231たくさんのご挨拶
すぐに馬車の横に来たザクスさん。お父さんが窓からお顔出した途端、ばばばばばってお話してきました。僕ご挨拶しようと思ったのに…。
「おい、俺はほんの数日前にお前に手紙を書いたはずだぞ。それなのにどうしてお前がもうここに居る。どう考えてもおかしいだろう。カージナルから何日かかると思ってるんだ! まぁお前達なら移動できるかも知れないが、騎士も一緒なのはどう考えてもおかしい!」
お父さんお目めつぶってなんか嫌なお顔してザクスさんのお話聞いてます。たくさんお話してやっとお話止めたザクスさんゼェゼェしてます。お父さんが窓からお手て出してザクスさんのお肩ポンってしました。ザクスさんがお馬から降ります。そして、
「来てくれてありがとう。」
ってお辞儀しました。
「気にするな。それに礼を言うのは後でマシロ達に。まぁ話は中に入ってからにしよう。」
騎士さん達が入る所からいつもみたいに街の中に入って、ザクスさんが1番前歩いて案内してくれます。窓からお外見てたら街の人達ね、大きな荷物運んでる人や小さな荷物たくさん持って走ってる人達がたくさんです。カージナルにお頭達が来たときみたいでした。
僕のお家と同じくらいの大きさのお家が見えてきました。あそこがお兄ちゃんのお家です。でも門の前に着いたのに通り過ぎちゃいました。それで壁をぐるっと回って門よりも小さい所から中に入りました。それで玄関じゃない所で馬車から降りたの。
「こんな所からすまないな。いろいろ準備してて表の方はごちゃごちゃしてて通れないんだ。さあ、ここから中に入ってくれ。騎士はこいつが案内するから着いて行ってくれ。」
ドアからおじいちゃんが出てきました。
「お久しぶりですウイリアム様。騎士は私にお任せを。」
「お久しぶりです。オリバーあとは彼に従ってくれ。」
おじいさんが僕の方見てニコって笑いました。あっ、ご挨拶しなきゃ。僕おじいちゃんに挨拶です。そしたらおじいちゃんが騎士さんの挨拶してくれました。ピッて頭にお手てくっつけるやつ。だから僕もピッてご挨拶。オリバーさん達がおじいちゃんにくっついてどっかに行っちゃいました。
「ユーキ今日は騎士の格好か。カッコいいぞ。」
僕ね今日はお父さんとザクスさんの助けるお手伝いだから、お父さんとおんなじ騎士さんの格好なの。シルフィーもリュカ達もみんな。あとはうさぎさんのお洋服とネコさんのお洋服も持ってきてます。お手伝い終わったらザクスさんに見せるんだ。あのね騎士さんのお洋服とネコさんのお洋服、この前クロエさんが新しく作ってくれました。みんなお揃いです。
お家の中に入って、最初に僕達のお泊りするお部屋に案内してくれました。今日はお父さんもお母さんもお兄ちゃん達もみんな一緒のお部屋です。あとあと、マシロやエシェットみんなのベッドもちゃんとありました。リュカ達のベッド小さくてとっても可愛いです。
「お前からの手紙でルーリアも家族になったって言ってたからな。俺の家でいつユーキ達が遊びに来てもいいように用意しててな、それをこっちにそのまま持ってきておいたんだ。」
「私達が来ると確信してたか?」
「いやこればかりはこちらの都合だからな。もし来てもらえたらと思って持ってきていたんだ。さあ、荷物を置いたらすまないが兄貴の所に。予定よりもお前が早く来てくれたからな。これで心にゆとりが持てる。」
メイドさんが荷物を運んでくれて、お父さんがお洋服お着替えします。お母さんも。僕とお兄ちゃん達はそのまま。用意が終わってすぐお父さんとお母さんはザクスさんと一緒にザクスさんのお兄ちゃんの所にお話しに行っちゃいました。僕達は後でご挨拶なんだって。
お父さん達待ってたらお外が真っ暗になっちゃって、お腹空いたなぁって思ってたらメイドさんがご飯持ってきてくれました。お父さん達のお話し合いまだ終わらないから、僕とお兄ちゃん達で夜のご飯です。お野菜いっぱい…。僕キミルにサラダのお皿渡します。
「ユーキダメだよちゃんとお野菜食べないと。お母さんに怒られるよ。」
だってお野菜嫌い。ちっちゃいトマトみたいなのは好き。緑色だけどちょっとだけ甘いから食べられるの。
「ほらユーキ俺が半分食べてやるから頑張って半分食べろ。頑張って食べたら俺のデザート半分やるから。」
