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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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17朝の騒動

もふもふのマシロに包まれて、僕はぐっすり寝てました。


<トントン。トントン。>


「すう、すう…。」


<トントン、トントン。>


「うにゅう…。あしゃ…。すう…。」


 ドアを叩く音に、一瞬目が覚めたけど、僕はもう1度目を閉じました。それからガチャっという音がして、誰かが部屋に入ってきました。だあれ?僕、寝てますよ。


「ユーキ様、朝ですよ。起きてくだ………!」


 それは突然でした。

 バアアアンッ!!ていう、大きい音と、すごい風が吹いて僕は転がって目を覚ましたら、何、何の音!あれ、もふもふのマシロベットは?え、え?僕がパニックになってたら誰かがケンカしてる声がしました。


「ユーキ様から離れろ、魔獣!」


「お主こそ、主の睡眠を邪魔するとは、どういうつもりだ!」


「なっ、話せる…お前は上位種か!何故ユーキ様の部屋に、可愛いユーキ様を襲い、食らうつもりか!」


「主の安眠を妨げる者は万死に値する、覚悟するがいい!」


 見ると、部屋の真ん中でマシロとアメリアが戦ってた。

 何があったの2人とも。何で戦ってるの?お話もなんか変だし。よく見ると、カッコいい机も椅子も壊れちゃってるし、壁にもキズが付いちゃってる。


「だめでしゅよ。おへや、こわれるでしゅよ!」


 何とか止めようとしたけど、2人に僕の声は聞こえなくて。このままじゃ僕のお部屋、壊れちゃう!

 2人が攻撃するたびに何か壊れます。窓が割れてクローゼットが倒れて、机も転がって、椅子も壊れて、お部屋の壁にもたくさんの傷が…。僕はただ、その戦いをみてるしかありませんでした。


 あっ、そう言えばアメリア凄いね。マシロと戦えるなんて。ビックエアーバードを倒せるくらいマシロ強いのにね。2人の戦い見て、思わずそんな事考えちゃったよ。


「そこまでだ!」


 ぼけっとしていると、大きな声が。


「アメリア、引きなさい!」


 2人の間に、お父さんとお母さんが立ってました。いつの間に?


「2人とも落ち着け、ユーキの部屋を壊すつもりか!…まあ、もう壊れてるが。ユーキなんて、あそこに転がってるぞ!」


「主!」


「ユーキ様!」


 やっと2人が僕を見てくれて、それで2人が一緒に駆け寄ってきます。


「主、怪我はないか?」


「ああ、ユーキ様、申し訳ありません。」


 僕は部屋の中を見渡す。壊れてない物なんて、1つもありませんでした。初めての僕だけの部屋、ボロボロ…。ボロボロだよ。ふええ…。


「ダメでしゅよ!ぼくのおへや、ぼろぼろでしゅ…。こわれちゃったでしゅ…。うわあああん。」


「ああ、ユーキちゃん大丈夫よ。すぐにお部屋直してもらいましょうね。ほら、こっちいらっしゃい。それから貴方。貴方ユーキちゃんと一緒にいたワンちゃんね。まさかフェンリルだったのね。貴方も小さくなってついて来なさいアメリアも。」


 お母さんは、泣き出しちゃった僕を抱っこして歩き出しました。途中で騒ぎを聞きつけたお兄ちゃん2人も合流です。着いたのは休憩するお部屋でした。お部屋についても、お母さんは泣いている僕を、ずっと抱っこしてくれてました。背中を撫でてくれて、頭を撫でてくれて、それがとっても気持ち良かったです。


 少しして、ようやく泣き止んだ僕と、マシロとアメリアに、お母さんがどうしてこうなったのか聞いてきました。

 僕は昨日の夜寂しくなって、マシロに包まれて眠ったこと、朝、目を覚ましたときにはマシロとアメリアが戦ってたことを話しました。


 マシロは突然アメリアが攻撃してきたから、僕が寝るのを守ろうと攻撃をしたこと。アメリアも部屋に入ったらまさかフェンリルが居るとは思わず、僕が襲われてると思って攻撃したことを、それぞれが説明した。


「そうだったのね。寂しくなっちゃったのね。ごめんなさいね、気付いてあげられなくて。」


「それで、マシロと一緒に寝たのか。もう少し考えてやればよかったな。」


「それにしても、この子犬がフェンリルだったなんて。しかも上位種。」


「すごいな。なあ、悪いんだけど、大きくなってもらってもいいか?」


「ふん、何故我が言うことを聞かなければいけな…。」


「マシロ、なかよくでしゅよ。」


「………。」


 ボンッ、マシロが元の大きさに戻ると、ジョシュアお兄ちゃんは大喜び。うぉーって叫んでる。それがなかなか止まらない。

 あっ、お兄ちゃんの頭に何かがぶつかって、お兄ちゃん頭押さえて静かになったよ。よく見ると下にお盆?が落ちてました。何処から飛んできたの?


