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試作詩作  作者: 時雨良明
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残響に胸を打たれて

人形だった私に決別の火をくべ

焼けていく私にさよならと

さよならと、ぽつりつぶやく


痛いよ、熱いよ、苦しいよ

遠くから断末魔の叫びが聞こえる

痛いよ、熱いよ、苦しいよ

だんだん小さくなっていく

痛いよ、熱いよ、苦しいよ!

だんだん頭にノイズがかかって

痛いよ、熱いよ、苦しいよ!


そして


よみがえる

そうあなたはよみがえる


祝福を受け光に包まれた身体が産声をあげ

ありふれた人間に変わった私は

ありふれた一人として生きて


よみがえる

そうあなたはよみがえる


消し去ったはずの昨日の痛みが帰ってくる

焼けていく身体を聞いている苦しみが

断末魔の叫びを眺めている痛みが


よみがえる

そうあなたはよみがえる


消し去ったはずの一昨日の苦しみが帰ってくる

思い通りに動かぬ身体を眺めている苦しみが

聞こえもしない物音に耳を澄ませ続ける感覚が


よみがえる

そうあなたはよみがえる


だから


人形だった私に決別の火をくべ

焼けていく足りないと言わんばかりの叫びを上げ

さよならを大声で叫べば!


胸を打つ虚しい反響とともに

響いてくる音


よみがえる

そうあなたはよみがえる

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