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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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13いよいよ街の中へ

 まだかな、まだかな。ワクワク、ソワソワが止まりません。そんな僕を、副団長さんが笑ってます。それで、もう少しで来てくれるから待っててって。僕が誰が来るのか、聞こうとしたら、


 ~おーい!~


 誰かが呼んでる声が聞こえました。声が聞こえた方を見たら、お馬さんが走って来て、そのお馬さんには、マシューさんが乗ってました。


「マシューしゃん!」


「ああ、来たみたいですね。待ち合わせはマシューですよ。」


 待ち合わせの人はマシューさんでした。そう言えば、先に街へ行ってるって言ってたもんね。あの時はお見送り出来なくてちょっと寂しかったけど、本当にすぐに会えた、よかったあ。


「悪い待たせたな。おうユーキもちゃんと来たな。」


「はいでしゅ!」


 僕は手を挙げて、元気よくお返事しました。お父さんが話しかけて、間にあったかって聞きます。


「ああ勿論。何しろ俺が着いてから、あの人すぐに動き出して、いろんなやつに指示出して、物凄い勢いで書類作成してたからな。それからあの人からの伝言。覚えていなさい、たくさん仕事を用意しておきます。部屋から出られると思わないように、だってさ。」


「あ、ああ…。」


「ははは、大変だな団長さん」


「団長、諦めて仕事してください。サボらずきちんと仕事すればすぐ終わりますよ。で、マシュー書類は?」


「おお、これだ。」


 何だか少し顔色の悪いお父さんに、マシューさんが1枚の厚手の紙を渡してきて、それをお父さんが確認します。何が書いてあるんだろう。お父さんのお顔、キリッてしてます。いつものニコニコお顔じゃありません。カッコいいお顔。僕お父さんのこのお顔も好きかも。


「よし、完璧だ。これで安心だ。」


 そう言ったお父さんのお顔は、いつものお顔に戻っちゃった。もう少し見てたかったな。それに安心って?何が書いてあるか気になって、聞いてみました。


「とうしゃんしゃま、それ、なんでしゅか?」


「何その呼び方!可愛い!ユーキお前ほんと可愛いな。」


「そうだろう、そうだろう。うちのユーキは可愛いんだ。」


 お父さんがお胸を張ってそう言ったら、それを聞いたマシューさん。もう親バカになったのか?って言って、お父さんをジーって見つめてました。


「ユーキ、これは、私とユーキが家族だって、書いてあるんだ。これがあれば、もし誰かが私たちに文句を言ってきても、家族のままでいられる、大切なものだよ。」


「ふわわ、みしぇてくだしゃい!」


 紙を受け取り、内容を確認!…出来なかったよ。書いてある文字が読めなかったんだ。

 言葉は分かるのに、神様、文字はダメなの?


 読めない僕に、書いてある事を教えてくれました。僕はお父さんの家族で、これから一緒に暮らします。って書いてあるんだって。そんな大切な事が書いてある紙だったんだ。マシューさん。持って来てくれてありがとう!

 ふへへ、うれしい!僕はもうニコニコです。お父さんにも、嬉しい?って聞いたら、


「ああ、勿論。とってもうれしいぞ。」


 お父さんの顔もニコニコで、ぐしゃぐしゃと、頭を力強くなでてくれます。それが嬉しくて、もっと笑っちゃいます。


「えへへ。えへへへ。」


「よし!さあ、街の中にはいるぞ!」


 いよいよ街の中に入ります。ドキドキ、ドキドキ、今度こそ街に入れるんだ。

 もう、僕のテンションは最高潮、今直ぐにでも走り出したい気分…。まあ、小さいせいですぐに転んで、お父さんに抱っこされるだろうけど…。

 でも、そんな気分なんだ!


 入り口に近付くと、そこに立っていた騎士さんが近づいてきて、ぴっと、手を頭に。オリバーさんが教えてくれました。敬礼って言うんだって。騎士さん達の挨拶です。僕も騎士さんに挨拶です。ぴっ!!騎士さんが笑いながら、僕にも敬礼してくれました。

 みんながお外の様子や、街の様子を話した後に、騎士さんが僕の方を見てきました。


「それでウイリアム団長、そちらの子供は。」


 僕のことを聞いて来ました。ちょっとドキってしました。家族で良いんだよね。大丈夫だよね。僕、街に入っても、みんなとバイバイじゃないよね。


「ああ、私の新しい家族でね、今日から一緒に暮らすんだ。これがその書類だ。」


「拝見させて頂きます…。」


 騎士さんが書類をチェックしてます。もうこの紙必要なんだ。騎士さんがじっくり確認してます。何か紙見るの長くない?お父さんの確認、もっと早かったよ。僕はちょっとだけドキドキです。


「はい、確認致しました。」


 やっと確認が終わって、騎士さんが書類をお父さんに返して、にこにこお顔で僕に話しかけてきました。


「名前は?」


「勇輝でしゅ。よろしくでしゅ。とうしゃんしゃまと、かろくでしゅ!」


 騎士さんが固まちゃった。どうしたの?


