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悪役令嬢になれると思ったらマフィアの娘に転生しちゃった話【全年齢版】  作者: 咲縞ゆう


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騒がしいお茶会

予約投稿を覚えました(覚えるも何も)


「待たせたね、レイ」


ちょっと(ちょっとじゃないけど)ヤバい人という認識になってしまったせいで、目の前の人が俳優をしているということをときどき忘れそうになる。


あんまり気にしていなかったけど、容姿端麗を具現化したような美しさだった。


「いえ、私もさっき来たばかりです」


待ち合わせのときのテンプレートのような返事をする。


そのままの流れで紅茶とスコーンを注文した。さっそく聞きたいことを聞こうと思ったら、向こうから話題を切り出された。


「この前は荒っぽいことをしてすまなかったね」

「悪いと思ってるなら最初からしないでください」


謝罪されるとは思っていなかったけれど、悪びれた様子もなく謝られると少しイラッとする。


「あなたはもうレオーネの一員じゃないんですよね?誰に依頼されたんですか?貴方は今どこで何をしようとしているんですか?」


感情的になってつい聞こうとしていたことをそのまま投げつけてしまった。もっと冷静に落ち着いて。少しでも情報を聞き出せるように。


「レイ、1度にたくさんの質問をするのは賢くないよ」

「っ…!賢いも何も…」


貴方がそんなことをしたと知ったらコステロが悲しむから、と言おうとしたその言葉を飲み込むしかできなかった。目の前にいるエマはあのとき会ったどの彼とも違う困ったような表情をしていた。


「今は誰にも言えないんだ。まだそのときじゃないからね」

「…それはヴァレリオも知らないんですか」


エマが駄目ならヴァレリオからボロが出るかもしれない。そう思った。


実際ヴァレリオがあそこで働いていることは、おそらく私しか知らない。十分、交渉材料に使える手札だ。


「おや、僕の知らない間に彼と仲良くなったのかい?」

「たまたま会っただけです」

「そう、残念だけど彼も知らないよ」


そう言って紅茶を一口飲む。さっきから1度も目が合わない。


「君がレオーネの皆に僕のことを伝えるか伝えないかは任せるけど、僕の仕事の邪魔だけはしないでくれると助かるよ。僕は僕で色々とやることがあるんだ」


彼と話してきた中で1番低いトーンで言っているのに、その手でふんわりとスコーンを割っていた。なんだかいろいろと狂いそうだ。


「わかりました、皆には何も言いません」

「ふふ、そんなにかしこまらなくてもいいよ。僕は元々あのファミリーとの関係は薄いからね。誰も悲しまないさ」


そんなことない。少なくともコステロはエマのことがとても気に入ってるように見えたし、彼にとっては師匠みたいに大事な人なはず。


どうして大切に思ってくれる人がいるのにそれに気づかないのか、気づこうとしないのか。彼の表情からは何も読み取れなかった。


「さすが俳優さんですね」

「なんのことかな?」

「とぼけちゃって」


ふとカップを見てみると、もうほんの一口分しか残っていなかった。温くなった最後の紅茶をくいっと飲み干した。


「最後に1つだけ」


鞄からタブレットを出して画面をつける。


「君がレオーネのボスの娘なのが裏サイトでもう拡散されている。イトロスは少々治安が悪いから街を歩くときも気を付けた方がいい」

「待ってください、これどういうことですか?」

「僕たちのようなことを仕事にしている人たちが動き出すということだ」


マフィアが動き出す。それは私にとって想像のできないことだった。もちろん御三家であるレオーネの皆と一緒にいるのが1番だと思う。この三大勢力の一角が崩れれば得をするファミリーがいるのも理解できる。


だけど、いくら頭で理論的に理解していても気持ちが追い付くかと言われると否だ。


「早く皆に伝えなきゃ」


急いで帰る準備をしていると近くのガラス張りの壁が大きな音を立てて割れた。ガラスの外には数人の覆面がいるのが微かに見える。


「うわっ…!」

「レイ!行くよ!」


エマが私の手を取り、そのままテラスから外の大通りへと出る。外はあわてふためくお客さんや通行人で大混乱だった。


「まずいな、思ってたより随分と早い」

「け、警察呼びましょう!」


えっとえっと…この世界の警察って何番で呼べるんだ?そもそも警察って概念があるのか?


「待って、警察なんか当てにならないよ。彼らもいろんなマフィアと繋がってるからね、むしろ逆効果だ」

「はぁ?!」

「とりあえずここは逃げなきゃ、行くよ走れる?」


人混みを縫ってさっさと進んでいくエマについていくのが精一杯だった。混乱は広がる一方でだいぶ進んだ先でも人でごった返していた。


「あそこの路地を曲がるよ」


細い路地裏に流れ込み、やっとのことで息を整える。元々運動は全然してなかったし走ること自体久々だったせいで、息があがったまま落ち着かない。


「大丈夫かい?ひとまずこちらへおいで」

「…は、はい」

「ここの路地裏に知り合いの経営するバーがあるんだ。そこで一旦落ち着こうか」


こうして、ひとまずエマの知り合いのお店に逃げ込むことになった。


テンプレに寝ぼけた話書いてあっておもろい

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世紀末みたいな治安……
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