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試作詩作  作者: 時雨良明
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人形に決別を告げ

人形だった私に決別の火をくべ

焼けていく私にさよなら、と

さよならと、ぽつりつぶやく


私がかつて人形だった頃

世界は二つに区切られた

いいものとわるいもの

世界はひどく単純だった


いいものだけを大事にして

わるいものを取り除いた

家族みんながわるいもの

わるいものは捨ててしまえ


いいものたちは言いました

わるいものも大事だよ

純朴だった私はそれを否定しました

わるいものはいらないもの


わるいものを取り除いた

いいものだけの私には

いいものなんてなくなって

混沌だけが残される


私が人間になった日

世界は混沌に満ち溢れていて

私は悩みを持っていた

いいものってなんだった?


いいものだけを寄せ集め

わるいものは捨て去った

後には分類すらできない

混沌だけが残された


混沌に飲まれる

人の形を忘れる

私は誰だった?

私は何だった?

私の生の目的は?

人生を生きた理由は何?


そんな私が決別を示し

世界の混沌を受け入れる瞬間

人形だった私に火をくべよう

単純だった世界にさようなら

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