141/400
空隙
ふと
本当に、ふと
つながっているはずの日常に
つながらない瞬間が訪れる
その一瞬に私は
生の感慨を奪われて
空隙が襲ってくる
今日でも明日でもない瞬間
昨日でも今日でもない瞬間
そんな瞬間が今日のうちに襲ってきて
つながらない感覚が
つながらないこころが
空隙の存在を教えてくれる
そして
空隙が襲いかかってくる
喉元に食い込もうとしている感覚
心臓に刺さっていく瞬間の匂い
それらを忘れていく恐ろしさ
そんなものたちが空隙に飲まれて
ふと
本当に、ふと
繋がるはずの世界を食べる
空隙という悪魔が訪れた