41/400
奪われる
私が振るい落とされる
私が消え去っていく
私が食いつぶされていく
最後に私は痛い痛いと残す
痛い痛いよと言い残した後
私は新たな誰かに変わったようで
しつこい私はその誰かを追い出そうとする
誰かが見てもわからないかもしれないけれど
私たちにとっては大きな違いで
体を奪われるわけにはいかないのだ
でも体を託せる相手なんていただろうか?
私が死ぬことをよしとしないのだから
結局は体を託すことなどない
私はいつまでも私でいたいのだから
結局はわがままなだけの私
そんな私も最後には消え去って
後味の悪さを噛み締めながら
明日を生きる誰かがいる