234大きな大きなブタさん
「きをたてましょうトントントン♪ いしをおきましょうポンポンポン♪」
「「「「おおきな石を置きましょうドンドンドン♪」」」」
『ポープを切りましょうガリガリガリ♪』
「なんか後ろから楽しそうな歌が聞こえてくるんだけど?」
「見てみろよ。踊り付きだぞ。お尻フリフリしながら踊って歌ってる。なんか力が抜けるな。」
今僕達マシロやエシェット達の応援してます。それからお手伝い。
魔獣が街の中に入って来ないように、お外の大きい壁が壊れないように石や木で強くするんだって。それの応援とお手伝いしてます。もし魔獣達が来ちゃったら、お父さん達はクインさんのお家の横の壁の所で魔獣をやっつけます。その壁の所を強くしてるんだよ。
キミルに大きな木たくさん出してもらって、マシロとくろにゃんは森から大きな石持ってきました。それをエシェットが風魔法で切ったり割ったりして、後はみんなでそれを運びました。木を立てて石を置いて、ルトブルがそこに泥つけて硬くします。今それやってるところです。マシロやお父さん達がいるのは壁のお外で、そこが終わったら今度は壁に登って、壁の上のところも強くするんだって。
僕達は邪魔しちゃダメダメダメです。ちょっと離れてお仕事のお邪魔にならないところで応援します。最初はがんばれって言ってたんだけどだんだんお歌になって、そしたらモリオンが踊ってたからみんなで今歌って踊って応援。お歌歌ったほうが元気が出るよね。
「あれでも一生懸命なんだ。それにあんまりピリピリしてるよりはいいかもしれん。」
「でも父さん見て、だんだん踊りが激しくなってきてるよ。あっ、つまずいた。」
「………マシロが走って行ったから大丈夫だろう。ほら、今日中にここを終わらせるぞ。明日は上だ。それが終わったら遅れてるところに行って手伝いだ。キミルのおかげでだいぶ余裕を持って用意できて良かった。」
踊り途中でジャンプしたら下に落ちてた石踏んじゃって、転びそうになっちゃいました。おっとっと危ない危ない。マシロがビュッて走ってきました。
「主応援はとても嬉しいが気をつけろ。みんな心配して準備が遅くなってしまう。」
「ごめんしゃい…。」
マシロに怒られちゃいました。だから今度は静かに応援です。お歌は歌って少しだけお尻フリフリ踊ります。みんなでお手て繋いで万歳しながら応援しました。ジャンプじゃなくてお手てあげて応援です。
夕方に全部の準備が終わりました。本当は夜も準備だったけど早く終わったんだって。
「ユーキが応援してくれたからな。みんな頑張れたんだ。ありがとう。」
お父さんがありがとうって。えへへ嬉しいなぁ。明日も頑張って応援しなくちゃ。
次の日は壁の上で準備です。今日もみんなからちょっと離れて応援です。でも途中からねこさんの練習に変わっちゃいました。でも大切な練習です。
壁の上にねこさんが2匹いて、僕達が応援してたら近寄ってきました。それで頭掻いたりお手てなめたり、蝶々が飛んできてお尻フリフリしたり。僕クロエさんに新しく作ってもらった、みんなお揃いのねこさんのお洋服持ってきたから、そのねこさん達見て練習しよって言いました。
「え? 今日のお尻フリフリは何? なんか伏せしながらフリフリしてるけど。あれ応援じゃないよね。」
「本当だ。あれ何だ?」
「今主はねこの練習をしているのだ。新しいねこの洋服を持ってきたからな。練習をして皆に見せると言っていた。」
「あ~、(今父さん忙しそうだから後で話すか。騒ぎになるといけない。)」
たくさん練習して僕お腹空いちゃいました。お父さん達も休憩って言ってみんな壁の上でお昼食べます。お昼が終わったら僕達はまた練習お父さん達は準備です。今日も夕方までに準備終わりました。
夜のご飯が終わってお部屋でマシロベッドでゴロゴロしてたら、マシロのお耳がピクピクってしました。エシェットとルトブルとくろにゃんがお部屋の窓からお外を見ます。それ見てお父さんとお母さんが窓に近寄りました。2人とも剣持ってます。
「どうした?」
「かなりの怪我人が出ているようだ。それから魔獣の死体が2つ。我らにとっては大したことないが、お前達人間にとってはかなり厄介な魔獣だ。死人は居ないようだが。」
エシェットがそう行ったとき、ドンドンドンって誰かがお部屋のドア叩きました。
「ウイリアムすまないが助けてくれないか。かなり酷い怪我をしている者が多いんだ。ユーキの力を借りたい。」
誰かお怪我したの? 早く治してあげなきゃ! みんなでザクスさんの後ろをついていきます。それでちょっと大きいドアの前で止まりました。
「しまった。ユーキを連れてくる前に確認すればよかったな。」
ザクスさんがディルに僕が一緒にお部屋に入れなくても怪我治せるか聞きます。僕が近くにいるとディルの力が強くなるから。ディルが変身やめて可愛いディルに戻ります。それ見てザクスさんびっくりです。あれ? ザクスさんにお話しなかった? お父さんもあってお顔してます。
「ウイリアムこれは…。ディルの姿がわかるんだが。」
「それは後で説明する。」
ディルを見たままお部屋の中に入るザクスさん。僕達にここで待っててって。ディルはマシロに隠れてろって言いました。ザクスさんが中に入ってからすぐ、何人か人が出てきてどこかに行っちゃいました。それからザクスさんがお父さんとディルに中に入れって。2人が中に入ります。
ちょっとしてお父さんが僕のこと呼びにきました。僕がもっとディルの近くに居ないと治らないお怪我なんだって。僕のこと抱っこして僕のお目々お父さんがお手てで隠しました。歩く感じがしてそれからすぐに止まる感じがしました。
「うん大丈夫。いくよ!」
何してるの? 全然見えないよ。ちょっとしてディルの終わりって声が聞こえました。そのあとルトブルがもう少し待てって。ん? 水の音? ねぇ、みんな何してるの?
