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九話 人間の武器

 商会というのは商人が商いをするために用いる号、看板だ。

 バーデンゲン商会はギーツに店を構える中堅どころで、麦や葡萄、それに皮の仕入れと卸しを中心にやっているらしい。


 らしい、というのはルクレティアからそう聞いたからで、ルクレティアがバーデンゲン商会のことを知っていたのは先日の竜騒動でメジハにたくさんの人と物が集まったとき、それに乗じて一儲けしようとやってきた商会のひとつだったから。


 商売はナマモノだとよくいわれるのは、一日出遅れれば儲けがまったくなくなることもあるからで、そのときもルクレティアに挨拶にきたものの、特に儲け話にのっかることもできず帰っていったという話だが――ともかく、今回の接触は期待していたリアクションではあった。


 ルクレティアは訪問してきた相手へ面会を承諾して、俺にその場への同席を求めてきた。


「なんで俺が。商売の話なんてわからないぞ」

「ご主人様も、“敵”の正体についてより深くご理解していただくべきかと思います」

「……敵?」


 なんだか変な言い回しだ。

 やってくる相手がそれだというなら、わざわざ正体なんてつける必要はない。


 目を向けても、ルクレティアはそれ以上説明するつもりはないらしく、ため息をついて俺は了承した。


 ◇


 話し合いの場に現れたのはひどくさわやかな外見をした男だった。


「本日はお会いしていただいてありがとうございます。バーデンゲン商会のディルク・スウェッダと申します」


 相手の名前を聞いて、ルクレティアがかすかに眉を動かしたのが視界の端にひっかかる。


 スウェッダというのは、先日とらえた冒険者と同じだ。

 もちろん偶然なんかじゃないんだろう。


 こちらの視線を受けて悠然としている男の年齢はまだ若くみえて、三十にも届いていなさそう。

 十代から見習いをはじめて二十でやっと一人立ちというのが商人らしいが、特に目の前の相手から若いイメージを受けたのはたくわえた髭がないからかもしれない。


 仕立てのよさそうな格好は丈夫さより見映えを重視していて、それだけで町と町を練り歩く行商人の類ではないとわかる。

入ってくる品物と出ていく品物。そこについてまわる数字を漏らさず帳簿に書き留めるのが仕事の町商人だ。


 だが、机に向かってペンを走らせることを日課にしている連中が、わざわざこんな田舎町までやってきたのには見合った理由があるはずで、まさか無様な身内を引き取りにきただけとは思えなかった。


「以前、私どもの者がご挨拶にうかがったことがございます。そのときは大変お忙しいご様子だったそうですが、最近はいかがでしょう」

「覚えています。ええ、ようやく少し落ち着いてまいりましたわ。どうにか脱穀の時期までに間に合ってほっとしています」

「この季節はどこも忙しいですね。今年の麦の出来具合はどうですか?」

「実り自体は平年並みですが、少し雨に降られてしまいまして。乾燥具合がどうか気になっています」

「それは心配だ。なにかありましたらぜひ私どもにご相談ください」

「ありがとうございます。そうさせていただきますわ」


 世間話を二、三やりとりしてから、男は柔和な表情のまま話を持ち出した。


「実は私ども、少し前からこちらの様子をうかがわせていただいておりました」

「存じています」

「これは。ご存知でしたか」


 いちいち驚いてみせる仕草が胡散臭い。


「先日の騒動で、メジハは注目を集めていますから。そちらの商会だけのことではありません」


 屋敷の地下にとらえてある冒険者の存在を持ち出すことなく、ルクレティアは薄い微笑でいった。


「失礼しました。では、どのような理由で我々が注目していたかも?」

「商人の方が目をむけるのに、商い以外の理由がありますかしら?」


 やんわりとした言葉の応酬。

 目の前で狐同士が顔をあわせているような印象を受けて、俺は内心でげっそりと息を吐いた。


 ははと軽く笑った男が、


「聡明な方とは聞いておりましたが、これは余計なことは脇に置いて、率直に本題についてお話したほうがよさそうですね」

「そうしていただけると助かります」

「ではさっそく。我々と商いをいたしませんか、ミス・イミテーゼル」

「なんの商いでしょう。麦については、もう少し様子を見てからのほうがよろしいかと思いますが」

「その麦を全て買い取らせていただきたいと申し上げたら、いかがでしょうか」


 全部?

