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小さな…小さな世界
爪切りの音だけが鳴り響く
パチン、パチン、パチン
だんだんうるさくなっていく音が
わたしをどこか遠くへ連れて行くよう
どこにも居場所がない僕は
僅かな音の中に自分を見出して
自分に賞賛と賞状をあげたい
そんな小さな世界に潜り込む小さな偉業を成し遂げたわたしに
そんな小さな誇りがいつかみんなに認められる日が来るといいな
でも
世界はわたしに厳しいから
叶うことのない願いは捨て去ったほうがいいってわかってる
小さな偉業は誰にも認められないまま打ち捨てられて
あなたはわたしを見てくれますか?
わたしの持ってる小さな世界に共感を覚えてくれますか?
そんなあなたを待っています
いつまでも、ここで、ひとりで待っています
寂しいから、すごく寂しいから
早く、迎えに来てね