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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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8カージナルの街へ 1

 パカパカ、馬に揺られながら、木の間を進んでく。考えたら馬に乗るの初めて。

 この世界に来て、初めての事ばかりで、僕の心はずっとドキドキしっぱなし。今だって、見たことのない木や花や虫を、キョロキョロしながら観察中です。


「ユーキ君楽しいですか。」


 僕を支えてくれている副団長さんが、僕が質問する事に、ひとつひとつ丁寧に説明してくれます。


「はいでしゅ!とってもたのちいでしゅ!」


「街にはもっと、色々な物がありますよ。」


「いろいろでしゅか?」


「そうです。カージナルは沢山人が集まる場所なんです。そのおかげで、お店も多いですし、売っている物も、珍しい物が多いです。街に住んでいる私でも、物が多過ぎて、わからない物が、まだまだ沢山あります。」


 副団長さんが分からないくらい、沢山色々な物があるんだ。凄いね。カージナルはそんなに大きい街だったんだ。僕が前にいた所は、あんまりお店とかなかったよ。マンションばっかり。


 僕、迷子にならないかな?それにお店で売ってる物とか、絶対知らないものばっかりだよね。今だって、知らない物ばっかりで、オリバーさんに教えてもらってるのに。

 でも、楽しそうだなあ。


「ぼくも、みてみちゃいです!」


「なら、案内は私がしますね。」


「いいでしゅか!」


 副団長さんが、案内してくれるって。やったあー!


「もちろん。ユーキ君と一緒なら、きっと楽しいでしょうね。」


「なら、私だって…。」


 と、団長さんが話しかけてきたきたけど、


「貴方は黙ってて下さい。まだ反省中のはずでは?」


「はい…。すみません…。」


 副団長さんに睨まれちゃって、団長さん、またすぐ静かになっちゃった。副団長さんの言うこと、ちゃんと聞かなくちゃね。また怒られちゃうよ。そんな団長さんの姿を見て、マシロはすっ、と後ろの方に下がって行っちゃいました。


「ほかには、なにが、あるでしゅか?」


「そうですねえー。そうだ、魔獣もたくさん居ますよ。」


「たくしゃん…。こわくないでしゅか?」


 僕はビックエアーバードのことを思い出した。あんな魔獣が街に居たら、大変じゃない?街の人たちみんな、お怪我しちゃうよ?

 この時の僕は、マシロがその魔獣よりも、もっと危ない魔獣だなんて知らなかった。


「大丈夫ですよ。ユーキ君はマシロと友達ですよね?」


「はい!ともだちでしゅ!」


「街に居る魔獣は、ほとんどが誰かの友達なんです。」


 そっか、僕みたいにみんな、お友達なんだね。じゃあ大丈夫だね。あっ、それなら僕、マシロの他にも、お友達出来るかな。マシロは1番の友達だけど、僕、前はお友達居なかったから。だからお友達たくさん出来たら嬉しいな。


「ぼく、マシロだいしゅきでしゅ。たいしぇつな、おともだちでしゅ。でも、もっとたくしゃん、おともだちなりたいでしゅ。おともだち、できりゅかな…?」


「大丈夫。ユーキ君ならたくさん友達が出来るはずです。でも、無理やり友達になってはいけませんよ。相手がユーキ君と友達になってもいいと、一緒にいてもいいと思ってくれたら、友達になりましょうね。」


「はいでしゅ!」


 それからね、街に居る魔獣は、お仕事のお手伝いもしてくれるって、教えてくれました。今のマシロみたいに、重い荷物を運んだり、僕みたいに魔獣に乗って、街から街に移動したり、だからね、街には魔獣が多いんだって。

 魔獣のお話聞いてたら、急に副団長さんが、さっきの事、大事な事言うの忘れてたって。


「友達になってからも、その友達が嫌がることを、やってはいけません。悲しませることもダメです。自分の考えを押し付け、相手の気持ちを考えないのもダメです。これが1番大切な事です。ずっと仲良しでいたいでしょう?お友達は大切にしましょうね。」


「はいでしゅ!おともだち、たいしぇちゅ、しましゅ!」


 良い子って言って、頭撫でてくれました。それから、後ろのバカ2人みたいに、ならないようにって。団長さんとマシロの事でした。バカって言っちゃった…。2人がもっとショボンとしちゃいました。


 パカパカお馬さんの足音が近付いて来て、マシューさんが、副団長さんの隣に来て、話しかけてきました。


「あれだよな、お前。」


「何ですか、マシュー。」


「お前って容赦ないよな…、お前だけは敵に回したくないわ。」


「そうですか?では敵に回らないように気をつけて下さいね。大丈夫ですよ。ちゃんと常識的に対応して貰えれば、私が敵に回ることはありませんから。」


「ああ、気をつけるよ。」


 そう言って、また離れて行っちゃいました。

 

 それからも副団長さんは、色々な話を聞かせてくれました。

 話を聞かせてくれている間も、森の中に僕が興味を示す物があれば、話を中断して詳しく説明してくれます。それに疲れてないかとか、眠くなったら支えているから眠っていいとか、ほんとに優しいんだ。


 でもね、なかなか森から出ないから、不思議に思って聞いてみたよ。そしたらね、あと少ししたら外に出れるみたいなんだけど、街に行く頃には真夜中になっちゃうから、もう1日、森の出口でお泊まりするみたい。出口の所に、お泊まりするのに良い場所があるんだって。


 そんな話をしているうちに、僕はいつの間にか寝ちゃってました。


「…くん、…君、起きてください。ユーキ君着きましたよ。」


「うにゅ~、おはよ?ごじゃいましゅ…。あしゃでしゅか…?」


「クスクス。ユーキ君、今は朝じゃありませんよ。夕方です。」


 言われて確認したら、空が綺麗なオレンジ色でした。それから周りを見たら、狭いけど、みんなで寝るのは大丈夫な場所です。


「ユーキ君、2人が何か、言いたいことがあるみたいですよ。」


「うにゅ?」


 副団長さんの後ろに、マシロと団長さんが立っていて、僕の目の前まで来ると、2人で僕に、ごめんなさいして来ました。


「ユーキ、すまなかった。自分のことばかりで、ユーキを困らせて泣かせるところだった。本当にすまない。」


「我もだ。我は主を守るべき存在なのに、泣かせようとするとは、まったくもってすまない。このとおりだ。」


 2人一緒にごめんなさいです。


「もう、けんかしましぇんか?なかよし、できましゅか?」


「「もちろんだ!」」


 2人の声が一緒でした。


「じゃぼく、もう、おこりましぇん。みんな、なかよしでしゅ!」


「「ユーキ(我が主)!」」


 2人が駆け寄って、抱っこして頭を撫でてくれたり、顔を擦り寄せてきたりしました。なかなか離れてくれなくて、僕が2人にくちゃくちゃにされてたら、また副団長さんに怒られてました。


 ノアさんのご飯が出来るまで、みんな仕事があるから、1人で遊んでいられるかって、聞かれたけど、マシロがいるから大丈夫って言うと、みんな納得して、それぞれの仕事するのに、離れて行っちゃった。

ご飯何かな~。

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