 隣で聞いていた俺が驚いた。


 麦という主食穀物は、このあたりだけじゃなく大陸の大半で作られている。

 そして一言で麦といっても種類はたくさんだ。


 メジハでもっぱら作られているのは大麦と黒麦。どちらも痩せた土地でも比較的に育てやすいといわれていて、麦粥や黒パン、あるいは麦酒に使われている。


 麦といえば小麦だが、これは土地にあわないのか穂の問題なのか、ここではあまりよく育たないらしい。


 だが、どこでも育てやすいということは、ここである必要もないということだ。

 メジハでつくられる大麦や黒麦を買い取りにくる行商人はいるが、そこで持ち出される値段は決して高くないと聞いている。


 そもそも、農村や町における食料は自給自足というのが前提だ。

 それが他の町やもっと大きな街との交易が始まった(というより復活した)のが、ここ数十年のことというが――


 ともかく。安く買い叩かれることが多いメジハの麦を、出来もわからないうちから全て買い取ろうだなんて、普通の申し出じゃない。


 裏があるとしか思えない相手からの発言に、ルクレティアは平然としたまま、


「お断りします」


 にべのない言葉を受けても、男は笑みを崩さなかった。


「理由をお聞かせいただけますか?」

「自らの商品の出来も確かめずに売ってしまえば、一時の小金を得る代わりに信用を失いかねません」

「ですが、もし今年の麦が不出来であれば死活問題では? 町にも、そうした不安をお持ちの方はいらっしゃるようですが」


 さりげなく他の町人との繋がりがあることを含ませつつ、それとも、と商人が続ける。


「一年程度の不作では動じるほどのことではございませんか?」


 ……このあいだの竜騒ぎでメジハが儲けたことについていってるのか?

 笑顔の仮面をつけてるような相手の本意は、俺なんかでは探れそうになかった。 


 ルクレティアは肯定も否定もない。


「お話は率直にとのことではありませんでしたかしら」

「これは失礼いたしました。正直に申し上げますと、麦そのものの出来についてはどちらでもというのが本音です。私どもが求めておりますのは、先ほどイミテーゼル様がおっしゃられたまさに“信用”。麦の買取については、そのためのお近づきにという次第でして」

「商品になるかもわからないものを買いとる。その行為をもって信用の証にせよと? いささか冗談が過ぎるお言葉ですわね」

「無論、なぜそのようなことをするのかという説明がなければ、信用していただけるものではないと承知しております」

「では、お聞かせください」

「竜です」


 男はいった。


「私どもは、竜についてのお話をさせていただきたいのです」


 ――声もなく、脳裏で笑いの気配を感じた。


「それでしたら、騒動はすでに落ち着きつつあると先ほどお話したとおりですが。竜の死を無用に商いに使わないよう、領主様のお達しがあったことはご存知でしょう」

「存じております。だからこそ、私どもはこれを得難い商売の機会だと捉えております」

「領主様のお言葉に背かれるおつもりですか」

「とんでもございません。我々は法のもとに商いを許された身です。そして、法のもとであるならばどのような商売にも手を染めるのが商人でもあります」


 男は笑みを強くした。


「お考えください。もし麦酒を飲むことが禁じられたとして、それで酒を飲む人間はいなくなるでしょうか。そんなわけがありません。なにかしら酒を飲む手段を見つけるでしょう。そしてそこには必ず私共のような商人がいるのです」

「それは法のもとではなく、法を抜けるというのですわ」


 呆れたようにルクレティアがいう。


「もちろん、メジハに迷惑をおかけするようなことはいたしません。むしろ私どもはメジハの発展のお手伝いができるはずです」

「具体的にはどのようなことをしていただけるのでしょうね」

「人と物の動きこそが、その場所の発展をうながします」


 いつかのルクレティアが俺に語ってみせたのと同じようなことを男はいった。


「人が動くのには食べ物がいります。多くの物を運ぶのには馬車が、馬車には馬が。そして、その馬にも飼葉が必要です。そうして需要が生まれ、供給が整っていく。私は見習いの頃、商売とは“動き”であると教わりました。大事なのはなにが人を動かすかであり、ここメジハにはそれに十分な理由がございます」


 ――竜。


 俺とルクレティアの二人を等分に見比べた商人が微笑む。


「領主様になにかお考えがあるであろうことも察しております。だからこそ私共がご協力できることがあるはずです。この町に一時ではなく、恒久の富をもたらそうとする存在について、みすみす見過ごされるのはあまりにもったいないではありませんか」

「恒久の富とは、また大きなお言葉ですね」


 ルクレティアがはじめて楽しげに笑った。


「失礼。富の機会と申し上げるべきでした。商売というものは、必ずしも儲かるばかりではございません。いわんや、その相手が竜であるならば――」

「怒りとともに一瞬で焼き滅ぼされることも。破滅の一歩前にあってかまわないと?」

「それが商人というものでございます」


 男は商人という生き物を代表して誇るような表情だった。


 目の前にある相手は自分とおなじ人間で、しかしその中身が自分とはまったく異なる生き物であるように俺には思えた。

 竜に殺されることもいとわない? そんなの、ほとんど狂気としか思えない。


 だってそうじゃないか。

 死んだら終わりだ。

 自分が死んでしまったら、金儲けもなにもない。


 だというのに、目の前の男には静かな微笑の奥にそれすらかまわないと死地に飛び込んでいくようなギラギラとした炎がたぎっていて、はっきりいって気味が悪かった。


“くはっ”


