17 誕生日パーティーの誓い④
放課後、俺は一人で帰路についていた。今日は、バイトがある日だ。
でも、気持ちは軽かった。長い試練が終わって、凛音と正式に認められた。これからは、もっと堂々と一緒にいられる。
家に着くと、妹たちが待っていた。
「お兄ちゃん、おめでとう!」
さくらとすみれが飛びついてきた。
「ニュース見たよ! すごいね!」
「ありがとう」
蒼葉も嬉しそうに笑った。
「おにいちゃん、おひめさまとずっといっしょだね!」
「ああ、そうだな」
三人の笑顔を見て、俺も笑顔になった。家族が、凛音を受け入れてくれている。それだけで、幸せだった。
*
その夜、布団に入ってから、俺はこれまでのことを振り返っていた。寝不足で、無表情に凛音を見つめてしまったことから、全てが始まった。誤解から始まった恋。でも、今では本物の愛になった。長い試練もあった。凛音の父親に認められるまで、半年間かかった。でも、その試練があったからこそ、俺たちの絆は深まった。
スマホが鳴った。凛音からのLINEだ。
『雨宮くん、今日は本当にお疲れ様でした。
これから、もっと一緒に過ごせますね。
楽しみにしてます。
大好きです。
おやすみなさい。』
その文章を読んで、俺の胸が温かくなった。俺も返信した。
『こちらこそ、ありがとうございました。
これから、もっと幸せにします。
俺も、凛音さんが大好きです。
おやすみなさい。』
送信してから、俺は天井を見上げた。これから、俺と凛音は、どんな未来を歩んでいくんだろう。大学、就職、そして——結婚。まだ先の話だけど、いつか必ず。そんなことを考えながら、俺はゆっくりと目を閉じた。
*
春が来た。桜が咲き始めた頃、俺と凛音は公園を歩いていた。あの日、蒼葉と三人で遊んだ公園だ。
「ここで、蒼葉くんが迷子になったんですよね」
凛音が懐かしそうに言った。
「ああ、そうだな」
「あの時、すごく心配しました」
「俺も」
二人で、あの日のことを思い出しながら歩いた。そして、あのガチャガチャの機械の前で立ち止まった。
「ここで、指輪をもらいました」
凛音が左手を見せた。あのプラスチックの指輪が、まだついている。
「まだ、つけてるんですか?」
「はい。ずっと、つけてます」
凛音が微笑んだ。
「雨宮くんからもらった、大切な指輪ですから」
その言葉に、俺の胸が熱くなった。
「いつか……本物の指輪を、贈ります」
「え?」
「プロポーズの時に」
俺が言うと、凛音の顔が真っ赤になった。
「雨宮くん……」
「まだ先の話ですけど……いつか、必ず」
凛音が泣き始めた。
「はい……待ってます……」
二人で、手を繋いで歩き始めた。
桜の花びらが、風に舞っている。
これから、俺たちの新しい物語が始まる。




