十五話 暴走×暴走
「えい」
水にのったスライムが冒険者たちになだれをうって襲いかかる。
「えーい」
足元に生じた水流がルーキーの一人の足をとる。体勢を崩しかけたところを、他の仲間があわてて救いにはいる。
「ふふ。悲鳴あげちゃってますね。なら、こういうのはどうですか?」
氷が這って、床の表面を凍らせた。
靴底をすべらせて転倒。そこに覆いかぶさるスライムを、魔法使いの炎が焼く。
「味方にまであたっちゃうかもしれないのに、すごい勇気ですね。それともパニックですかね」
「おい、スラ子。スラ子」
冒険者たちへのちょっかいに熱中しているスラ子の肩をゆさぶって、俺は強引にこちらを振り向かせた。
「もういい。十分だ」
俺の顔を見たスラ子がいった。
「マスター、楽しくありませんか?」
「……なんだって?」
聞き返す。
「今までずっとマスターをいじめてきた冒険者が、あんなふうにあたふたしているんですよ。スカっとしませんか?」
その瞳の底に嗜虐的な光がたゆたっているのを見て、俺は気づいた。
スラ子は興奮していた。
考えていたとおりに物事が進みすぎて。相手を思うがままに手玉にとっていることに、どうしようもなく気分が高揚している。自分を抑えられなくなっている。
戦闘に慣れていない者が極度の緊張状態に陥るとそういうことが起こる。そんなふうに昔、アカデミーで教わったことがあった。
うかつだった。自分だけが不安を感じているものと思い込んで、まるで考えがいたらなかった。
スラ子だって、これがはじめての作戦なのだ。俺にはあんなふうに笑いかけてくれていたって、内心では不安や緊張がなかったわけがない。
部下の気遣いもできないなんて、主として失格すぎる。
「――楽しいさ。もう十分楽しんだ。お前のおかげだ、スラ子」
スラ子の気分を損ねないよう、俺は口調を落ち着かせてゆっくりと語りかける。
「だから、もうやめろ。あとは連中が逃げ帰るのをみて、シィと三人で祝勝会だ。美味い飯をくって、ゆっくりしよう」
「ゆっくりですか? じゃあ、私のこと、褒めてくれますか?」
「ああ、褒めるとも。よくやったぞ、スラ子」
頭をなでつけると、スラ子はふふー、と幸せそうに笑った。
「わかりました。マスターがそうおっしゃるなら――」
スラ子がうなずきかけたとき、
「ああああああああああ!」
唐突に、洞窟内に叫び声がとどろいた。
しまった。遅かったか――と思い、あわてて広間のルーキーたちの様子をうかがう。
誰かが致命傷でも受けたのかと思ったが、違った。
四人のなかの一人が吠えていた。
剣も杖も持っていない短髪の少女。軽装に身を包んだその相手が、目の前の危機に精神が耐え切れなくなったように大声をこだまさせて。
スライムたちに突進した。勢いをつけて殴りつける。
もちろん、打撃に強いスライムにそんなものが効くわけがない。錯乱状態に陥ってしまった相手の一撃を受けて、
ぱしん。と大岩をぶつけられたみたいに、スライムがあっさり弾け飛んだ。
「……は?」
思わず、間抜けな声がでる。
「うああああっ!」
絶叫する少女は、そのまま他のスライムに飛びかかり、拳を振るっていく。
彼女がその両拳で殴りつけるたびに、スライムたちは弾かれたように四散していく。
四匹目のスライムがあっけなく散っていく様を見てから、ようやく俺は気づいた。
――魔力だ。あの拳には、魔力がこめられている。
だから打撃に強いスライムを相手にして、あれだけの威力がある。
あれはなんだ。魔法なのか? あんな魔法、アカデミーでも聞いたことがない。
どちらかというと特殊能力じみていた。それも魔物が扱う類の。
よくわからないが、ともかくその少女の活躍で今やスライムたちの包囲網には穴があいていた。
結果オーライだ。ほら、とっとと帰れ。帰れ。
祈りが通じたかのように、冒険者たちがそこから撤退していく。
それを見て、ほっと息をつきかけたのだが、
「うあああああああああっ!」
拳の少女はそんなことにも気づかず、ただただ周囲の魔物に飛びかかっていく。殴りつけ、次の獲物に襲いかかる。
完全に周囲が見えていない。我を失っている。
あっちもスラ子と同じか! これだからルーキーは! 俺だってルーキーみたいなもんだが!
