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夢の中の景色みたい
夢の中の景色みたい
この手に涙が触れた時
やけどしたからわかったの
ゆめのなみだにふれるとやけど
それだけがゆめのあかし
手に触れた水滴の温度と
残った痛みのないやけどの跡が
妙にミスマッチに見えて
どこか綺麗にはまっている感覚がした
夢の中の景色みたい
この悲鳴すらおっこちていって
底の方でコツンと硬質な音を立てて消える
私も最後には落ちていって
同じように消えていく
シンプルに滅びゆく今日や明日まで
同じように落ちていって
同じように消えていく
トンネルの中の生き物たち
夢の中の景色みたい
ここに立っている僕らと
隣の壁に立っているあなた
手をつないでいる
手をつないで並んで立っている
乱雑に夢がちぎれて
僕らは突然目を覚ます
目覚めたときには何も覚えていなくて
何があったかもわからないけど
今日を歩くのだ、僕たちは
(夢の世界に想いを乗せて
明日の夢を見届けるため)