175妖精さん達とお話し合い
今日は朝からお父さんのお仕事のお部屋で、お父さん達と妖精さん達がずっとお話してました。悪い人捕まえに行くのに、僕行っちゃダメってお父さんが言ったから、僕も妖精さん達もブーブーです。
僕だって妖精さん達助けるんだもんね。マシロ達もみんなで助けに行って、悪い人達お仕置きするんだよ。
でも、最初は僕も一緒にお父さんに怒ったのに、途中からお父さんと妖精さん達だけのお話し合いになっちゃったの。妖精さん達お話が止まらないんだ。お父さんがお話しようとすると違う妖精さんがお話し始めて、その妖精さんが終わると次の妖精さん。妖精さんいっぱいだからね。やっとお父さんがお話しできても、またすぐに妖精さん達がお話し始めるの。
「私の話を聞きなさい!これは遊びじゃな…。」
「僕達は…!!」
「私だって…!!」
ね、すぐにお父さんお話できなくなっちゃうの。僕はこんなにたくさんお話出来ないし、早くお話出来ないから、みんなのお話終わるまで待ってることにしました。みんなが終わったら僕の番だからね。
そう思ってたのに全然お話終わらないの。つまんないよ。シルフィーは僕のお膝で寝ちゃったし、キミルとモリオンは2人で遊んでます。モリオンが魔法使ってどっかから木の実出すの。それをキミルがパッてとるんだ。たまに取れなくて、下にどんどん木の実が溜まって来ちゃったよ。
「木の実!!」
青色した妖精さんが木の実に気づいて、サッてこっちに飛んできました。それ見て他の妖精さんも飛んできます。木の実の周りは妖精さんだらけになりました。
「話はまだ終わっていないぞって、はあ、これじゃあ無理そうだな。」
「まだかかるのか?主が飽きているぞ。」
「お前も止めたらどうだ。ユーキが危ない目に会うかも知れないんだぞ。妖精達はユーキとおしゃべりしながら待つと言っているんだ。」
「ふん、この前に比べたら。だいたい大した奴らではないのだろう。それならば主と妖精達に結界を張っておけば良い。」
木の実食べてた妖精さん達。マシロのお話ちゃんと聞いてたみたい。バッてお顔上げて木の実食べながらお父さんの所に戻りました。
「もぐもぐ、それが良いよ、もぐもぐ。」
「うん。モグモグ、それが良い、モグモグ。」
食べながら喋る妖精さん達に、お父さんがまたまた怒ります。それのせいでまた長いお話し合いが始まっちゃったんだ。もう!僕話し合い嫌い!
僕はマシロベッドでゴロゴロ。それが終わって次は、エシェットにお父さんのお仕事の机から紙とペンを取ってもらってお絵かきです。エシェットが取ってくれたペンは太くて、紙に書いてみたらとっても濃い青色のペンでした。マジックみたいなの。僕パスミルも好きだけど、このペンも好きかも。
どんどんお絵かきする僕。ずっとお話し合いしてるお父さん達。やっとお話し合いが終わったの、お昼ご飯の時間でした。僕達のこと、お母さんが迎えに来てくれたんだ。それでねお母さんがお話終わりにしてくれたの。
お部屋に入って来たお母さん。僕達はすぐに気付いてお母さんに駆け寄ります。それでお話し合いがなかなか終わらないってブーブー言いました。それからみんなのお話し合いが終わるまで、静かにお絵かきしてたことも言って、ソファーや机、床に置いてある絵を見せました。
お母さん最初びっくりしたお顔してたけど、すぐにいつものニコニコお顔に戻って、大人しくできて偉いわねって褒められちゃった。えへへ。僕偉い。
それからお母さんはお父さんの所に。お父さん達ねお母さんが側に行ってやっと気づいたんだよ。ダメダメだよね。
「あなたいい加減にしたら、もうお昼よ。」
「しかし全然言う事を聞いてくれないんだ。」
お父さんが今までのお話し合いのことお母さんに言いました。それを聞いたお母さん、どんどんいろんなこと決めます。それから妖精さん達と僕にお約束もしたんだ。
あのね僕ついて行って良いって。でもお約束。必ずエシェットに結界を張ってもらうこと。その結界から絶対外に出ないこと。あとお父さん達が危ないと思ったらすぐに帰ること。それがお約束だって。もしお約束破ったらもう絶対に一緒に遊ばせてくれないって。ふおお!遊べないのはダメダメだよ。絶対お約束守らないと。お母さんのお話聞いて妖精さん達も頷いてます。そのこと伝えたら、じゃあ決まりねって。
「おい、なにを勝手に。もし怪我でもしたら。」
「だってこのままじゃいつまで経っても話が決まらないわ。それともあなた?あなた達は、あのバカで役に立たない剣術や魔法しか使えない騎士さえ、捕まえることができないのかしら。ここに居る妖精さん達は小さいし力が弱い子も多いみたいだから仕方がないけど、あなた達は、この街を守る要でしょう。一瞬で制圧出来ないとイケナイんじゃないのかしら。」
「そ、それは確かにそうだが。」
「それにエシェット?まさかこの間みたいに、結界が破られるなんてことはないわよね。まさか低能の人間に破られるなんて。」
「勿論だ。」
「そう?じゃあ良いじゃない。でもエシェット、それにマシロ達も分かっているでしょうね。もしユーキちゃんに何かあればその時は…。私は黙っていませんからね。」
お父さん達も、エシェット達もどうしたのかな。お母さんの方見てうんうんって黙ったまま頷いてます。あれ、何かバチバチ音するね。何だろう?
