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ラーメン二郎に怒られたいから飲食店を考えたんだ

作者: 凛1129
掲載日:2026/10/29

僕はラーメン二郎にすら怒られない。

 そんな人生だ。まあ、態度が悪いところにわざわざペコペコしながら金を払うことに喜びを感じる性癖ではないから、通うことはない。


 実は面倒な性格だ。

 最近行ったステーキ屋では、四六時中ぺちゃくちゃ店主らしき男と話をしている赤髪の女バイトが、客にはめちゃくちゃ塩対応。

 あれだけデカい声で楽しそうに店主と話をしているのに、嘘のようだ。

 価格が高騰しているのは分かるが、飯とハラミステーキ300gで6000円。しかも本家より数段まずい。1ポンド4500円で食えるのに……と、比べると行かなくなる。


 食べログとかは書かないよ。

 なんかあれを書いている人を見ていると切なくなるのだ。


 しかし実は! 食べログを書いている人より遥かに面倒な性格なせいか、ラーメン二郎で文句を言われたらバトるくらいの意気込みで行ったことがあるのだ。

 しかし、全然怒ってくれない。

 別に大きな声で答えているわけでもない。

 なんなら僕は滑舌も悪い。

 コンビニで「袋つけますか?」と聞かれて「いや」と答えると、袋がついてくるくらい滑舌が悪いのだ。


 ただ、口は達者だからそうそう負けない。

 多分、咄嗟に「コンビニの袋」の例えを二郎の店員に言われたら「ここはコンビニか? コンビニの袋はニンニクではない」と答え、追い打ちをかけるように「特に依頼がなければ店の暗黙のルールなど法的に従う必要はない。金をもらったうえ、指定しなければ作れないほど無能なら、明確に指定してくださいとお願いするのはお前だ」などと止まらないだろう。


