プロローグ -半透明な日常-
初めての作品となります!
直すところが多いと思うのでちょくちょく直しますがその度にもっと読んでもらえれるように頑張ります!
今回は本編前のプロローグとなるので非常に短いです!!
僕は比較的なんでも出来る人間だと思う。
毎日午前6時丁度に目を覚まし、洗面所に行って顔を洗う。続いて朝食と弁当をテキパキと作り、朝食を食べる。食べ終われば制服に着替え、ベランダに出て洗濯物を干す。
洗濯物を干し終える頃に時計を見ると長針は大抵8時前後を指し、このタイミングで学校へ向かう。着いたら、1年b組の教室の窓際一番後ろという好立地にある自分の席に着くなり1時間目の予習や読書をしている。
昼休みになれば暖かな日差しに包まれた屋上に行き、自分で作ったそれなりに美味しいと思う弁当を食べ、のんびり過ごしている。たまに吹く心地よい風はついつい寝たくなって仕方ない。たがもちろん次の授業の5分前には席に着き、余裕を持って5時間目を迎えれるように心がけている。
小学生の頃からテストも毎回平均、もしくはそれ以上をとり、運動も苦手なものは特になくちゃんとやればそこそこの活躍をする筈だ。
放課後は部活に入ってはいないのでさっさと帰宅する。帰宅後は即座にイヤホンを耳に装着し、好きな音楽を聴く。その流れで鼻歌を歌いながら掃除をし、食器を洗い、風呂場の掃除し、洗濯物を取り込み、たたんで綺麗に収める。
晩御飯を食べ終えた後はテレビを見たり読書をしたり、勉強したりゲームをしたり、ネットサーフィンや動画を楽しむ、きっとそこら辺にいる同じような年頃の人と同じようにダラダラ過ごして12時を過ぎる頃には眠りに就く。
自分の1日を振り返ればさっきも言った様になんでも比較出来ていると思う。
そんなぱっと見普通な彼にはいくつか問題があった。
名前は五十嵐 楓。まず彼は完全なぼっちである。
別にいじめられているわけでもなく、最近引っ越してきたというわけでもない。
正真正銘の真のぼっちである。
自分で比較的なんでも出来ると言う癖に友達は1人もいない。
きっと対人関係が苦手で話しかけれない性格だと思いきや見知らぬ御老人や迷子の子どもを交番に連れて行き、先生からの頼み事も断らず難なくこなしているためとてもコミュ症とは思えない。
父親はサラリーマンではあるが単身赴任し、母親は看護師として働くが、いつも夜勤にシフトを入れているため両親とはほとんど会う事もない。唯一、家族として側にいるのは一つ下の仲の良い妹が1人ぐらいだ。
そんな彼に一つ友達ができない原因があるとすれば、きっとこれだろう。
「ねぇねぇ...... 」
「あの、ちょっといいかな。」
隣の席に座っている人に声をかける楓。だが隣の子は気づいてくれない。どうやら本当に気づいてないようなので諦めて本の続きを読んでいると、
数秒後
「おい、坂上。今誰かに声かけられなかったか? 」
「え......いや気のせいだろ? 」
と反応している。
まあ、これは楓にとっては日常茶飯事である。
楓はほとんど人から認識されないほど影が薄いのである。
彼ならきっと鬼ごっこをしても鬼に狙われる事もなく、ドッチボールしてもきっと最後の生き残りとしてフィールドに残るだろう。この例えには友達や遊び相手がいるのが条件ではあるが。
とりあえず、一人ということさえ気にしなければ誰よりも自由な人生を送れそうである。
だが彼は願う、
友達が欲しいと。
会話をしたいと。
誰かと何かを分かち合いたいと。
最後まで読んでいただきありがとうございます!次回からが本編となりますので宜しくお願い致します!