「おい、カーラ! カーラ!」
「駄目だ、ほっとけ!」
そしてお前らは仲間捨てて逃げるのかよ! 最低だな! 人としておかしいだろ、俺がいうことじゃないが!
……それにしても、まずい。
部屋からでていく連中のことはさっさと忘れて、俺は目の前の光景に息をのんだ。
暴走する少女の戦闘能力はあきらかに異常だった。
彼女が拳に溜めている魔力がよほど美味そうなのか、さっきからスライムやコウモリがひっきりなしに小柄な少女へ襲い掛かっている。
そしてそのすべてを、少女は一撃で葬り去っていた。
いくら下級魔物が相手とはいえ、強すぎる。このままでは広間にいる魔物が全員倒されてしまうのも時間の問題だろう。
俺は撤退を決意した。
作戦はすでに成功している。これ以上は被害が大きくなるだけだ。
「スラ子、スライムちゃんズをひかせろ。このままじゃ全滅だ!」
「そんなこと、させません」
スラ子がいった。
声が落ち着いている。のではなくて、少し前に聞いたような冷ややかな怒りがそこにはあった。
敵意に満ちた眼差しで広間で殺戮を繰り返す相手を見やって、
「スラ子、馬鹿、戻れ!」
スラ子が飛びかかっていった。
「アイスランス!」
暴走スラ子の手のひらから氷の槍が生まれる。
一直線に相手にむかっていった切っ先鋭いその穂先を、
「あああああ!」
暴走ルーキーは真正面から拳で叩き落してみせた。
攻撃だけじゃなくて、防御もか!
あらたに現れたスラ子の脅威を確認して、その血に狂ったような眼差しが見据える。
その冒険者はまだ十代半ばくらいの少女だった。活動的な短い髪型が、まるで獣のそれのように逆立っている。
「あああああああああああっ」
ダッシュ。咆哮に力をのせてスラ子に接近する。
まずい! あんな一撃をまともにくらえば、スラ子だってやばい。
もちろんスラ子もそんなことはわかっている。牽制の魔法をばらまいて、距離をとろうとする。
点の魔法はあっさり拳で撃墜される。
相手の特性を理解したスラ子は、すぐに面の攻撃に切り替えた。
「ウォータープレスっ」
寄せる波が、暴走ルーキーを身体ごと押し流す。
さすがに避けようがない。踏ん張ろうとしてそれもかなわず、そのまま岩壁に激突する。
やったか、――やってない。
少女はすぐに身を起こした。まっすぐにスラ子を見据える。まるでダメージが入ってないようだった。
力もあるし、タフ。やっかいな相手だった。
攻撃手段は近接しかないようだから、そこはスラ子に分があるといえる。しかし、近づいて一撃をいれられてしまえばどうなるかわからない。
くそ、なんでこんな化けものがこんなところに来るんだ!