「あー、中に入ってもいいか?」


 お父さんの声に、はっとなった騎士さんが慌てて返事してきました。


「ど、どうぞお入り下さい。ユーキ君、カージナルの街へようこそ。」


 どうしてたまに、みんな固まるんだろう?僕、変なこと言ってないよね?

 騎士さんがまた敬礼したから、僕ももう1度、ぴっ!!騎士さんにバイバイして、門を潜り、ついに僕はカージナルの街に入りました。

 

 カージナルは、僕の前居たところと全然違う街でした。

 まず建物は、道の両側に、小さな食べ物屋さんや、果物屋さん、野菜屋さんに、お肉屋さん、剣や盾を売っていたり、本当に色々なお店が並んでで、お店の人たちが大きな声で、お客さんに声をかけてた。


 その後ろには、木で出来てる、マンションみたいな建物が建ってて、干してあった洗濯物を取り込んだり、窓から隣のお家の人と、お話をしてたり、ただ、窓からぼうっと外をみてる人、いろんな人がいました。


「ここはな、この街で1番の、お店が沢山ある通りなんだ。大体の物はここで買うことができるぞ。後ろの建物は、いろんな家族が暮らしている建物なんだが、この奥に行けば、一軒家もあるぞ。一軒家っていうのは、1つの家族が1つの家に住んでるっていう家のことだ。」


 お父さんが詳しく説明してくれます。それとね、壁の外にたくさんの人が居たけど、あの人達が街に入らなくても、中はたくさんの人だらけ、勿論魔獣も。


 僕が1番びっくりしたのは、ウサギさん耳をしている人、猫さん耳をしている人、そう、動物の耳の人達が居たんだ。僕びっくりしたのと、よく分かんないけど、嬉しくなっちゃって、言葉が出なくなった。


「ふおお…、ふおおお!!」


 あんまり興奮しちゃって、体が前のめりに。その時、グエって声が、お腹の方から聞こえてきました。


「ぐっ…、主、苦しい…。」


 マシロ潰しちゃった。そうだ、今のマシロ小さくて、僕が抱っこしてたんだった。


「ご、ごめんでしゅマシロ。だいじょぶでしゅか?」


 慌てて体を戻します。マシロごめんね。


「ユーキ、初めてで興奮するのは分かるが、少し落ち着け。」


「…はいでしゅ。ごめんしゃい…。」


 まあ、子供なんてこんなもんだってリアムさんが。お父さんもクスクス笑ってます。僕の頭を撫でながら、


「これからここで生活するんだ。私や私の家族が一緒なら、いつでも街の中で遊ばせてやる。」


 ここで遊べるんだ。楽しみ!!あっ、そう言えば…。


 お父さんの家族…。

 そうだ、僕ただ嬉しがってたけど、お父さんの家族のこと、聞くの忘れてた。僕、お父さんは家族になってくれるって、言って貰ったけど、他の家族の人は、良かったのかな。僕、いらないって言われないかな…。


「あの、とうしゃんしゃま?」


「どうした?」


「とうしゃんしゃまのかじょく、ぼくいいでしゅか?いっしょくりゃしゅ。」


「ああ、私の家族のことを気にしてるのか、それなら大丈夫だ。」


 何で大丈夫?だって初めて会うのに、それにお家に行くこと、まだお話してないでしょう。そしたらね、さっきマシューさんが持ってきてくれた家族の書類以外にもう1つ、お手紙があったんだって。それはお父さんの家族からのお手紙です。マシューさんが先に街に行った時、お父さんが家族に僕の事お手紙で、伝えておいてくれたんだって。


「ぼく、だいじょぶ?」


「ああ。ユーキも、私の家族に会うの楽しみにしていろ。」


「はいでしゅ!」


 綺麗な夕日のなか、僕達はこれから僕が暮らす、お父さんのお家に進んで行きます。

 お父さんと、お父さんの家族の人達と、これから家族になるんだ。それにマシロも一緒。嬉しいなぁ、嬉しいなぁ。




 




 


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― 新着の感想 ―
[一言] 最後の 嬉しいなぁ、嬉しいなぁ。 で泣けてしまいました。 先ほど去年6月に起きた2歳の女の子虐待死の裁判のニュースで受けたダメージが、おかげさまでちょっと回復できました。 彼女も次こそ、…
[良い点] 皆の溺愛具合が素敵です [気になる点] さすがにとうしゃんさまは可愛いというより頭悪い言い方に感じますが騎士の方々は誰も指摘しないんでしょうか?というより一応ゆーきくんってある程度元の世界…
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