表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/645

125王様と王子様

「………もういいわ。許してあげる。この小さい主も、ちゃんと貴方のこと叱ってくれたし。この子に感謝しなさいよ。じゃなきゃもう1度、怪我させてやるところよ。あんなにしつこく誘ってきて。」


 ん?どっち?許してくれたの?それともまだエシェットの事怒っててお怪我させるの?


「まだおこってるでしゅか?おけがさしぇるっていいまちた。」


「ああ、違うわ。今は許してあげたわよ。怪我はさせないからね。」


 ドラゴンさん許してくれました。良かったあ。僕はドラゴンさんにありがとうしました。そしたらドラゴンさんが私はシャーナよって。さっきサルバドールさんが言ってなかった?って。そういえば言ってたかも。

 サルバドールさんとシャーナに、皆んなのこと紹介しようと思ったんだけど、お父さん達がお城で待ってるから、帰ってから紹介してほしいって。お父さん達心配してるよね。エシェット急に居なくなっちゃったから。うん。早く帰ろう。あっ、でもここの木、元に戻さないとね。


「キミル、ここのき、もとにもどしぇるでしゅか?」


「うん。大丈夫だけど。」


 キミルがマシロとエシェットの方見ました。2人が小さな声で何かお話してます。それから、マシロが、


「帰って紹介が終わったら決めよう。今はもう遅い。ウイリアム達が心配しているはずだ。今だって主は気づいてないが、ここが明るいのは、リュカが明るくしてくれているからだぞ。」


 あれ?そうだ!今、夜だった。ずっと僕の周り明るかったから、忘れちゃってたよ。やっぱり早く帰らなきゃ。ここの木は、いつでもキミルが直してくれるもんね。それに僕、お父さん達に報告しなきゃ。ドラゴンさんに会ったこと。

 マシロに僕達が乗って、くろにゃんにサルバドールさん達が乗りました。


「エシェット。だっこちてくだしゃい。」


「分かった。さっきは途中でウイリアムに抱っこ代わったからな。」


「ん?ユーキ君は一応1人で乗れるんじゃないのか?」


「この洋服が嫌らしい。動き辛いし首が締まると言っていた。」


 僕はこのお洋服が、どんなにダメダメなお洋服か、一生懸命お話しました。僕のお話聞いてサルバドールさん、ちょっとだけ笑ってました。


「そこまで細かく説明してきたのは君が初めてだ。私も子供の頃この洋服が嫌いだった。ふむ。やはり、これは改善した方が良いようだな。」


 途中からぶつぶつ言い出しちゃったサルバドールさん。マシロがもう行くぞって言って走り出しました。

 帰りも来た時と同じ道から帰るみたい。マシロ達早いからね。すぐにお城についたよ。穴の開いてるところが入り口です。

 穴を通ったら、お母さんがすぐに駆け寄って来ました。お父さんも駆け寄って来て、僕を抱っこしました。


「ただいまでしゅう!」


「はあ、怪我とかしてないな。良かった。」


「あのね、とうしゃん、とうしゃん、ドラゴンしゃんにあったでしゅよ!とってもきれいでカッコいいドラゴンしゃんでしゅ!!あとね、あとね、けんかもしゅごかったでしゅう!こう、バキバキバキって!!」


「待て待て、一体何の話だ。そんなに鼻息荒くして。」


「ユーキ君。さあ、部屋へ入ろう。ゆっくり話をしようね。」


 サルバドールさんが先頭でお部屋に入って、僕達は後からゾロゾロお部屋に入りました。中にはじいじとばあばと、あと、とってもキラキラで飾りがたくさんついてる、カッコいいお洋服着てる男の人が居ました。お父さんが僕を下に下ろして、ご挨拶しなさいって。僕ははいって言って、手を上げました。


「ゆーきでしゅ!2しゃいでしゅ。よろちくおねがいでしゅ!」


 それからお辞儀しました。おじさんが僕に近づいてきて頭を撫でてくれました。とっても大きいおじさんです。背も高いし、体も大きいの。


「ちゃんと挨拶できてえらいのう。それにとっても元気がいい。ウイリアム、良い子じゃな。」


「ありがとうございます。」


 誰だろう。じいじと居たんだから、じいじのお友達かな?おじさんがお部屋の中にある、1番大きな椅子に座りました。その隣にサルバドールさんが座ります。


「さあ、ここからは友との再会と、友の家族として、お互い接しよう。さあさあ、座れ。そして話をしようじゃないか。」


 おじさんがそう言って、お父さん達が椅子に座ります。僕はお母さんのお膝の上です。僕の隣にマシロ達が座りました。反対にはくろにゃん達です。エシェットはドアの近くに立ってます。何で?僕がこっち来てって言ったら、シャーナの近くは嫌なんだって。シャーナは今サルバドールさんの隣に立ってます。さっきごめんなさいしたから大丈夫だよ。そう思ったんだけど、リュカがエシェットはシャーナのこと怖いんだって、教えてくれました。ふーん?まあ、いっか。


