!して僕はジャンプです。

 僕はマシロに乗っかって、みんなもいろんな所に座りました。それから森まではお母さんもついてきてくれるって。だからくろにゃんにお母さんが乗りました。それから僕達のすぐ後ろはウシさん魔獣とくまさん魔獣が並んで、その後ろに他の魔獣が並びます。準備完了です。


「しゅっぱ~ちゅっ!!」


 僕は片方のお手てあげてそう言いました。みんなが歩き始めます。お父さん達に行ってきます言ってバイバイしました。


(ウイリアム視点)

「なんだアレは」


「ハハっ、先頭歩いて満面な顔してるな。てかユーキが魔獣達の親分みたいになってるぞ。アレだけの魔獣達の先頭で、全ての魔獣がちゃんと言うこと聞いて、まっすぐ歩いて行ってる。」


 ユーキ達が歩き始めてニコニコ顔でユーキが手を振ってきた。みんなが歩き始めたのを確認して、見えやすい壁の上へと移動する。壁の上から見た光景は本当にユーキが魔獣達の親玉といった感じだった。先頭を堂々と歩くマシロに乗ったユーキ。その後に列を乱さずスピードもユーキに合わせて、ちゃんと歩いていく魔獣達。

 

 住民や騎士達、冒険者達を壁の中に入れておいて正解だった。一応今壁に居るのは私とザクス、それからクイントン殿にギャレット。他は壁から下ろしておいた。なにを見せてしまうか分からなかったから壁の中に入れておいた。が、どうやら正解だったようだ。


 今目の前では、ユーキと魔獣達の大移動が繰り広げられている。ゾロゾロと歩いて行く魔獣達。あれだけの魔獣が全て言うことを聞いて大人しく歩いている。


「今回はユーキに助けられた。落ち着いたらユーキとその契約者達にお礼をせねばな。」


 クイントン殿がユーキ達の大移動を見ながらニコニコ笑っている。少ししてその顔が真剣なものに変わった。私達は街の中に戻り、被害の状況や怪我人の把握など、今やらなくてはいけない仕事に取りかかった。


 破壊された結界から入ってきてしまった魔獣に襲われて、ザクスほどの怪我をした者はいなかったが、それでも怪我をした住民はかなり居た。襲われなくとも逃げる最中に怪我をした者も居る。ふとディルに怪我を治してもらおうかと思ったが、それはクイントン殿に止められた。ただでさえ魔獣が大人しくなったことで住民がいろいろ憶測を始めている。怪我まで治ってしまえばさらに憶測が広がる可能性がある。


「これだけやってもらって今更だが、これ以上何かあればユーキに目がいきかねない」


 クイントン殿が苦笑いしていた。まぁそうだな。これ以上ユーキ達には何もやらせないようにしなければ。


 それからも情報を整理し、クイントン殿の屋敷でそれを整理した。私達が泊まっていた部屋は破壊されてしまったからな。無事な荷物やなんとか取れる荷物を運び出し別の反対側の部屋へと案内された。良かったユーキの持ってきたおもちゃやぬいぐるみは全部無事だった。

 おもちゃはなんとかなるかもしれないが、ぬいぐるみの方はユーキなりにこだわりがあるらしく、前にぬいぐるみが壊れたとき、同じぬいぐるみを買ってきて渡したら微妙な顔をした。そして目や鼻の位置が違う。口元ももっとこうだといろいろ言っていた。ありがとうとちゃんとお礼を言っていたが、少しの間そのぬいぐるみであまり遊んでいなかったからな。その時のユーキの顔を思い出し思わず笑ってしまった。


 ユーキ達が帰って来るのはもう少し後だろう。片付けも終わりザクスの元へ向かう。マシロ達が戻ってきたらいろいろ話を聞かなければ。マシロ達にも我々にも予想外のことだらけだった。なによりも1番の予想外はエシェットとルトブルが戦った相手だろう。我々人間には理解できなくても、エシェット達なら何か気づいたことがあるかもしれない。


 我々の見たことがないオークキングの変異種。変異種はどこにいてもおかしくないが、オークキングの変異種は初めて聞いた。まぁエシェット達がかなりいろいろやって奴を倒したらしいが、エシェット達が居なかったらどうなっていたか。本当に助かった。もしエシェット達が居らず、クイントン殿の街が破壊され、魔獣の群れがカージナルまで移動していたらと思うと…。


 ザクスの所に行けば、ザクスは自分が魔獣にやられた場所に居た。自分の血の痕を見ている。隣に立ち良かったなと声をかけた。


「ああ、ユーキのおかげで助かった。ユーキには後でたくさんお菓子をあげないとな。それからもう1度心からの感謝をしなければ。」


「お菓子は程々にしてくれ。ユーキのお菓子の部屋が大変なことになる。」


「ハハハっ、それなら最高のお菓子をたくさんあげないとな。」


 2人で笑いながらクイントン殿の所へ移動する。ユーキ達は戻ってくるときはモリオンで一瞬だからな。わぁわぁ騒ぎながら帰ってくるに違いない。そしてこう言うんだ。

「ただいまでしゅう!!」と。

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― 新着の感想 ―
[一言] お疲れ様ですm(*_ _)m ちょっと、最後のとこ、嫌な予感したんだけど、大丈夫?大丈夫だよね?
[一言] 更新、お疲れ様です(* ´ ▽ ` *) ユーキのナデナデとエシェット達の投げる技があればユーキも魔獣達の親分になれますね( *´艸`)
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