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陰の住人
陽の光を感じる
重く濁った陰の中で
唯一感じる光だった
でもね
陰ができるのも陽の光のせいなんだよ
その瞬間にわたしは気づいてしまった
わたしは冷たい陰の中にいたから
わたしは陽の光を浴びなかったから
まばゆい光に魅了されたのだと
それでも美しい光を忘れられなかったから
もっと美しい光が見たかったから
陽の光を探してさまよいだした
でもそれは陰の住人からしたらおかしな行動らしくて
わたしは指をさされて笑われました
それでも諦めきれないから
いつまでもいつまでもさまよって
そうして見つけた陽の光
暖かくて、暖かくて、ぬくもりを感じた
今度生まれ変わったら
陽の住人になるんだって
そう誓った