やっとお父さんがお手て外してくれて、お目々パチパチしてから周り見ました。何人か騎士さんが寝てます。寝てる騎士さん達がお怪我してた人達だって。ディルが全員治してくれました。
窓の側で寝てる騎士さんの側にクインさんとギャレットじいじが立ってます。でも驚いたお顔して全然動きません。僕達の側にいるザクスさんも。3人ともどうしたのかな?
「まさかこんな…。いいかギャレットこのことについて誰かに何か聞かれたら、運が良かったとだけ言っておけ。絶対に気づかれるな、ユーキを守るためだ。」
「もちろんでございます。」
クインさんとギャレットじいじ最初小さな声でお話してたけど、すぐにお話やめて僕とディルにありがとうしてくれました。お怪我した人達はこのお部屋にいる人達だけだからもう大丈夫だって。みんなお怪我治って良かったねぇ。
お怪我治ったからもうお部屋に戻るって思ってたら、お部屋と反対の方に歩いていきます。それでお外に出ちゃいました。僕達が来たときにお家に入った所からお外に出て、お家の壁の所にある別のお家の中に入ります。中に入ったらオリバーさんとノアさんが居て他にも何人か騎士さんが居ました。みんなお部屋の真ん中を見てます。
僕も見ようと思ったらお父さん達が僕の前に立っちゃって、ぴょんぴょんしても背伸びしても全然見えません。
「まさか、なぜ奴が。」
誰だれ? お父さんとジョシュアお兄ちゃんの足の間からムギュってお顔出します。ふう、やっと見えた。僕のお顔潰れてない?
お部屋の真ん中に大きなブタさん?みたいな魔獣が寝てました。ドラゴンエシェットよりも小さいけどお父さん達より大きくて、ブタさんの上に寝たらお父さんが何人も寝れちゃうくらい大きいです。それからお口から大きな牙が出ててゴツゴツしたお洋服きてます。
もっとよく見たくて前に行こうとしたら誰かが僕のこと引っ張りました。すぽんってお顔が足の所から抜けます。そのまま抱っこしてくれたのルトブルでした。
「あまり近づくな我がだっこしてやる。これで良く見えるだろう。あの魔獣はオークジェネラルというのだ。」
寝っ転がってる魔獣の名前オークジェネラルっていう名前だって。ルトブルが抱っこしてくれたからお部屋の中が全部見えて、他にも2匹、ちょっと小さいオークジェネラルが寝っ転がってました。
「ちいしゃいのはこどもでしゅか?」
「ユーキにはそれの方が分かりやすいか? そうだなあれは子供だ。」
オークジェネラルの子供の頭の所に、大きくてへんな棒が置いてありました。棒の上の棒が大きくなっててギザギザしてました。僕よりもお父さん達よりも大きいです。
あの変な棒ね、オークジェネラル達が使う武器なんだって。お父さんやお母さん達は剣で戦うでしょう。オークジェネラルはあの棒で戦います。エシェットがね、あの棒お父さんやザクスさんやいっぱいの人が一緒に持たないと持ち上げられないって。とっても重い棒、オークジェネラルは1人でもって振り回して攻撃してきます。とっても強い魔獣だって教えてくれました。
「まぁ我もマシロもルトブルも、これくらいの魔獣なら簡単に倒せるがな。しかし…。」
そのあとエシェット黙っちゃいました。
僕とお母さんお兄ちゃん達はそのままお部屋に戻ったけど、お父さんはこれからまたお仕事だって、ザクスさん達とお仕事のお部屋に行っちゃいました。マシロもエシェットも付いて行っちゃったの。
ホットミルク飲んでベッドに潜ります。お父さんもマシロもエシェットも早く帰って来ないかなぁ。




