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刺さって終わる
胸を震わせる熱い鼓動が
私の目の前から去っていった日
冷たくなった心で私は思い返した
復讐という言葉の意味を
幸せであることが許せない
あの熱い鼓動を失ってから
世界がすべて色あせて見える
復讐は私自身へ向けたもの
切っ先は常に自分を向いて
刺さりそうな鈍い輝きに
私は想いを託した
満たされていることが許せない
夢を失った私には
安息の地はどこにもないのだと
そう自分を縛りつけた
切っ先と自分が触れ合う
私と一緒に溶け合って
影が混ざり合った
復讐を終えた後には
達成感などはない
あるのはこれで終わりかという
鈍い嫌悪感だけである