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静けさ/なんでもないよ
時間の流れる音が妙にうるさい
時計の針の音
日が落ちていく音
そして月が昇る音
夜の静寂に埋もれたい
引き延ばされる針の感覚
時の止まった感覚
そんなものに溺れて
そして月が落っこちて
そして日が昇って
朝が来る
痛みの朝だ
苦しみの朝だ
日の光に私は焼かれて
溶ける
うるさすぎる時計の音に囲まれて
溶ける
あなたに伝えたい言葉があるのに
口が動かない
喉は空気を吐き出すだけで
時間が過ぎる音がうるさい
息しか出ない喉が痛い
沈黙が心に突き刺さる
そして言われた「どうしたの」に
なんでもないが口からこぼれ落ちる
本当は何でもなくなんかないのに
言いたいことがあったのに