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かなり短いけど・・・

とりあえず。

身体中が痛い。

たかだか10数段の階段を転げ落ちたにしては痛みがひどい。

段々と意識が戻って来るにつれて周りが騒がしい事に気づく。

「・・・う、うぅ・・・」

「お?気が付いたか?」

熊みたいなおっさんが覗き込んでいた。全身、鎧を着込んで。

「・・・わぁぁ!!」

慌てて背後に逃げる。ボフッと頭が何か柔らかいものに当たる。

「いやん♪」

可愛らしい声と共に抱きしめられる形で押さえつけられる。

目の前の熊は相変わらずこっちを見てる。

「うん、やっぱり騎士団長、怖いよ。」

今気がついたけどすぐ横にもう一人いた。

20代後半って感じのチャラそうな奴が・・・

「うるせぇよ!!俺だって好きでこんな顔に産まれた訳じゃねぇよ!」

いじけたのかしゃがみ込んで地面を木の枝でほじくり返してる。

あれ?ちょっと可愛いかも?

いや、あれは熊だ。

危険な熊なんだ・・・

「あの、何処か痛いところは有りませんか?」

背後の柔らかい物体に可愛らしい声で尋ねられる。

「あ、はい、大丈夫です。むしろ気持ちいいです。」

「・・・は?」

やべっ、正直に答えすぎたか。

「ところで、君は何処から来たのかな?」

横に居たチャラそうな男が訪ねてくる。

「え?何処からって・・・学校で階段から落ちて・・・」

「・・・学校?」

背後の柔らかい物体の疑問なような声に改めて周りを見る。

「あれ?ここ・・・何処?」

見た事もない景色だった。

学校のグラウンド位の広い場所。

その中に甲冑を身に纏った騎士の様な人達が闘っている。

と言うより、これって訓練?

「ここはギルドの訓練場。君はいきなり空から落ちて来たんだよ。」

は?ギルド?訓練場?なんのこっちゃ?

「・・・状況が飲み込めていない様な感じだねぇ。」

チャラそうな男が呆れた様な顔をしている。

うん、その通り。

まるっきり飲み込めてない。

「大丈夫です、少し落ち着けば・・・」

そう言って優しく抱きしめてくれる柔らかい物体。

気持ちいい。

状況的にパフパフってやつか?これ。

柔らかい感触を堪能しているとチャラそうな男の背後から物凄い敵意を向けられる。

敵意どころかなんか飛んできて目の前の地面に刺さる。

一振りの剣だった。

「おわぁっ!」

いきなりだったのでびっくりして仰け反る。

ぼふんっ!って効果音がぴったりな感触。

「きゃ♪」

かわいい叫びと共に頭を押さえつけられる。

落ち着け、柔らかい物体。

「いい加減、姫様からはなれろ!!」

先ほどの敵意を向けてきた奴が怒鳴っている。

って、この柔らかい物体、姫様?姫様ってなによ?

まぁ、何はともあれ、こいつ、目の前でのパフパフが羨ましかったんか?

見せつける様に頭をぐりぐりと押し付ける。

「やん♪」

いい声で鳴きなさる、この姫様。

ちょっと癖になりそう♪

「はなれろ!!この不埒者が!!」

いや、離れろって言っても、押さえつけてるの姫様だし。

「離れろって言ってんだろ!このオカマ野郎が!!」


ぷっちーん。

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