 耐え切れない、といったような笑い声が脳裏に響く。


 ぞっと身をすくませる。

 頭のなかの竜の声は怒るのではなくむしろ機嫌よく、そのことがいっそう俺には不吉だった。 



 即答できる話ではないため一度お引取りをとルクレティアが告げると、男は数日のあいだ町の宿屋にとどまることをいって帰っていった。


 部屋を去り際の背中にさりげないルクレティアの言葉がかかる。


「ご兄弟はいらっしゃいますか」

「兄がおります。しばらく会っていませんが、きっと元気にやっていることでしょう」


 振り返り、にこりと微笑んでディルク・スウェッダは答えた。


 最後まで間者のことについてはなにも語らなかった男がとった態度の意味を考え、俺はため息と共に一時保留して、


「スラ子。あの男の後を追え。誰かと会うかもしれない」

「はい。マスターは――」

「わかってる。お前が戻るまでここで待ってる」


 別行動をしているあいだに誰かに襲われたらたまらない。

 うなずいてみせると、姿のみえない声にほっとした気配がまじって、


「では、いってきますっ」


 音もなくスラ子が去り、俺は窓際にたつ金髪の令嬢に目を向けた。


「あれが、私達の“敵”です。ご主人様」


 閉めきられた窓の外を見るようにしながらルクレティアがいった。

 その言葉が指しているものはさっきまでここにいた男一人ではなく、もっと大きなものへ向けられている。


「商人が?」

「それがもたらす物。それをもたらす者。その全てですわ」


 よくわからない。俺は顔をしかめた。


「――この大陸では、百年前の大災で各地の繋がりが断たれました」


 俺の表情に無理解を見てとったルクレティアが、静かに語りだす。


「人口が減り、魔物が跋扈しました。国や有力者は自分を守ることに終始し、地方は自給自足と自衛の必要に迫られ。あちらこちらで国という形をたもてず瓦解し、内乱、あるいは統率力のある人物に率いられた新生。そうしてようやく徐々に形を成してきたのが“今”です」

「なんだ。授業でもしてくれるのか」


 そのくらいの大陸の歴史ならアカデミーでだって習うようなことだ。

 ルクレティアはこちらからの問いかけを無視して続ける。


「人が増え、物が増えました。自給自足に終わらず、市が始まり商人や職人が生まれ、あふれた物は外へ向かいます。ご主人様。現在、この大陸でもっとも繁栄している種族はなんでしょうか」

「そりゃ人間だろう」


 たくさんの魔物や動物のなかで飛びぬけて強いわけでも、賢いわけでもない。むしろ弱い。

 だが、もっとも数を増やしているのは人間種族だ。


「人間が繁栄している理由はなんだと思いますか。人間の強みとは?」

「数だよ」


 間違いなく、数の暴力こそが人間の恐ろしさだ。

 しかし、ルクレティアはそれに首を振って、


「その答えだけでは不十分ですわ。繁殖性というなら、人間よりも優れた種は存在します。たとえばゴブリンは、人間よりも旺盛な繁殖能力と、より厳しい環境にも耐える適応力があります。彼らと人間の差はいったいなんですか?」

「知恵だ。言葉や、文化」

「では、それがもたらしたものは」


 なんだか本当に講義みたいになってきた。

 アカデミーの頃からいい生徒であった記憶はない。嫌な過去をまさぐられるような気分で、俺はしかめっ面だった。


「わからん」

「貨幣です」


 なるほど。大きくうなずいた。


「さっぱりわからん!」

「人間は弱く愚かな生き物です。だから群れ、その群れのなかで互いに争います。その象徴が、貨幣とそれを用いた経済。その流通です」

「……すみません。もう少しわかりやすく」

「この大陸で、もっとも貨幣の扱いに長けているのは人間です。これはおわかりですね」


 それくらいなら、とうなずく。


 この世界に数ある生き物で、貨幣を最初に使いだしたのは人間だといわれている。

 竜でもエルフでもなく、人間だ。


 その起源の真偽についてはともかく、実際に人間社会は貨幣経済で成り立っている。

 他の種族では物々交換や自然貨幣が使われているが、なかには人間をならって貨幣経済をとりいれている連中までいる。


「人間より貨幣を上手く扱う生き物がない理由。それは、例えば竜にはそんなものが必要ないからです。彼らは群れなくとも生きられますし、貨幣などという代替物を用いる必要もありません。かつて人間にとっての師であったエルフにも必要ありません。精霊と、自然と共に生きる彼らは互いに争わず、全ては等しく分け与えられます。貨幣とは知恵ある者でもっとも弱く、もっとも野蛮な人間に適して生み出されました」

