表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
試作詩作  作者: 時雨良明
189/400

死の国に降り注ぐ雪は昔となんら変わりなく

体が溶けて崩れてく音

ぐじゅぐじゅになった肉が腐り落ちる感触


そして、届かないからと諦めたあの眩く白い夢


私に普通の体があって

子供の頃から楽しそうに遊んでるような

私が少し病弱で

楽しそうに遊んでるみんなを眺めてるような

私がいつも微笑みながら

みんなの笑顔に癒されるような

私がひっそり隠れながら

見えない悪意に逃げ惑うような


眩いのに手が届かないよ

あの白に

あの白に


伸びきった手から次第に力だ抜けて

だらりと垂れるよ

だらりと


か細い光に引き込まれる

残酷に…残酷に!


届かない夢から覚めて

私はただこの病室にいる


腐りきった肉が剥がれ落ちていく感触

そして今にも折れそうなか弱い骨が露わになる音


私はもう遠くには行けないから

真っ白な夢は雪となって世界に落ちてゆく


さよならの四文字が雪化粧の中に溶けていくよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