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甘い匂いと冷たい道具
ろうそくのかぼそい明かりに照らされた心が甘い甘い匂いを放つ
誰かを魅了するための
甘い甘い匂いを放っている
そんな香りに魅せられて
わたしはあなたを知りました
あなたの香りに洗脳された
わたしはゆらゆらと揺れながらあなたの元へとたどり着く
そうして知った
あなたにとってあの香りは役に立つから放置してただけだって
あなたにとって世界の全てが道具
わたしに一片の興味もなかった
でもわたしはそれでよかった
あなたの役に立ちたかった
あの香りの奴隷なわたしは
近くで嗅げるならそれでよかった
どっちもお互いを見ていない
どっちもお互いを気にもしてない
歪な恋愛の始まった瞬間でしたとさ