「それにね、もう1つ話し合いを終わらせなくちゃいけない理由があるわ。そうしないと…。」
お母さんが僕のお絵かきの方見ます。お父さんがそれ見てハッてお顔しました。
「ま、まさか!!」
すぐにお父さんが僕の描いた絵を拾い上げました。ん?紙のあった所に僕の描いた絵と同じ絵が書いてある?僕は他の絵拾ってみます。やっぱり同じ絵が下に描いてありました。
あのペンね、紙にお絵かきするやつじゃなかったの。壁に描いたり、箱に描いたり、木に描いたりする時に使うんだって。壁や木?お父さんいつお絵かきしてるのかな?
それでね僕が描いたのは薄い紙だったから下まで絵が写っちゃったの。だからソファーも机も床も僕の描いた絵だらけになっちゃった…。
「とうしゃ、ごめんしゃい…。」
「いや、私がいけなかった。ユーキは大人しく待っててくれたんだ。お父さん怒ってないぞ。」
お母さんが魔法でサァーって全部綺麗にしちゃいました。ふおお!凄い!前のパスミルで汚しちゃった時、綺麗にするの大変だったのに。お母さん魔法と石鹸で簡単にお掃除です。この前もお母さんが居てくれたら良かったのに。あっでも、僕がもう少し大きくなって魔法使ってもいいよって言われたら、この魔法覚えよう。そうしたら、汚しても大丈夫だよね。うん。そうしよう!
みんなでお昼ご飯食べて、ちょっとだけ遊んでおやつ食べて、たくさんお昼寝しました。だって今日は夜起きてないとね。
それから夜のご飯食べて、川に行くまでゆっくりです。お父さん達は行く準備してます。
「ねえねえユーキ川に行くまで夜のお散歩だね。」
お散歩!うんお散歩だね。夜のお散歩!あんまり夜はお店通り歩けないから楽しみだね。
もうすぐ時間だからみんなで玄関ホールに行きます。僕はお菓子たくさん入れたうさぎさんのカバンちゃんと持っていくよ。妖精さん達お菓子食べたいって言ったけど、まだダメだよ。これは捕まっちゃってる妖精さん達も一緒に食べるんだからね。お母さん達バカバカって悪い人達のこと言ってるから、すぐに捕まえられるよ。そしたらすぐにみんなの居る所聞いて助けてお菓子食べようね。
みんな玄関ホールに集まりました。お父さん達も僕達も準備万端です。川に出発です!
「ふんふん♪ふんふん♪みんなでおさんぽたのちいね。わるいひとも、とうしゃんとエシェットたちが、おしおきちてくれるでしゅよ。良いことばっかりでしゅ。」
「ねぇ~、楽しいねぇ~。」
「ねえねえ、今日の髪飾りも可愛い?」
「僕、クッキーが気に入ったよ!」
「私、あの小さいお家好きよ。」
「今度いつ遊びに行く?」
「ユーキ、お散歩じゃないぞ。静かに歩きなさい!まったく…。だいたいこれで会話が成り立っているのがおかしいだろう。」