「その貨幣が、人間の繁栄の理由っていうのは?」

「貨幣と流通は貧富差を生みます。強いものが富み、富む者こそが強い。貨幣とは非力な人間の生みだした、腕力に拠らない暴力です。それを用いて人は富み、争い、数を増やして勢力を増やしてきました」


 黙って先をうながす。


「人間が勢力を広げるのと等しく、貨幣流通という価値も広がりました。今では、魔物のなかにもそれにならう種族があるほど――これは非常に重要なことです。かつて精霊が広めた精霊語のように、一つの価値が人間という一種族を超えるということなのですから」


 なるほど、と思うところはあった。

 竜のように強くも、エルフのように賢くもないからこそ。人間は貨幣経済によって数を増やし、その数こそが人間の繁栄のもとであるという考えは、今まで意識してきたことではなかったが、確かに納得がいく。


 このあたりの見識は、さすがに王都の学士院で学んできただけのことはあるのだろう。

 だが、だからといってそれが“敵”という言葉とすんなり結びつくわけではなく、俺はそのあたりについてさらに詳しい説明を求めた。


 ルクレティアは軽く息を吐いて、


「おわかりになりませんか。人間は、貨幣という価値で竜をも量るのです」


 なにか、ひどくぞっとしたものを覚えたのと同時、


“あーっはっはっはっ!”


 頭のなかで声が笑った。


“なるほど! これは面白い!”

「金貨5000枚。それが領主様がこの近くに落ちた竜に懸けた金額でした。それが妥当な額であるかどうかは関係ありません。問題は、本来ならば生命として比較にならないような存在さえ、貨幣という量りのなかであれば落としこめるということ。人間は竜に敵いません。しかし、人間の経済活動は、竜もその例外とはしていないのですよ」

“素晴らしい。なんと小賢しく、なんともたくましい。我々に及ばなくとも、ならばとその影を器に張った水にすくってみせるとは!”


 二種類の言葉が重なり合って、頭痛がする。


“貨幣! 流通! 確かにそうした概念は我々にはなかった! 力あればいらず、非力ゆえに生まれるものもある! それが貨幣とやらだとすれば、まさに人間は金と火の申し子といったところ――”

「ご主人様? どうかなさいましたか」


 あまりのうるささに顔をしかめた俺に、怪訝そうにルクレティアが眉をひそめる。

 なぜか興奮気味の頭の声を無視して、俺はうなずいてみせた。


「……大丈夫だ。ようするに、竜は神聖不可侵だとか、そんな殊勝な意識なんて期待できないってことか」

「竜が儲かるというのは、先日の件でも周知のことです。バーデンゲン商会のように“期待”する人々は大勢いるでしょう。それが経済という動きに繋がることも確かです。それに、人間の武器である貨幣は、我が国の事情も重なってこれからますますその力を強めることになるでしょう」

「国の事情?」


 なんだかまた別の話がでてきた。


「魔王によりもたらされた国力衰退の危機に対処するために、我が国はギルド制度を用いました。それは地方を治める領主、その諸侯達への分権と同時にもう一つの意味を生み出しました。それがギルド。組合という名の、横の連帯です」

「だから、それが冒険者ギルドじゃないのか?」


 このあいだ聞かされた話だ。


 ルクレティアは首を振って、


「大きな街ではギルドは細分化されます。そうして出来た職業別ギルドが元になり、さらに新しいギルドが生まれました。商人ギルド。同業者の集いであるそれらは、権利意識と自治意識を形作りました。彼らは王や領主でもなく、畑に縛られた農民でもありません。そして彼らは莫大な“貨幣”を稼ぎます」

「それを王様や領主が税として丸ごといただくわけだろ。偉い立場ってのはうらやましいな」

「そうですわね。しかし、ギルドというのは諸刃の刃です。冒険者ギルドはそのまま武力であり、商人ギルドとは財力です。果たしていつまで、それを抑えられるかどうか」


 淡々とした言葉にはなにかを予言するような響きがあった。


「……ギルドが王様に叛旗をひるがえすって? 独立して自分たちの国でも興すってのか」

「そうした状況も将来的には起こりうるでしょう。グルジェのラナハル皇太子のような強力な指導者が権力を集中させるか、それとも国がバラバラになってしまうか。あるいは、貴族ではなくギルド主体の政治形体という代物が生まれるかもしれません」


 ルクレティアはあっさりとうなずいてみせる。


「王、領主、ギルド。この国は非常に不安定です。前に少しお話した、周辺国とのこと以外でも。そして重要なことは、その全てがそれぞれの思惑で竜を狙ってくることがありえるということです。武威として、ステータスとして、経済概念として。王都や領主、商人が動いているのはそういうことです。ご主人様、貴方の“敵”とはつまり、それらの全てなのですわ」



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