第7話 学ぶ少年
説明回です。できれば覚えといてください。
―――翌朝
特に何もなくその日は終わった。アリシアちゃんと廊下で会って逃げられたり、朝ご飯中もずっと喋るどころか目も合わせてくれなかったりした。その後、おかみさんのお手伝いとして片付けと掃除をやった。前世ではすべて一人でやっていたのでつつがなく終わった。そして休みの日は今日含めあと三日あるらしく今日からこの世界の常識について二人から(おかみさんは忙しいので主にアリシアちゃん)聞くことになった。二日かけて聞いたので以下はその要約になる。
まずこの世界、というかこの星はエーツといい、エイラ大陸、トルマ大陸、タチ大陸、マーダ大陸の四大陸で構成されているらしい。四大陸間での交流もあり戦争は少ないそうだ。地動説が証明されているらしく、太陽の正しい名前はタイユゥーらしい、ほぼ一緒だった(のでこれからも太陽とする)。
そしてここはエイラ大陸で四季がある温暖な場所らしく、四大陸中二番目の大きさで最も草木の豊かな平和な大陸らしい。エイラ大陸はユグドラシル、ミョルニル、ククノチの三か国で構成されているらしいが二人はここユグドラシル王国から出たことがないそうで他二か国はよく知らないそうだ。
で、ユグドラシル王国は三か国の中で大きく、王城を中心に同心円状に広がっているらしい。町などの区分けはないが各地の領主がある程度の範囲を仕切っているらしく、領主の領土は城下町の衛星都市だとか。また、世界的に平均的な国力だそうだが詳しくは知らないそうだ。
ちなみにこのヤック亭は城下町にあるらしい。道理で中世のお城みたいなのがあった訳だ。
続いて、「職業」について。この世界の人は16歳になると「職業」を得るそうだ。クラスはこの世界における能力の基礎や限界を決めるらしく、クラスによる格差なんかがあるそうだ。ただしそれを差別するのは公的に禁止されているらしい。・・・あくまで公的には、だが。
そして「魔法」。この世界の生物はすべて「魔素」を持っており、空気中にも微少にあるそうだ。魔素には属性があるらしく火、水、風、土の基本4種と光、闇、無の特殊3種と自由魔素の合計8種類だそうだ。そして自由魔素に各属性をのせてイメージしながら身体から出すことで魔法が発現する、らしい。ちなみに魔法はクラスを得てから=16歳以上でないと使うことは一切できないらしく、魔法への素質も必要で素質のない人は「魔道具」を動かすのが精一杯らしい。魔道具は空気中の魔素を吸収しており、使用時に魔素を注ぐことで特定の魔法が発動する道具らしい。宿のお湯も魔道具で出しているらしい。
そして「スキル」。これは「コエ」と呼ばれる者がスキルを与えてくれるらしい。しかし、普通は0~5個しか与えられず、それも余程得意なことや死にそうなときにしか与えられないらしく、一生かけて手に入らない場合もあるらしい。そのせいか2つ持っているだけで国にかなり優遇されるらしい。しかも、このスキルは最年少で20歳の人が得たらしく、その人は天才でかつ物心ついた時から修業をしていたらしい。つまるところ、スキルを得るのはとても大変だということだ。
また、この世界には「移リ者」がいるらしく、これはいわゆる「転移者」らしい。僕と同じく地球から来た人がすべてで、珍しいスキルを持っていて身体能力も高いらしい。人数は少ないがその力から国に重宝されているらしい。また、最低でもこの二人は「転生者」については知らなかった。
この話の流れで自分が転生者だと話してみた。そしたら信じてもらえなかった。「そうかもね」と親子そろって笑われた。解せぬ。
そして「魔物」。魔素を多く持ち、暴走状態になった生物を「魔物」と呼ぶらしい。多くは凶暴化するので元の生物が草食動物や植物だろうと周りの魔素を持つものを捕食するらしい。魔物は大体が国の兵士団に討伐されるか「冒険者」と呼ばれる魔物の討伐で生活している人たちに倒されるらしい。その需要と供給が釣り合っているらしく数年で数えられる程しか被害は出ていないらしい。二人は魔物に詳しくないが「冒険者ギルド」という冒険者の集まりで教えてくれるらしい。
という以上五つが主な話だ。後はここユグドラシル王国城下町にある店や面白かった宿のお客さんについても聞かされた、と言いつつノリノリで聞いていたのだが。
会話がなくて書いててびっくり