潜入調査・VIP②
続きます
体調が悪いかと言われれば悪いが、わざわざ敵陣で不利を明かすほど私もバカじゃない。
「…悪くないです」
「随分と意地を張るんですね。早く認めて楽になった方が楽しいですよ」
「ひゃっ…」
耳元で話しかけられただけなのに、身体が過剰に反応する。
「なんだちゃんと効いてるじゃねぇか。それとも元からの素質か?」
さっきから何の話か全く掴めない。
「先ほど会ったときにワインの方に媚薬を入れさせていただきました。まさか貴女の方から来てくださるとは思ってませんでしたが」
「そんなことどうでもいいから早くヤらせろ」
骨ばった大きな手が内腿に滑り込んでくる。普通だったら気持ち悪く感じるはずなのに、今はなぜかくすぐったいような感じがした。嫌なのに気持ち悪いのに無理やり快楽に書き換えられる。
「いやっ」
「早く俺らに身を預けな、楽になれるぜ」
もう一人は腰に手を回してもう片方の手で頬を撫でられる。
「そんな誘うような顔をして」
「してなっ…」
きれいな顔つきからは想像できない貪るような激しいキスで無理やり快楽を与えられる。気持ちは心の底から拒絶しているのに、身体は快楽ばかりを拾っていく。
「んぅ…はぁ……やっやだ…ンンッ」
「俺のこと忘れてんなよ」
内腿から少しずつ中に入り込んでくる感触に蹴りあげてでも逃げ出したかったけど、腰と肩をソファーで抑えられてほとんど身動きが取れなかった。それ以前に蕩けきった身体では立ち上がることもできない。
咄嗟にルチアの方に視線を送っても彼もそれどころではなさそうだった。自分でなんとかしなきゃ…
「ん?お前なんで片方だけピアスしてんだよ」
「んぁ…いやっだめ返して…!」
奪われたピアスを取りかえそうと手を伸ばすが、届くこともなく弱々しく空を斬る。
あれが通信機だとバレたらまずい。こちらの正体もバレかねない。
「返してっ…」
「ほらよ、取れるもんなら取ってみな」
何度手を伸ばしても大きな身体には到底届かず、空振りに終わる。攻防戦を続けていると後ろから手首を掴まれ、力一杯後ろに引かれる。
「痛っ」
「ねぇあんなやつの相手してないで僕に構ってくれない?」
後ろの男にもたれ掛かるような形で倒れ込む。そのままの状態で後ろを向かされ、また舌を絡めてくる。
どっかの誰かさんと違ってこっちのペースなんてお構い無しで、呼吸のタイミングも無視。苦しいはずの口づけも全てが快楽として上書きされていった。
「んっんんッ」
「ちっ…ファビアーノお前邪魔すんなよ」
ジェラルドがイラついているのを横目に長い口づけを続ける。
酸欠で頭がくらくらし始めて、本能で咄嗟にファビアーノの舌を噛んだ。まさか噛まれると思ってはいなかったのか、反射的に唇を離す。彼の唇は少しだけ血が滲んでいた。
「へぇそういうことしていいの?」
「はぁ……はぁ…」
必死に肺に酸素を送り込んで、呼吸を整えようとする。
と、次の瞬間に腹部に衝撃を感じた。
「かはっ…」
「はは、随分と重いのいれたな」
ソファーに倒れ込み、やっと殴られたと理解する。意識が遠のきそうになるのを必死に堪える。
殴られたお腹の部分がじんじんと少しずつ痛みを広げていく。
「そんなことして僕にひどくされたいんですか?それとももっと痛め付けて欲しいんですか?」
無駄に拾う快楽と痛みで身体は動かなかった。逃げ出したいのに、早くここから去りたいのにできない。
ルチアに助けを求めようとしてうっすらと目を開けると、ちょうど部屋を仕切る暖簾が動いた。
誰かが入ってきた合図だった。
緊張感ある文章かけるとかっこいいですよね(願望)




