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変わった幽霊の娯楽
栄枯盛衰をただ見守ることしかできない
私は幽霊
ただ人々の営みを見守って
いつか自然に消えてゆくだけ
幽霊仲間に言われた
どうして人なんか眺めてるんだい?
私はこう答えた
精一杯背伸びをしてる姿がいじらしいから
本当かどうかは誰も知らない
幽霊仲間に言われた
どうして自然なんか眺めてるんだい?
私はこう答えた
届かないと知ってなお憧れるのはやめられないから
本当かどうかは誰も知らない
幽霊仲間でも娯楽はあって
みんな仲間同士で恋愛をしてる
そうして恋が実ったものから去っていくんだけど
私は違った
運命を感じたから
ここに一人留まって
栄枯盛衰を眺め続ける
それが運命だと思ったから