1/400
空隙
ふと空隙が訪れる
生と生の狭間が
繋がらなかった無数の線たちが
空隙となって訪れる
空隙に飲み干される
感情はつながりを絶たれ
生と生の狭間に全てを奪われる
その生きていない一瞬に全てを
ふと空隙が訪れる
死と死の狭間
その一瞬に人は生きることを悟る
痛みを押し殺した生の輝きを悟る
ふと空隙が、ああ空隙が私の喉元へと迫ってくる
狭間の命が私を無に変える瞬間が
私が永遠に失われる瞬間が
新たな私の誕生の瞬間が
ああ空隙が私の喉元へ
空隙を経て人は変わる。その知覚することすら難しい一瞬に昔の自分は絶え新たな自分へと入れ替わる。それは良いことか悪いことかわからないけれど。