どんな特殊能力持ちだって、はじめはルーキーから始まるのだから、そういうこともあるだろう。しかしよりによって今日この日、こんな場末のダンジョンにそんな将来有望そうなやつが来ることに我が身の不幸を呪いたかった。
一番問題なのは、相手が完全に我を失っていることだ。
撤退してくれない。つまり、このままじゃ結末は殺すか殺されるしかない。
せっかく上手くいきかけていた作戦が台無しだ。
「シィ! シィ!」
声をひそめておく余裕もなくなって、俺は大声で呼びかけた。
空を飛んでシィがやってくる。その顔はいつものように無表情だが、わずかに焦っているようにもみてとれた。
「あの相手を眠らせられないかっ?」
シィは首をふった。すでに試したらしい。
「何回も、抵抗されて……」
耐魔法力も強い。絵に描いたような前衛向きの相手だった。
剣も杖も持っていないというところで、なにかあるともっと疑ってかかるべきだったか。支援、後方と勘違いしたのがいけなかった。いや、スラ子が余計に相手を追い詰めたりしなければ――俺は馬鹿か。今はそんなことを考えてる場合じゃないだろう。
「……シィ、手伝ってくれ。俺たちで止めるぞ」
「はい」
どちらを。と視線で訊ねてくる。
俺は目の前で繰り広げられている暴走同士のバトルを見て、口のなかの唾を飲み下した。
――あんな戦い、俺なんかが入っていけるもんじゃない。
一発でノックアウトだ。即KOだ。
ここはシィにまかせて、足手まといの俺は大人しくしておいたほうがいい。それが冷静な判断ってやつだ。そして俺は冷静だ。
そんなことは、わかっているが。
「――どっちもだ。スラ子は死なせないし、あのルーキーも殺さない。……俺があいつらの横合いから殴りつけるから、後ろから支援を頼む」
不安そうな視線に無理やり、笑ってみせた。
「心配するな。戦闘能力じゃあいつらの足元にも及ばないが、キレ芸ならこっちのほうが年季が長い。だてにぼっち歴は長くないからな」
いってから、いまいち決まっていないように思えたので、つけたしてみる。
「男は誰だってキレたナイフなのさ」
自分でもわけがわからない。
シィも困ったような顔でなにもいわなかった。
所詮、俺みたいなやつに決め台詞なんて無理らしかった。
俺はもうそれ以上をあきらめて、激しい戦闘を続ける二人に向けて一歩を踏み出した。
激闘が続く二人の攻防は、とても『初心者用ダンジョン』でおこなわれるようなレベルのものではなかった。
戦いは、一見してスラ子が優勢に進めているようにみえた。
なにより攻撃手段が絶対的に違いすぎる。
スラ子は遠くから複数の魔法を使いわけ、一方の少女は近づかなければ攻撃することができない。
必然、スラ子は遠くから牽制を続け、相手はなんとかかいくぐって接近しようとする形となり、それがひたすら続く。
そのまま長期戦になれば、徐々に体力を削られてスラ子が勝つというのが普通の展開だ。
だが、互いの表情を見ればわかるとおり。焦っているのはむしろスラ子のほうだった。
すでにスラ子の魔法はいくつか相手に当たっている。
かすっただけのものもあるし、まともに食らっているのもあった。
しかし、少女は立ち上がる。
いくら耐魔法に強くてもダメージがないはずがない。しかしまったく変わらない動きで、すぐにスラ子へ向かっていく。
――凶戦士だ。
その少女の戦いぶりに俺は戦慄していた。
狂ったように吼え、敵味方を問わず殺しまくる。どれほどに身体を切り刻まれようが、死ぬ直前まで暴れるのをやめないという恐るべき魔物。
話に聞くそれを彷彿とさせるほど、その冒険者の姿勢には鬼気迫るものがあった。
「あああああああ!」
少女の拳が間一髪、スラ子のかすめて通り過ぎる。
「ッ……、ウォータープレス!」
スラ子が水流をつかって無理やりに距離をあけた。
さっきから、少女がスラ子との間合いを詰めてくるようになってきている。
それはスラ子が疲れてきたというより、相手の少女のほうがスラ子に慣れてきた結果だった。
いくら並の魔法使い程のスキルになったとはいえ、スラ子が使う魔法は種類が限られている。それぞれ適正距離もあれば軌道も限られるし、術者の癖だってでてくる。
