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言の葉が私を突き動かす
生々しい言の葉が
私の喉元を通り過ぎて
私の口を突き動かす
私は必死で抗う
この気持ち悪さに抵抗する
けれど何にも変わりはしなくて
ついに最後の言葉を言ってしまう
言い終わった後の静寂が
とても痛くて苦しかった
必死で抗ったことは誰にもわからないこと
結局この言葉は誰かを傷つけて
それだけを残して去っていく
痛々しい言の葉が私の口からこぼれ落ちた
もう一度やり直そう
私は言葉をかけられた
もう一度やり直そう
もう一度やり直そう
もう一度やり直そう
いつまでも反響し続けて気持ち悪い
でも私はその言葉にすがることにした
最後に清々しい言の葉が私の喉元を通り過ぎていった
私はそれで満足だった