消耗品が人を目指して
人形だった私に決別の火をくべ
焼けていく私にさよなら、と
さよならと、ぽつりつぶやく
わたしはむかしはにんげんだった
でもみんながわたしのことをわるくいって
たえられなくなってこころをとざしたの
ほめられることだけをすることにしたの
布を縫い合わせ綿を詰めただけの
ありふれた人形になりました
模範解答を体で示して
みんなに良くやったねと褒められる人形に
そんなわたしが君に愛された
ありふれた人形なりに愛嬌を振りまくだけの私が
君の心に照らされて
ようやく人形らしく幸せになれたんだ
でも私は消耗品でしかなかった
舞い上がった私はしかし
使い古され汚くなり
玩具箱の奥底に仕舞われた
私の舞台は消え去った
なぜ、一体どうして!
君が必要としてくれないなら
この人形はなんのために生きていた?
ああ輝きよ、どこへ消えた?
ああ私よ、何を目指す?
必要とされない人形はただの布切れだ
私は布切れでありたくはない
布切れよ、さようなら
勝手に作って勝手に燃やして
人形よ、ごめんなさい
勝手になって勝手に捨てて
でも私の再誕の日だ
命よ、心よ!
これからは自由に輝け
思うままに輝け
かつて捨てた輝きよ、もう一度!
次の舞台
主役は人間の私なんだから
影ねこさんの決意の詩。人形に決別を告げる影ねこさんなりの詩。僕が修正影ねこさん執筆のはず。