 最初はじいじが僕のこと、おじさんに紹介しました。僕が森でお父さんに会った事とかです。おじさんは黙ったまま、ずっとお話聞いてました。僕の事お話終わったら、今度はおじさんが、僕に自己紹介してくれました。


「ワシはこのボルフィスの国王じゃ。王様じゃぞ。名前はリチャードだ。よろしくのうユーキ。隣に居るのはワシの息子じゃ。もう名前は知っているようじゃな。」


「おうしゃま?」


 絵本に書いてあった王様?1番偉い人?


「ふわわ、ふわわわ!おうしゃまでしゅか!!しゅごいでしゅう!」


 僕は足をバタバタ。頭の上で拍手です。王様、凄い凄い。絵本のお城も見れて、王様にも会えちゃうなんて。僕とっても大興奮です。嬉しくて暴れる僕を、お母さんは全然離してくれません。ほんとはお部屋の中走りたいのに。あっ、でもお洋服動きにくいから無理かも。そうだ、王様にもお洋服の事言おう。皆んなにお洋服のこと言ったら、このお洋服、着なくても良くなるかも。


「おうしゃま、おねがいあるでしゅ。にいしゃんたちも、きらいでしゅ。あの、このおようふくダメダメでしゅ。うごけないでしゅ。でも、とうしゃんもかあしゃんも、きなしゃいっていいましゅ。だから、おうしゃま、このおようふく、べつのにちていいでしゅか?」


「こ、こらユーキ!」


 何かお父さん赤いお顔して慌ててます。ん?震えてる?お母さんが震えてるの?振り返ったら、お母さんも赤いお顔してました。どうしたの?そしたら僕のお話聞いてくれてた王様が、ガハハハッて笑い始めました。


「ガハハハハハッ!ダメダメか。そうかそうか。確かにこの洋服は昔から、子供たちに嫌われていたが、こうハッキリとダメダメだと言われたのは初めてじゃ。よし、ワシが許す。好きな洋服に着替えてきなさい。その方が、ゆっくり話が出来るじゃろうからな。オリビア、洋服を着替えさせてやるのじゃ。」


「も、申し訳ありません。それでは、少々失礼いたします。ユーキちゃん行きましょう。」


 僕を抱っこしたまま、お母さんはお部屋に戻りました。


(ウイリアム視点)

 ユーキの発言に、顔から火が出る勢いだった。まさか国王様に直接、服の文句を言うなんて。自分でも顔が赤くなっているとは分かるが、同様に顔を赤くしているオリビアが慌ててユーキを着替えさせに部屋を出て行った。多分いつもの少し良い洋服に変えてくるだろう。ユーキが出て行った後を、マシロ達が当たり前にゾロゾロとついて出て行った。


「しっかり、契約出来ているようじゃな。」


「父上、ユーキは伝説もしっかりコントロールしていますよ。」


「そうか。しかし、幼いとはいえ、しっかり自分の考えを言えるとは、ウイリアム達の育て方が良いようじゃな。」


「ありがとうございます。そして申し訳ありません。」


「何を謝る。あの服はワシもきらいじゃった。が、父が怖くて、ワシは何も言えんかったからな。これを機に、新しい洋服に考え直そう。」


 国王様が心の広い方で安心した。本当にユーキにはドキドキされられっぱなしだ。これから大事な話があるはずなのに、その緊張がなくなってしまった。本当に頼むぞユーキ。これ以上ドキドキさせないでくれ。国王様と普通に話している父さんにも、こっちはドキドキしているんだが…。


「どうじゃリチャード、ワシの孫は可愛いじゃろう。」


「何を、ワシの孫だって、負けてはいないぞ。まあ、今留守にしていて会わせられないのが残念じゃが。」


 それにしても…。サルバドール殿下の隣に立っている女性は何者だ。さっきエシェットの事を攻撃して、廊下に穴まで開けていたが。おそらく普通の女性ではないだろう。後で紹介があると思うが、きっと父さんが言っていた、国王様の秘密にも関係あるはずだ。

 

 そう言えばさっきの廊下の穴、国王様の関係者は誰も驚いていなかったな。それどころか通りかかった使用人は、またですかと言って、さっさと通り過ぎていたし。いつもの事なのか?

 まあ、それもすぐに分かるだろう。オリビア頼む。早くユーキを着替えさせて、戻って来てくれ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 公式の場もしくは立場がはっきりしてる場なら直接不満を言うのは不敬とか色々危ういけど、友とその家族の体の場合は不満言っても問題ナッシングよな(笑)
2020/07/13 17:21 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