第二話 死人慟哭《デッドリーリヴィング》
ああ、疲れたな。
……久しぶりに書いたからか?
???SIDE
暇だな……。今日も暇だ。
いつも通りの夕日を確認した後、行動を開始して、普通の人間達を殺さない程度に半殺し。
……たまには虐殺とか許してくれないのかねぇ。
ピーッピーッピーッ
「あ? 何だ、お前かよ」
通信機の向こうから聞こえる罵声を聞き流しながら考える。
「……そろそろ虐殺タイムにできねーのかよ?」
『アンタ馬鹿かよ! そんな事したら簡単にそいつ等全滅するだろうが、カス!!
それよりもさっさと帰還しろ!!』
「うるせぇー!! 大体お前は何なんだよいっつも!!!」
『うるさいのはアンタだこの複製野郎!!』
目の前で閃光が散り、そのたびに銃を手に持つ兵士が五、六人まとめて吹き飛ぶというのに、
余裕とでも言わんばかりの、まさしく『いつも通り』で対応する男。
「あー。通信切るから。ウザいし」
『ハァ!? ちょッと待ち―――――――
どうでも良いし。
それより、そろそろ時間か。
「帰るか。今日もここまでたどり着ける面白い奴は居なかったか……」
強い奴と殺しあいてーな。
と、狂った考えをしている男の後ろに、ただ一人だけ、
立っていた男が居た。
SIDE END
「……何なんだよ、これは!!!!」
機銃を持った兵士の上を飛びぬけ、そしてたどり着いた最前線は、
全くと言って良いほど血が無かった。
一人の、遠く離れている奴から飛んでくる炎の流星は、人間の軍のど真ん中で爆発し、吹き飛ばす。
だが、それでも人を避けているというのは分かる。
でも、それでも、おかしかった。
「…………死人を制御する能力?」
そこには、俺が三年前……と言っても、こちらと向こう世界の時間軸が同じならそうだが、その時に、
HC-Rシリーズの襲撃で死んだはずの、『UnInstall』部隊の仲間が、蠢いていた。
一人は、両手が切り取られたまま、その赤黒い変色したモノの周りに蝿を集らせている
一人は、目がくり貫かれ、その白いピンポン玉のような球を服に引っ掛けながら、骨を腹から突き出している。
一人は、顔の半分がごっそりと無くなり、白い固形物とピンク色の液体を周囲に撒き散らしている。
……どれも、残虐極まるHC-Rの能力によって弄んで殺されたであろう死体達だった。
ただ一つの共通点は、その死体全員が、致死には至らない能力の攻撃をしてくること。
「よく、俺は立ってられるな……」
『耐性でも付いたんだろ』
「そんなもんかな?」
だが、今はそんなやり取りしてる場合じゃない。
絶対に、こんな仲間を落とすような事、紫達がするはずない!!!
再び背中に大気の不可視の翼を作成し、飛び、
様々な能力の閃光の中を飛び抜けた先、見えた。
一人の男。既に後ろを向いているが、アイツだけが自分の意思で動いている。
下手したら、『HUMAN』の輩かもしれない。
その後ろに着地し、言った。
皆さん、覚えていますか『HUMAN』。それと『UnInstall』。
そして、『HC-R』。
……覚えてない? そんなぁ!! 俺がもっと印象付けが上手かったらぁぁぁ!!
けどやはり、俺は超能力を書いてる方が良いです。(個人的なかんじ)