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試作詩作  作者: 時雨良明
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言の葉を騙って

生々しい言の葉が

私の喉元を通り過ぎて

あなたの首を絞めていく

こんなつもりじゃなかったのに、と

必死に抑え込もうとする

あなたが死なないように

あなたを殺さないように

でも言の葉は止まらない

この化け物は止まらない

ようやく止まった後にある

少しの沈黙が痛かった


あなたはギリギリ踏みとどまった

私は何にも出来なかったけど

私は最後までもがいた

なんの役にも立たなかったけど

だから沈黙が痛いんだ

とっても痛くて泣きだしそうで

でもほんとうに痛がってるあなたの目の前では泣けない

もっと子供みたいに泣きじゃくればいいのに

なんの役にも立たないつまらない話が僕のことを苦しめる

私は苦しめた側だから

あなたと違って泣くわけにはいかない


でも私も化け物に脅かされたもの

(本当にそうですか?)

私だって化け物に突き動かされた被害者です

「本当にそうなんです」

言の葉を止められなかった私は無実を言い張って

でも自分でも気づいてる

きっと私のどこかにその要素があったんだって

開き直っているだけで

実際は私が悪いだけ

泣きじゃくるより先にごめんと言うのだ


苦しい自分に嘘をついて

ごめん、と小さくつぶやくのだ

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