「ジョシュア、うるさいわよ。静かにしなさい。それで私思うのだけど、今回ユーキちゃん、マシロ、アメリアは悪くないと思うの。どう考えても、この事を報告しなかった人が悪いわよね。ねえ、あなた?」


「い、いやお前、昨日の夜こいつの事は明日説明するって事で、話がついたよな。」


「ええ、そうね。でもね、こんな重要な事だとは思わないでしょう。何かあると思ったけど。大体あなた、最初にここに知らせをよこした時、この事も、知らせる事が出来たでしょうに。それをあなたは…。」


 お母さんの話が止まりません。何かお父さんが小さくなってってる気がする。アンソニーお兄ちゃんは首を横に振って、お母さんの代わりに、僕を抱っこしてくれて、


「ああなったら、当分終わらないから放って置こう。ほらその間にここで朝ごはん食べちゃいな。アメリア頼むね。食べやすいものを。」


「はい。」


 アメリアがご飯持って来てくれて、それを食べる僕。マシロは僕の横で小さくなって伏せしてる。


 話が終わったのは、それから少し経ってから。アシェルが来てくれて、僕の部屋のこと教えに来てくれたから。僕のお部屋、今日のうちに直るって。すごいね。あれだけボロボロなのに…。それと、副団長さんが来た事を教えてくれました。


 副団長さんが部屋に入って来て、お父さんとお母さんを見て、


「ああ。またですか。」


 それだけ言うと、僕の方に。


「ユーキ君、おはようございます。」


「おはようでしゅ。まちへいきましゅか?」


 副団長さんと、街へ行くお約束です。


「それなのですが、ユーキ君、また今度でもいいですか?」


「こんどでしゅか?」


「はい。私達は森にいたでしょう?その間、街の仕事が出来なかったので、それが終わるまで待ってもらいたいんです。仕事が終わってからの方が、ゆっくり街を案内出来ますからね。」


 お仕事が終わらないんだ。もしかしてお父さんのお仕事?だってみんながお仕事しなさいって、お父さんに言ってたし。僕は聞いてみました。


「…とうしゃんの、おしごとでしゅか?」


「何でだよ!違うぞユーキ。」


 お父さんがすぐにそう言いました。だってそう思ったんだもん。


「これはこれは、なかなか鋭いところを突いてきますね。旦那様、まだ少ししか一緒にいらっしゃらないのに、もう仕事をしない人と、ちゃんと認識されているのですね。」


「凄いわねあなた。ユーキちゃんにまで、そんな事言われるなんて。でも本当の事だから仕方ないわよね。」


「くっ…、お前達…。」


「ははっ、違いますよ。なるべく早く終わらせて来ますから、待ってもらえますか?あれそう言えば、とうしゃんしゃま、辞めたんですね。」


 お仕事は大切だもんね。僕お仕事終わるの待つの得意なんだ。だって、前のお母さんの時、お仕事終わって帰ってくるの、毎日待ってたんだから。これくらい平気だもん。


「だいじょぶでしゅ。ぼくまてましゅ!」


「ありがとうございます。待ってくれるユーキ君にプレゼントです。これです。」


 副団長さんが僕にくれたプレゼントは、魔獣の首輪でした。黒色の首輪。

 そう言えば、朝、大変だったから、マシロの首輪のこと忘れてたよ。それに、あれじゃ、見つけるの大変だよね。部屋、ぐちゃぐちゃだもん。良かった。首輪プレゼントしてもらえて。


「ありがとでしゅ!」


「マシロは真っ白ですからね、黒が似合うと思ったんです。それにこの首輪は特別なんですよ。まず、付けてみましょう。」


 小さいマシロに首輪を付ける。副団長さんの言った通り、とってもマシロに似合ってた。


「よし、ちゃんと付けられましたね。ではマシロ、今度はそのまま、本来の姿になって下さい。」


「分かった。」


 ボンッ、マシロが大きくなっても、首輪は壊れないで、ちゃんと付いてた。


「これは、どんなサイズにも合わせる事ができる首輪です。これで気にせずいつでも変身出来るでしょう。」


「ふおお、ありがとでしゅ。マシロ、よかったでしゅね。」


 その後、みんなはそれぞれお仕事に行ったり、学校のお勉強したり、剣の訓練に行ったり、僕はね、街に行かなくなったから、お母さんがお庭に連れて行ってくれたんだ。

 


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