少女はそうした目に見えないものを敏感に察知し、少しずつ戦局を把握して、徐々にスラ子の遠距離攻撃をものともしなくなってきていた。
経験。いや、天性というべきだろう。
そんなところまで獣並みというわけだ。
その相手にいまから特攻しないといけないというのだから、涙がでてくる。震えてくる口をぎゅっと食いしばって、俺は後ろのシィを振り返った。
寡黙な妖精がうなずいてくるのを確認して、深呼吸。
一気に駆け出した。
自分でも、速いとはいえない。もともと運動は得意じゃないし、洞窟にきてからもろくな運動だってしてきやしなかったから、足腰はすっかり鈍ってしまっている。
「――スタンプ!」
今まさにスラ子に襲いかかろうとしていた相手に、宣言した。
体内にある魔力を手のひらに集めて、思念する形に放出する。
放ったのは攻撃魔法ではなかった。
マッピングなどにもよく使われる、魔力の印が暴走少女の上着に輝きを残す。それを確認して俺は吠えた。
「シィ、やれ!」
妖精の幻惑魔法が周囲を包み込んだ。
霧のなかに少女が、スラ子が。俺が、その場に何体もあらわれる。
「があああああああ!」
目の前の敵しか見えていない少女にはそれを疑う理性が残っていない。魔力でつくられた幻たちに、ただ突進して空振りし、たたらを踏む。
「スラ子! 魔力反応が強いやつが本体だ!」
「ウォータープレス!」
向こうはこっちを見失っているが、こちらはさっき俺がつけておいた魔力の印のおかげで、どれが本体かすぐにわかる。
俺のいいたいことを理解してくれたのかどうか、ともかく体勢をくずした相手にむかって間違えずに放たれたスラ子の魔法が完全に少女を転倒させた。
俺はすかさず相手に飛びかかった。
こんな相手と正面から殴りあうなんて冗談じゃない。
だが、いくら強くても、まだ少女といっていい年齢だ。体格、もっといえば、体重でならさすがにこちらが勝っている。
一度、取り押さえてしまえば身体の自由は奪えるはず――だったのだが。
「そんな馬鹿なあああああ」
いくら体重で勝ろうが、筋力差がひどすぎた。
あっさりと世界がまわる。
組みついたところを軽々と投げ飛ばされ、我ながら実に小悪党っぽい悲鳴をあげながらそのまま洞窟の壁に叩きつけられそうになる。
「――レビテイトっ」
シィの魔法が間一髪で慣性を制御した。
それでも完全には間に合わず、ごつんととがった岩で頭を打って、
「…………っ!」
悶絶して転がる。
めちゃくちゃ、痛い。
涙がでた。絶対たんこぶできてるぞ、これ。
あわてて近寄ってきたシィが、心配そうに俺をのぞきこんでくる。
「大丈夫ですか……?」
「なんとか。すまん、助かった」
涙目になりながら、あの二人はどうなった、と顔をあげて。
俺はぞっと背筋を震わせた。
スラ子がこっちを見ていた。
瞳から感情が抜け落ちている。
その半透明の表情からはいつもの笑顔も、無垢も、妖艶もなくなっていて。
俺が痛がっている様子を、ガラスのような眼差しで見つめていた。
ヤバい――
理由もわからず、確信する。
コソコソとこれまでの人生を生き抜いてきた小心者の勘が、なにかとてつもなくよくないことが起こると告げている。
「スラ子っ、俺なら大丈――」
呼びかけた声をかき消すように。
あたりに突如として、猛烈な吹雪が巻き起こった。
スラ子の身体から全周に放たれた魔力の冷気が、極小の粒となって全員に襲いかかる。
「っ……!」
あわててシィが俺の前にたち、両手をかざす。肌を切るような冷気が途端に緩和した。
目の前で吹き荒れる魔力の大嵐に、俺は呆然とつぶやいた。
「ブリザード、か……? 完全に上級魔法じゃないか。スラ子のやつ、いつのまに」
水氷系統でも最高級の攻撃魔法だ。
本来なら、魔法使いのなかでも達人と呼ばれるクラスにならないと扱えない。そんなものまでマスターしていたのかと驚き半分、戦慄半分のうめき声に、
「違い、ます」
背中の羽を輝かせて、懸命に魔力を放出しながらシィがいった。
「あれは、……精霊ですっ」
精霊?
