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本当に輝きたいの?
物語は始まりの時を待っている
いつか終わりの日がくると知ってなお
始まりの時を待っている
物語が最も輝くのはいつだろうか
私は始まる前の輝きに見惚れた
彼らは終わりに向かって輝くよりも強く
始まりに向かって輝くのだ
始まった後は終わるだけ
そこに感動などないし
なんの喜びもありはしない
だから輝きを追い求める私は
始まりをいつまでも恐れている
始まりに向かうことは終わりに向かうこと
だから始まりと終わりを平等に恐れている
物語は平坦だ
始まりも終わりも平等に待ち受けている
私は臆病だ
始まりも終わりも平等に恐れている