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試作詩作  作者: 時雨良明
96/400

逃亡者

時間が止まればいいと思っていた

自信のなさの裏返し

今への満足が生んだ感情

でも

そんなのって

「逃げだろう」


逃げ続けていたいから

時間が止まれば逃げ続けていられるから

僕らは時を止めたがる

永遠に今が続けば苦しいことなんて何もない

「逃げだろう」


夢のような世界なんだ

今この瞬間は

だから永遠に続いてほしいと願う

願っただけで何にもできない

永遠に続いてほしいと願う

それもまた

「逃げだろう」


結局はみんな自信がないのだ

この先の人生に自信がない

時間を止めれば未来なんて関係ない

でもやっぱり

「逃げている」


そうして僕は

逃げ続けたあとに

死を選びました

だって逃げきれなくなったから

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