143/400
雨
海に落ちる雫の音が
私の胸に染み渡る
私は雨だ
夜の雨だ
濡れていく
外にいるから
冷たくなっていく手のひら
早鐘を打つ鼓動の音
私は雨だ
夜の雨だ
そんな毎日を過ごしていたのに
雨が降らない月が訪れた
水を浴びない体は温かくて
雨になれない心は冷たかった
いつもと真逆
いつもと反対
私は雨だ
昼の雨だ
昼と夜が反転して
私は今日も雨に打たれる
冷たい雨の中でさまよう
私は雨だ
夜の、雨だ
夜の雨って良いですよね。静けさの中の雨。濡れていく体の温度。冷たくなっていく体と心。そう言ったものを感じてる。