ジョシュアお兄ちゃんがサラダ半分食べてくれるって。それに残りの半分食べたらデザート半分くれるって。う~。僕頑張る! ツンツンもぐもぐ、ツンツンもぐもぐ。ふう、やっと半分全部食べ終わりました。
「よし頑張ったな。じゅやあ約束通りケーキ半分だ。」
「ありがとでしゅう!」
ケーキとっても美味しかったです。ご飯食べ終わって寝る時間になってもお父さん達戻ってきませんでした。
次の日の朝起きたらお父さんとお母さんお茶呑んでて、朝ごはん食べ終わったらザクスさんのお兄ちゃんに会うって言われました。
みんなでぞろぞろ廊下歩きます。廊下歩くときいつもみんな並ぶでしょ。僕、僕の隣がマシロとエシェット、後ろにリュカ、ディル、シルフィー、キミル、くろにゃん、モリオン、ホプリン、ルトブルの順番で並びます。この前ねお父さんがもう少し集まって歩きなさいって言いました。でも集まって歩いたら僕大変。リュカ達が僕に乗っかったからフラフラ、フラフラ歩いて転んじゃいました。だからお父さんがそのままで良いって。
ちょっとカッコいいドアの前に着きました。ザクスさんのお兄ちゃんのお仕事のお部屋です。ザクスさんがドアトントンして中に入ります。中に入ったら少しおじさんのザクスさんにそっくりな人が居ました。それから昨日のおじいちゃんも。
「こんにちはユーキ君。私はザクスの兄でクイントンだ。」
「えとユーキでしゅ。2しゃいでしゅ。よろちくでしゅ!!」
「ほう、小さいのに本当にしっかりしているな。それに…。よしユーキ私のことはクイン兄さんと呼んでくれ。」
「兄貴!」
「良いだろう別に。」
「んと、クインにいしゃん!!」
「ほら可愛い。ああ本当に可愛いな。私もこういう可愛い弟が欲しかった。」
「クイントン殿、ユーキが本気にします。」
「良いではないか。はぁ仕方がない。ザクスと同じで行こう。ユーキ兄さんはやめだ。みんなが反対するからな。私のことはクインさんと呼んでくれ。」
ん? お兄ちゃん、さん、どっち? 僕が考えてたらクインお兄ちゃん?の隣に立ってたおじいちゃんがクインお兄ちゃんのこと怒りました。怒られてる間にザクスさんがさんが合ってるって教えてくれたよ。
怒られるの終わったクインさんが僕のことお膝抱っこして、なでなでしながらいろいろなお話しました。僕の好きなお遊びとかどんなお菓子が好きかとか。いっぱいお話しました。
いっぱいお話した後、僕のお手伝いのお話です。僕すぐにお手伝いだと思ってクインさんのお膝から飛び降りて、マシロ達の前に行ってみんなでえいえいお~!のポーズします。暴れる魔獣みんな飛ばしちゃうもんね。マシロ達が。僕はみんなに魔力あげる係。あとは…。僕いろいろお手伝いするよ。
僕達がポーズしてたらクインさんとザクスさんが僕達の前にきてお辞儀しました。それからありがとうって。僕達まだお手伝いしてないよ? よく分かんないけど、うん僕お手伝い頑張るよ!
お手伝い始めようと思って廊下に走って出ようとしたけど、お父さんが僕のお洋服掴んだから前に進めません。それでお手伝いはまだって言われました。
「いいかユーキ。ユーキがいつもお父さんのお手伝いしてくれる時と同じだぞ。お父さんが手伝ってくれって言ったら手伝って欲しいんだ。今はまだお手伝いしなくて良いんだぞ。」
「主まだここには魔獣はいない。手伝いは出来ないぞ。」
あっそうか。失敗失敗。魔獣達いつ街に来るのかな。
お父さんもザクスさんもクインさんも、お手伝いの時はお願いするからそれまで僕遊んでて良いって。僕他のお手伝いするって言いました。でも今僕ができるお手伝いないんだって。僕がお手伝いお手伝いって言ってたら、おじいちゃんが良い所に連れて行ってくれるって言いました。
「ユーキ坊っちゃま。私の名前はギャレットと申します。ユーキ坊っちゃまはお爺様のことをなんと呼ばれているのですか? おじい様ですか?」
「うんとね、じいじっていうの。ばあばはばあばでしゅ。」
「そうですか。では私のこともじいじとお呼び下さい。」
ギャレットじいじが、僕の好きな物がある所へ連れて行ってくれるって言いました。なんだろう? きっとシルフィー達も喜ぶって。なら早く行かなきゃ! 僕達はじいじの後ろついて行こうとしました。でもマシロとエシェットとルトブルが付いてきません。お父さん達にお話があるんだって。
「はやくくるでしゅよ。」
お母さんもお兄ちゃん達もお話し合いです。だから僕達だけじいじに着いていきます。みんなはやく来てね。