 だが怒ってくれない……

 こっちがモメる気満々で行くと、二郎はモメてくれないのだ。

 確かに服装もガラが悪いし、目つきも僕は悪い。

 しかも好戦的な内面がある。

 つまり《店主側もモメる人を選んでいる》


 ちなみに人生で二郎は一度しか行っていない。

 しかも残している。

 なぜならマズイからだ。普通サイズなのに、超残した。

 でも文句を言われないし、「ありがとうございました」の声掛け付きだ。

 美味しいと思う人は沢山いるのだろうが、僕には分からない。だから残した。


 残すこともそんなに悪いと思っていない。


 ポケモンカード欲しさに、大量のマクドナルドのセットが捨てられた事件も、世界一身体に悪い食べ物を捨ててなにが悪いのか理解できないと思っている。

 皆、知らないから言えるし子どもにも食わせているが、マクドナルドのフライドポテトなど害悪でしかない。


 そして二郎も、食品ロスを訴えることに正義があるなら、食品業界にいること自体ナンセンスだ。

 じゃあ大量に無料でマシマシにしなきゃいいだろ。

 クリエイトで19円で買えるモヤシを残したくらいで文句を言うなと思うよ。モヤシごときに食品ロスを感じるなら、そのサービスをやめれば解決だ。

 矛盾しているし、そもそもスーパーで高くても20〜30円で買えるモヤシが無料になるだけで、なんでそんなに客は有り難がるのだろう。

 別にこだわりの麺をマシマシにしても無料ってわけではない。モヤシが多くて食い切れないのだ。


 いわゆる「あー言えばこう言う」性格の悪い僕は、二郎の店員からも嫌われて怒られないのだ。


【残すなら大盛り頼むなよ問題】


 これは初見でも必ず《美味しい料理》ということが前提じゃないと成り立たない。

 なぜなら、味が好きで来ているわけではなく、腹を満たしに来ている客も普通にいるからだ。


 そして人間には体調の変化がある。

 この前は食えたが、今日は食べていくうちにドンドン体調が悪くなってきた。

 僕も若いうちはあまりなかったが、年齢を重ねていくうちに日々の体調に左右されたり、突然食べられなくなったりすることがある。


 あとはトンカツ屋でよくあるが、油が酸化し過ぎて、マズくて食えなかった問題。


 ただでさえ高温調理は身体に悪いって知ったうえで、こちらとしては「覚悟を決めて」ドーパミンに抗えず食いに来ている。しかし、揚がってきたトンカツは焦げ茶色。

「嗚呼、覚悟を決めた一食だったのに……」

 こちらとしても残念で、残すこともあるのだ。

 文句を言わず金は払うが、新しい油で揚げたトンカツと古い油で揚げたトンカツ。同じ値段で提供しているのなら、謝るのは店のほうだと思っている。


 また「食えないなら大盛り頼むなよ」と言うなら、客に体調を聞けばよいだろう。

 昔は皮肉ギリギリの「お口にあいませんでしたか?」という便利な言葉があった。

 しかし「大盛り頼むなよ」を一方的に言うなら、じゃあ客の体調も含めて管理しろよである。


 そもそも人によって好みが違う。

 うちの親はいまだに「銭形平次」をダビングしてまで見ているが、多くの現役飲食店の店主には、その魅力が分からないだろう。

 全員がずっと「銭形平次」を愛せるわけではない。

 料理だって同じことだ。人によって好みがある以上、仕方がないことであり、それをひっくるめての「飲食店」だ。


 つまり、残されることは前提であり、残されない確率を上げるのは店側の努力義務。

 食品ロスなんて絶対に口にしてはいけない。


 食品ロスを考えたら、全て家庭で自分の好みのものを口にするほうがロスは少ない。

 量だって家ならある程度管理できるし、大量に買って残せば残すほど金も無駄になるから、アホじゃない限りそんなことはしない。


 しかし飲食店では、量を細かく設定できない以上、無理!が正解だからだ。

 ラーメン屋でよく思うよ。

 なんで大盛りが2玉なんだよ。1.5玉くらいが良いのだが……

 その1玉も店によってまちまち。さらに無理だろ。


 少なくとも腹を満たしに行くのが理由であって、世の中の大半が腹八分目を目指して飲食店で飯を食っているわけじゃないのだ。


【一部しか知らない食品ロス問題】


 惣菜を売っているスーパーでは、毎日のように惣菜を作る人がいる。

 そしてその惣菜は必ず残るのだが、廃棄は廃棄でお金をかけてまで捨てている。

 勤めている人は僕に言った。

「もったいないでしょう?」


 つまり、腐って食えなくなったわけではないものも捨てているわけだ。

 僕なら店の人に「その場で食うならあげるよ」というルールを作るかもしれない。

 転売したら解雇、場合によっては損害賠償を起こすみたいな契約書を書かせてやるかも。

 そのほうが日本人労働者が低賃金でも働きに来てくれやすいかもしれないではないか。

 昼食は職員なら無料だ。仲良くなったら「転売だけはするなよ」とバイトリーダーが家族用にくれるかもしれん。捨てるよりマシである。


 食い物を一番捨てているのは、企業だ。


 ちなみに、外食産業における食品ロスの内訳は、約60万トン中、次のようになっている。


 客の食べ残し……28.9万トン

 売れ残り商品……12.4万トン

 作り置き・誤発注による廃棄……7.7万トン

 仕入れ材料の使い残し……4.0万トン

 その他……7.0万トン


 その他がなんなのか分からんが、「金」が絡む以上、食品は捨てられているのだよ。

 そこには安心、安全などの規定もあれば、人間の欲望に合わせて作っていかなくてはならない事情もある。


 一方的に「残すな」と言うなら、「それ以外、オタクは完璧にこなしていると?」と返されれば身も蓋もない。

 だから大手は軽々しく「食べ残すな」とは言わないし、個人経営店がブーメランを鑑みず言っているだけだ。


「食べ残し」を減らすために、そもそも店は何をやっているのか?

 それをなぜ払う側のモラルに依存するのか?

 そもそもお前の店は全員が全員「美味い!」と言わせる自信があるのか?

 体調まで含めて、言えるのか?


 突き詰めれば突き詰めるほど、食品ロスを考えたら飲食店そのものの存在が認められなくなってしまう。


 しかしだね。

 そんなことも分からず、SNSサイトにラーメン屋が文句を書いたり、客を否定したりして、さらにそこから論争が起きて、最悪、店が潰れてしまう。


 そんな光景を見るのが大好きな、やはり性格の悪い僕でしたって話。

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