美味しい朝食
ほんとは閑話の回だったのですが、閑話はキリがよさそうなところで挟みます
目が覚めると今度こそ自分の部屋だった。いつしか飛び降りたことのある窓からは青空とお日さまが見えた。
ゆっくりと身体を起こしてベッドから降りる。足を床につけたときにズキッとした痛みを感じた。ズボンを捲ってみると、くるぶしの辺りが少しだけ赤くなっていた。
昨日のことが鮮明に蘇り、手首を見てみると案の定赤くなっていて身体を支えていた分擦れていた。足首より痛い。嫌な予感がして鏡で首もとを確認すると細く跡がついていた。
朝から大きなため息をつく。最悪だ。これから春も終わり、暑くなるというのにタートルネックに頼らなきゃいけなくなるのか。セール品とか売れ残りで探すしかないかな…最終手段は太めのチョーカーを買おう。
自分のお腹がなったのを聞いて、まず朝食を食べることにした。
食堂へ行くとリベリオは洗い物をしていて、他の人は誰もいなかった。
「おはようございます、リベリオ」
「おはよう…って首どうしたんだ赤くなってるぞ」
どう説明しようか迷っていたところに今1番聞きたくない声が聞こえてしまった。
反射的にというか本能的にリベリオの後ろに隠れる。
「おい、お前急にどうし…」
「リベリオおはよ~紅茶とスコーンもらっても…」
ばっちり目が合う。
「あれ、キミ起きてたんだおはよ。昨日は楽しかったね♡」
ルチアが私に話しかけた瞬間になんとなく事を察したらしく、リベリオがわかりやすく呆れた。
「ルチア、お前ほどほどにな」
珍しくリベリオの声色が変わった。
「ちょっと勘違いしないでくれる?それは俺じゃなくてルカだから」
「おいおいルカもいたのかよ…お前よく生きてたな」
いやボロボロに死んでましたけど。
「ルカは限度ってもんを知らないからね。むしろ俺がいてくれて感謝してほしいくらい」
「なっ…!一緒になって楽しんでたくせに!」
リベリオの後ろから反撃をする。ごめんごめんと笑いながら手で謝るポーズをとる。絶対ごめんって思ってないやつじゃん!!!
「あの野郎…あとで一発やっとくか」
「悪いねリベリオ、俺今日仕事だからさ。俺の分もルカに入れといてよ」
そんなこんなで何故かルチアと一緒に朝食をとることになった。リベリオは私にフレンチトーストを作ってくれた。美味すぎる。
「リベリオの作るスコーンは昔から美味しいんだよね~もう一個♪」
「リベリオとルチアは付き合いが長いんですか?」
誰かの昔の話を聞くのは初めてかもしれない。
「長いって程でもないけどな」
「ん~?まぁそこそこかな。二、三年くらい?」
思ってたより長くなかった。
「一番長く付き合いがあるのはルカとウバルドじゃねぇか?」
「だろうね。あそこは実際のところどれくらいの付き合いがあるのかわかんないけど、一番長いのは確かだよ」
それは意外な話だった。ルカとウバルドが一番付き合いが長いのか…
もうすぐでこの世界にきて一週間くらい経つが、みんなのことを改めて話を聞いてもいいかなと思った。
そのあとはひたすら食べることに専念し、完食してからは自室で過ごすことにした。ルチアは仕事の準備をしたり、リベリオも片付けや明日以降の食材の買い物に行くと言っていた。
ベッドでゴロゴロしていたらいつの間にか寝落ちて夕方になっていたらしく、夕暮れというよりちょうど夜になりかけている時間だった。やっぱり疲れたんだなと思う。
まだ身体が重かったからもう一度寝ることにした。今日はあんまり騒がしくなかったから、たぶんみんな仕事。みんなの仕事があることは良いことではないけれど、静かなのは普通に嬉しいのでゆっくり休もうと思う。
急ぎ赤みが引きますように祈って、一旦夕飯まで寝ることにした。
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