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「ちょっとまてぇぇぇぇぃ!!」
叫び声と共に瑞樹が戻ってきた。
部屋のドアを蹴り飛ばして・・・
因みに扉は一撃で粉々に粉砕された。
うん、邪魔だと思ってた扉、瑞樹自ら破壊してくれたわ。
らっきー♪
って・・・・え?
「流石です、瑞樹様。とても良くお似合いですね。」
う、うん、確かに・・・良く似合ってる・・・けど・・・
部屋に戻ってきた瑞樹、私の服・・・こないだのパーティで着てたドレス?
それに今は金髪のカツラも被っている。
あぁ、そっか。女性扱いされて発作が出たのね。
って、ワタシ、随分冷静ね?
それにしても・・・今の瑞樹、誰かに似ている様な・・・
多分、相当恥ずかしいのね。
羞恥で真っ赤で・・・な、なんかエロい。
や、やばい。可愛いわ。
いや、そうじゃなくって・・・・
部屋に用意されていたのはピンクのドレスだった。
転移のショック?それとも・・・
なんだかんだで服が・・・あれな事に全く気がつかなかった。
それに気がついたのは既に着替え終わってからだ。
もうちょい早く気付けよボク・・・
まぁ、何の疑いもなく着替えたボクも悪いんだけど・・・
それにしてもこれは無いんじゃ?
あんまりだよ・・・
これ、ホント逮捕されても文句言えないよね。
変態道、極めちゃったよ・・・
ってか、無理矢理極めさせられちゃったよ。
なのにミリィさん、何か『いい仕事した!』って感じのドヤ顔?なんかムカつく。
「いや、色々おかしいよね!?ボク、護衛だよね!?それに男だよ!?」
「あら?そうでしたか。まぁ、些細な問題です。」
「大問題ですよ!?ボク的には!!」
「では何故そのまま着替えたのですか?」
「・・・うっ。」
しまった、着替える前に抗議すべきだったか。
ボロボロの制服よりはマシかと思ったけど・・・
ってか、抵抗なしに着替えたボクも悪いよね?
「疑問には思っても現状を受け入れて下さったのでは?」
「・・・そ、そんなつもりは・・・」
あくまでもボロボロよりは良いかと・・・
「ではどんなおつもりで?」
「うぅぅ・・・つい、昔の癖で」
「ほほう?以前から女装趣味がお有りだったと?」
「じゃなくて!!・・・うぅぅ、トラウマが・・・」
こんな事は学校でも度々あった。
体育の授業でブルマが用意されてたりとか、終わって着替えようとすると女子の制服だったりとか。
余りにしょっちゅうだったのですっかり諦めてしまってた。
「まぁ、瑞樹様に女装趣味が有ろうが無かろうがどうでも良いのですが。」
「ないよ!?・・・多分?」
「それにしても・・・用意していた下着までしっかりと着用されて・・・」
くっ!!
「ノリノリですね、瑞樹様?」
「そんなこと無い!!」
「本当ですか?」
「・・・ほ、本当だよ?・・・無い・・・よ?」
「何故に疑問系?・・・って、そんな事より。お気づきになりませんか?」
何の事?気づくって?
確かに我ながら可愛いとは思う。
自分なんだけどね?これ。因みに好みどストライク?
・・・べ、別にナルシストって訳じゃないよ?
それに可愛いってのは服の事だよ?
何て事考えつつ、顔を真っ赤にしながら・・・疑問に思っているとミリィさんが姿見を目の前に持って来た。
・・・あれ?
なるほど、ミリィさんがドヤ顔にもなるわけだ・・・
今のボクの姿、アメリア様と瓜二つだった。
「恥じらいがある分だけ姫様よりも色っぽいですね。」
「ミリィ?喧嘩売ってる?」
「まぁ、その辺の事は置いといて・・・おわかりいただけましたか?」
「・・・・」
「瑞樹様には姫様の影武者になっていただきたいと。」
・・・・ぇぇぇぇ!?