表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/645

14みんな家族

 だんだんとお店の数が減ってきて、いつの間にか、お家ばかりの所までやって来ました。街の中心にほとんどのお店があるから、その他はお家ばっかりなんだって。

 そのお家も減ってきて、何も無くなった所にありました。大きな大きなお家が。


「ふわあ、おおきいでしゅ。だれのおうちでしゅか?」


 ここに住んでいるのは、どんな人なのかな?きっと街の中で、1番大きくてカッコイイお家だよ。


「ここが私の屋敷だよ。ユーキがこれから暮らすお家だ。」


「ふぁっ!おうちここでしゅか!」


 びっくりです。カッコよくて、とっても大きいこのお家が、これから僕が暮らすお家でした。あんまりびっくりして、ぽけっとしたまま、門の前まで行っちゃいました。

 門の前まで行くと、門の前に立っていた2人の騎士さんが、敬礼をして門を開けてくれました。ギィーって音がして門が開きます。お父さんが中に入ります。


「では団長、我々はここで。」


「ああ、ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ。」


 お父さん以外、門の中に入ってきません。どしたの?


「どこいくでしゅか?」


「みんな自分の家に帰るんだ。仕事はおわりだからな。」


 そっか、みんな自分の家に帰るんだ…、今まで一緒だったから、少し寂しいな…。


「ユーキ君、私達はいつでも会えますからね。そんな顔しないで下さい。家だって近いですし、街を案内するって約束したでしょう。」


 そうだった、案内してくれるって約束だった、あんまり色々楽しいことあって、忘れるとこだった。イケナイいけない。じゃあ、直ぐ会えるんだね。良かったあ。


「はいです!またあちたでしゅ!」


「はは、明日か。」


「明日ですか…。ふふふ。」


「またね。ユーキ君。」


「じゃあな!」


4人にバイバイして、僕達は玄関に向かいます。玄関に着くまで、お馬さんでちょっと歩きます。

 お庭がとっても広かったです。お父さんに、お庭で遊んでもいいか聞いたら、お庭はお家の周り全部なんだって。だから誰かと一緒に遊ぶなら良いぞって。僕1人だと、迷子になっちゃうからだって。そんなに広いんだ。お家で迷子…。凄いね。


 玄関が見えて来て、そこにたくさんの人が、立っているのが見えました。みんな綺麗に並んでます。何してるの?


「みんな、私たちの出迎えだ。みんなユーキの家族だぞ。」


「ふわわ、かじょく、ぼくのかじょくでしゅ。」


 みんな家族だって。凄い凄い!あんなにたくさん家族になれるなんて!

 玄関の前に着いて、いよいよみんなとご挨拶。ドキドキ、ドキドキ。 


「お帰りなさいませ旦那様。」


「ああ。」


 背の高い男の人が、最初に声を掛けて来ました。スッと別の男の人が何も言わずに、お馬さんの手綱をもって、それと同時にお父さんがお馬さんから降りて、次に僕を抱き上げて、降ろしてくれました。お馬さんはそのまま、男の人がどっかに連れてっちゃった。自分の寝る小屋に帰るんだって。お馬さん、お疲れ様でした。僕を乗せてくれてありがとう。後でお父さんに頼んで、おやつ持ってくね。


 僕が地面に降りると女の人と、前の世界で高校生くらいの男の人が2人、前に出てきたよ。


「貴方、早くその可愛い子を紹介して下さい。楽しみにしていたのよ。」


「僕達だって弟が出来るって聞いて、嬉しかったんだから。」


「本当に小さいんだな。」


「分かった、分かった、お前たちどれだけ楽しみにしてたんだ。」


 お父さんが僕を、自分の一歩前に出して、紹介を始めた。


「名前はユーキ、森の中で見つけた。とってもしっかりした子だ。でもまだとても小さい。みんなで守って行こうと思っている。よろしく頼む。ユーキ、挨拶できるか?」


 ここはしっかり挨拶しなくちゃ、これから家族になるんだもんね。マシロを隣に降ろして、きをつけの姿勢、ピシッ!