シィの言葉に眉をひそめ、スラ子を見る。
白い吹雪のなかで傲然とそびえるその姿が、なにかを思い起こさせた。
「――ウンディーネ?」
他者を見下ろして冷ややかな容貌は、前にスラ子が捕食した湖の精霊のものに酷似していた。
どういうことだ?
スラ子が魔法を使えるようになったのはウンディーネを取り込んだのが要因だろうから、雰囲気まで彼女に似てくるのは当然だろうか。
いや、違う。
これはそんなものじゃない。
突然、事態を理解して、俺はおもいっきり毒づいた。
「あいつ。取り込んだ相手に、逆に取り込まれかけてるんじゃないか……!」
吹雪のなか、たたずむスラ子はいまや完全に湖の精霊ウンディーネと化していた。
氷の女王のような美貌が冷たく笑う。
その視線のさきには、猛烈な冷気と風に身動きすらとれない冒険者の少女。
身体を抱き、うずくまりながら見上げる目には、まだ闘争心の炎が消えずに残っている。
だが、極低温の嵐に釘付けにされてしまえば、いくらルーキー離れした戦闘能力をもっていようがまったく関係ない。
吹雪は一時ごとに身体から熱量を奪っていく。
人間というものはつまり、水と熱の生き物だ。水を凍らせ、熱を奪う過酷な環境下で生きられる時間は限られている。
「あいつ。殺す気か」
相手の命の灯火がきえゆくのを見届けようとしているように、冷酷に微笑んでいるスラ子を見て、背筋が凍る。
「……完全に。意識が精霊のそれに変化しています」
シィがいった。
「いまは多分、わたしたちのことも――」
スラ子が普通じゃないのは、ブリザードだなんていう魔法を使ったということだけでもわかる。
味方が近くにいるのに使うような魔法じゃない。大規模範囲魔法。それは、周囲の全てを殲滅する目的のものだ。
スラ子は完全に正気をうしなっている。
そのきっかけになったのは、恐らく俺が壁にぶつかって怪我をしたと思ったから。
ウンディーネのときとおなじだ。
――俺がつくったスライムは、本当に。まったく。
「シィ。スラ子の近くで、アンチマジックはどのくらいもつ?」
限界ぎりぎりで魔力を使い続けているのだろう、シィは苦しそうに答えた。
「近づけば近づくほど、相手の影響が強く」
「――わかった。すまん、あと少しだけ頑張ってくれ」
俺がシィの加護から外にでたとして、身体の自由が効かなくなるまでにいったいどのくらいの余裕がある?
いずれにしても、勝負は短期決戦でおわる。
なにをするつもりだ、と視線で訊ねてくるシィに、俺は渋い顔で答えた。
「スラ子をとめる。こんなのでも、マスターだからな」
無言の視線が、やめておけといっている。
俺はシィの小さな頭をなでて、
「俺がでたら、お前はすぐに逃げろ。勝手に巻き込んで悪かった」
歩き出す。
小さな手が俺をつかんだ。振り返ると、決意をこめた眼差しが見上げている。
「わたしも、いきます」
「そうか」
感動的な場面を台無しにする覚悟でこの際、正直にいっておくと。
ちょっぴりそういってくれることを期待していた俺はもう心の底から下種だと思う。
だが、ありがたい。
これで少しだけでも成功する確率があがる。詳細は、試しに計算してみるつもりにもならないが。
「俺がやる。シィ、お前は冷気への抵抗に全力をだしてくれ」
無言のうなずき。
荒れ狂う冷気の暴風に、シィと二人で立ち向かう。