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甘い甘い星の雫
星空が血を流した
わたしの顔に赤い雫がかかる
わたしは雫を舐めとる
甘い甘い味がした
もっと雫が欲しかった
甘い甘い味が欲しかった
けれど空はあれ以降血を流さない
だから空まで行って星を傷つけることにした
醜い人々は星空に手を伸ばすためにロケットを
星を傷つけるために水爆を作り上げました
そしていよいよ発射の日
期待通りに空は大きく抉れ、そこから血が流れ出しました
血は人々に飲み干されました
星の傷跡はそのまま放置され、荒れた土地が残されました
そうして血を啜ったわたしは
あまりにも深い傷跡に自分のしたことの恐ろしさを知って
でも甘い甘い血を啜ることはやめられなくて
ごめんなさいとつぶやきました