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わたあめ、ひとなつのぼうけん
ふわふわだったわたあめに
翼をつけて空へ飛ばした
だんだん遠くなっていく甘い匂いと
だんだん遠くなっていく色彩
そうして雲になったわたあめは
いつになったら落ちてきて
わたしの元にくるのかな
空を飛び回っていくぼくは
雨に打たれて沈んでいってしまった
そして海に溶けていく
潮の香りが甘くなっていく
そしてぼくは雲になる
甘い甘い雲になる
遠くなっていく色彩が
モノクロの景色が伝えてくる
あのわたあめはもう雲になって
手の届かないところへ行ってしまった
甘い香りの残滓が伝えてくる
翼が消えて落ちてくる
あのあまさが
あのふわふわが
ぼくの手の届くところへ落ちてくる
帰ってきた色彩が
ぼくに旅路を伝えてくる
久しぶりに手にしたわたあめは
とても甘くて美味しかった
キャスでお題をねだったらふわふわでした。