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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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20夜の出会い3

 モゾモゾ。ワンちゃんが少し体を動かして、そっと目を開けました。それから周りをきょろきょろ、僕たちが近くにいるのが分かって、びっくりして後ろに下がっちゃった。


「だいじょぶでしゅよ。だれもなにもしないでしゅ。おけがしてたでしゅ。ディルがなおしてくれまちた。よかったでしゅね。」


 ワンちゃんは自分の足を見て、怪我が治ったことを確認。ちゃんと治ってるの分かって、安心したみたい。静かにお座りして、じっと僕達を見てきました。


「ぼくのなまえは、勇輝でしゅ。マシロにディルにリュカでしゅ。よろしくでしゅ。」


「…ユーキ?」


「そうでしゅ。ここはぼくのおへやでしゅ。ワンちゃんはどして、まどいまちたか?」


「…僕、赤いトゲトゲの、大きい人間達に追いかけられたんだ…。」


 赤いトゲトゲ?大きい人間は多分、大人のことだよね。じゃあ、赤いトゲトゲは?


「赤いトゲトゲ、お母さんが危ないって言ってたから、僕逃げたんだ。でもその人間達が追いかけて来て、僕のこと攻撃して来たんだ。それで足怪我しちゃって。」


「ふおっ、そのひとたち、わるいひとたちでしゅね、けがさせちゃだめでしゅ、いま、どこいるでしゅか、ぼくがおこってあげましゅ!」


 あんなにひどい怪我、きっと攻撃された時、とっても怖かったよね。でも何でワンちゃん攻撃されたのかな?ビックエアーバードみたいに、怖い魔獣じゃないのにね。こんなに可愛いのに。


「ユーキ優しい。太陽みたいだね。」


 そう言うとワンちゃんは伏せをしました。太陽みたいって何だろう?


「お前良かったな、ユーキと会えて。ユーキがオレ達と契約してくれたから、魔力が強くなって、お前の怪我治せたんだぞ。」


「ユーキのおかげ?」


「そうだよ。ユーキにお礼、ありがとう言うと良いよ。」


「うん、ユーキありがと。」


「はいでしゅ。どいたちまして!…あの、ワンちゃん、なでなでしてもいいでしゅか?」


 だってね、ワンちゃんモコモコしてて、きっと触ったら、すごく気持ちいいと思ったんだ。


 ワンちゃんが静かにぼくの前まで来てくれて、お座りしてくれました。触って良いってことだよね。良いんだよね。僕はそっとワンちゃんの頭をなでなで。

 ふお、ふおお、モコモコです。マシロはふわふわサラサラで、ワンちゃんはふわふわモコモコです。気持ちよくて、いっぱいなでなでしてたら、


「主、もう良いのではないか。」


「ワンちゃん!」


 マシロが襟首をくわえて、ワンちゃんから僕を離しちゃった。何でマシロ?僕もっと触りたかったのに。ブー。僕はマシロをちょっと睨んじゃった。何でマシロ僕と目、合わせないの…。


「あー、そのー、主、さっきからワンちゃんと言っているが、この者はワンちゃんではないぞ。」


 何かなでなでから、離そうとしてない?でも、この子やっぱりワンちゃんじゃなかったんだ。そうだよね。綺麗なモコモコなお羽ついてるし。


「まじゅうでしゅか?」


「こいつ精霊だ。」


 精霊さんですか。精霊ってなに?小さいマシロと、同じみたいなのにね。魔獣と何が違うのかな?僕には分からないや。でも、この世界には、可愛い子が多いね。みんな僕大好きだよ。


「せいれいしゃん、なんておなまえでしゅか?おけがなおったから、もう、バイバイでしゅか?」


 精霊さんは首を傾けて、何か考えてる。僕もう少し一緒にいたいなあ。


 少しして精霊さんが、ディル達に近づいて、何かお話始めたよ。僕はマシロをなでなでしながら、お話し終わるの待ちました。


 でもね、お話し合い、なかなか終わらなかったよ。僕だんだん眠くなって来ちゃって、マシロに寄りかかりながら、こっくりこっくりしちゃった。はっ!と、目が覚めても、まだお話し合い。僕もう寝たいです。でも、ちゃんと待つですよ。もしかしたら、もう少し一緒にいれるかもしれないから。マシロが寝たら、起こしてくれるって言ったけど、頑張って起きて待ってました。


 どのくらいまったかな?みんなが僕のとこに戻ってきて、ディルとリュカは僕の肩に、精霊さんは僕の前に、ちょこんとお座りしました。


「せいれいしゃん、もうすこしいっしょ、いれましゅか?あさになったら、おいしいごはん、ありましゅよ。」


「僕ね、ちょっと疲れたんだ。1人でいっぱいいっぱい逃げたから。少しお休みしたい。」


 そうだよね。疲れたよね。悪い人たちにお怪我させられて、ここまで逃げてきたんだもんね。僕は、精霊さんに、ここでゆっくり、寝て良いよって言いました。ここには意地悪する人居ないからって。だってお父さんみたいに、優しい人ばっかりだもんね。


「ユーキ?僕ユーキとこれからずっと、一緒にいてもいい?」


「ふわっ!もちろんでしゅ。ずっとずっといっしょにいましょう。」


「ユーキはね、とっても輝いてるんだよ。太陽みたいにポカポカで。僕その光大好き。」


 さっきから光とか、太陽とか、ポカポカとか、よく分からない。そう言えば、さっき赤いトゲトゲって言ってなかった?何のことだろう。でも赤いトゲトゲ、悪い気がする。でも今はそんな事より、ずっと精霊さんと一緒に居られるの?


「僕、ユーキのこと幸せにするよ。みんな僕といると幸せになれるって、お母さん言ってた。だから、ユーキ。ユーキは僕に優しくしてくれる?いい子いい子してくれる?」


「はいでしゅ。いつもいいこいいこ、してあげましゅ。なでなでたくしゃんでしゅ!」


「ありがとユーキ。僕と契約。僕の名前教えてあげる。僕の名前はシルフィー。」


「シルフィー、ともだちなってくだしゃい!」


 名前を呼んだら、シルフィーのオデコにある虹色の石が、少しだけ光ってすぐ元通りに。


 今日の夜だけで、たくさん友達出来ちゃった。朝になったら、お父さん達にお知らせしなきゃ。こんなに可愛いお友達が、たくさん出来たんだもん。みんな凄いって言ってくれるかな、一緒に喜んでくれるかな。


 シルフィーとお友達になって、もう僕ダメでした。嬉しくてシルフィーを抱っこしてたんだけど、いつの間にか寝ちゃってたよ。


「あれ、寝ちゃったのか?」


「そうだね。」


「僕も一緒寝る…。」


「おい、お前達、ユーキの太陽みたいな温かい光のことは、誰にも言うな。この事はまだ秘密にしておけ。すくなくとも、もう少し大きくなるまではな。」


「何でだ?ユーキ特別なんだろ。」


「何でもだ。いいか、わかったな。お前達もユーキが怖がったり悲しがったりするのは嫌だろう。」


「うん。嫌だね。」


「ユーキ優しい。ユーキ悲しむのダメ。僕おやすみなさい…。」


「あ、ずるいぞ、オレだって一緒に寝るぞ。」


「ボクも。マシロは自分のクッションで寝てね。」


「なぜだ!」

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