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試作詩作  作者: 時雨良明
103/400

見守る

縛り付けるのが怖いんだ

束縛を嫌った

誰より自由でありたかった

自由に生まれて自由に死ぬ

でもきっと生まれてこないって選択肢があったなら

生まれてこない道を僕は選ぶだろう

生まれてくる事が最大の過ちだと

僕は知ってしまったのだから


いいや

きっと違う

それを悟りながら生まれてきたのだ

僕らは


滴り落ちるのが怖いんだ

僕の命の雫

いつまでも滴る音がする

ぽちゃん、ぽちゃん、と音がする

いつの間にか滝のように

滴り落ちるを逸脱して

僕の体を駆け巡った後に

そのままの勢いで噴出する

痛いよ、怖いよ、辛いよ、泣きたいよ

誰も助けてはくれないけど

ただひたすらに泣き続けたい

涙の音で雫の音がごまかせるから


本当に泣き虫ねあなたは

滴り落ちるのをごまかすだなんて

できたって意味がないのに

やっぱり生まれてこなければ

悩む事もなかっただろうに

そんなこと言ってても

どうにもならないってわかってるから

あなたは泣くのね

悪いとは言えないなぁ

私どうすればいいか困っちゃう


零れ落ちるのが怖いんだ

つかんだはずの幸せは

いつも手のひらに治らなくて

怖くて、辛くて、泣きたくて

でも泣くより叫びたい

失われていく幸せへの弔いとして

僕から向ける手向けの言葉は

情熱的な叫びがいいから


泣いたり叫んだり

生まれてきたくなかったなんて言ったり

忙しい子だけど切実で

だから私は裏切れない

その雫が落ちきるその日まで

認められない事を認め続ける

それが私の役目だから


ううん、それしかできない私だから

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