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必死に
まず感じたのは熱だった
熱い熱い、体が燃え上がりそうだ
早く冷えてほしい、この体が焼け果てるまでに
そうして水を求めた
身体中に水を浴びて
そうして冷える時を待っていた
次に感じたのは寒さだった
冷たい冷たい、早くこの体をあっためなくちゃ
そうだ、日を浴びよう
日の光に包まれて
暖かくなろうと
ただ一途にそんなことを思っていた
日の光に包まれて
寒さを忘れて
そんな人間らしいのかもわからない人生で
楽しかったのかなって一人問いかけてみる
でも考えてみればまだ何にもやってない
必死に生きることしかやってない
だから結論を出すには早すぎるよね
最後に感じたのは憧憬だった
憧れのままに私は世界のもとを立ち去った