「勇輝でしゅ。えと、かじょくになりましゅ。よろしくおねがいしましゅ。」


 これで大丈夫かなぁ。もっと何か言ったほうがいい? お父さんを見ると、大きく頷いて、にっこり笑ってくれました。自己紹介は成功したみたいです。ふう…。良かった…。


「あらあら、本当にしっかりした子なのね。」


「すごいね、ちゃんと自己紹介出来てる。」


「ちゃんと、きをつけまでしてるし。」


「よし、よく出来たな。今度はこちらの番だ。こっちが妻のオリビア、隣がアンソニー、でまたその隣がジョシュアだ。」


 最初にご挨拶してくれたのは、お母さんでした。お母さんは、髪が長くて、腰のところくらいまであります。とってもサラサラ。風で揺れると、ちょっとキラキラしてるみたい。金色みたいな髪の色だからかな?それにずっとにっこり笑ってて、すごく綺麗なお母さんです。


「ユーキちゃん、初めましてオリビアよ。貴方のお母さんになります。これから宜しくね。」


 お母さんの次は2人のお兄ちゃん。


「僕はアンソニー、18歳だよ。宜しくね。僕の部屋には、たくさん本があるから、読みたかったらどんどん持っていってね。あ、でも、ユーキが読める本ないか。」


「俺はジョシュア17歳、剣が得意だ。父さんと同じ騎士を目指してる。剣とか弓とか、訓練したかったら俺と一緒にやろうな。」


「いやいや、剣とかまだ早いだろう。こんなに小さいのに、歩くだけでも大変だろう。」


「そうか?」


 アンソニーお兄ちゃんは、本が好きなんだね。でもお兄ちゃんが言った通り、お兄ちゃんのお部屋にある本、難しい本ばっかりな気がする。

 ジョシュアお兄ちゃんは剣が得意。そうか、お父さんみたいに、カッコイイ騎士さんになるんだね。


「2人とも何ですか、ユーキちゃんは私と一緒に、お庭でお話しするのよ。」


「ダメだよ母さん、独り占めさせないからね。」


「そうだ、俺と剣の練習するんだから。」


「だからダメだって。」


 お話、止まらなくなっちゃった。僕がポカンとみんなを見ていると、お父さんが僕の頭を撫でてきて、優しく微笑んでくれました。


「これからみんなで、楽しく暮らそうな。」


「はいでしゅ!とうしゃんしゃま!」


 そう答えた時でした。お母さんがガバッと、僕を抱き上げたと思ったら、目の前にお母さんの顔。横にはお兄ちゃん達も、物凄く近くで僕を見てる、…何?どうしたの。


「ちょっと待って、今の何?ユーキちゃん、何て言ったの!」


 ふええ、お母さんちょっと怖い、本当にどうしたの?


「もう1度、もう1度言ってみて!」


 え?何を?…お父さんのこと?やっぱり呼び方おかしいかな?


「えっと、とうしゃんしゃま…?」


 みんなが動かなくなっちゃった。ほんとにみんな、よく固まるよね。何なんだろう?

 ふと何となくお母さん達の後ろを見ると、後ろで立っていた女の人達が、何人か座り込んでる。ふわ!今度はどうしたの!

 慌てる僕は、お父さんを探して、キョロキョロ。助けてお父さん!みんな変だよ。


「あー、みんなやられたな。おいオリビア!」


 慌てる僕とは反対に、お父さんはのんびりしてます。お父さんの声に、お母さんが復活しました。


「ハッ、あなた。あなたが教えたの、そう呼ぶように。」


「いいや、ユーキが自分から言ってきたんだ。」


「そう、そうなのね。ユーキちゃん早速私とお話ししましょう!さあ!」


 お母さんにしっかり抱っこされ、そのままお家の中に入って行きます。

 ま、まだマシロ紹介してないよ、ちょっと待って!ハッ、マシロは?マシロどこ!さっき僕が下ろした場所に、マシロはお母さん達の勢いにビックリしたのか、ボケッとしてた。


「マシロ!ちゅいてきちぇ!」


「!!」


 マシロが慌ててついて来て、その後をお父さんが、やれやれって言って、さらについて来ます。もうみんな、バタバタです。


 よく分かんないまま、僕はお母さんに連れて行かれちゃった。座り込んでた女の人達も、いつの間にか復活して、お家に入ると、バッてもの凄いスピードで、何処かに行っちゃった。ほんと皆、どうしたの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