第二話〜日常〜
少し重い足取りの中、学校に向かう。せわしく行き交う人々の中に紺色の羽のようにたなびくスカートが目に入る。視線を向けると白く明るいセーラー服を身にまとった明香里を見つける。昨日のことを思い出し少し躊躇うも、駆け寄り肩を軽くたたき声をかける。
「有香里おはよう」
大丈夫いつも通りの声音で話せていると心のなかで自分に言い聞かせる。
「おはよう瑞彩」
明るく朗らかな笑顔を向け、挨拶を返してくれたこの子の隣に並び通学路を歩く。気温の話など他愛もない会話をしながら歩いていくと、すぐ学校に着いた。とは言っても同じクラスだから放課後まで大抵一緒にいるが。それも今日からは違う。しかし、間を取り持つくらいはしたいが明香里の気持ちを知らないからどうしたものか。いつもの会話の感じからすると嫌っている素振りは感じられないが。
私の心配も杞憂に終わり、授業の合間や休み時間に貴斗は積極的に声をかけに来た。元々話す方だったからか会話も弾んでいる。話す2人を横目に貴斗の親友裕斗と顔を見合わせる。表情から察するにこちらも知っているようだ。小声で話す。
「どうかな。上手くいくかな。」
彼は少し首を傾ける。
「どうだろう。悪くないとは思うよ。」
二人で唸る。会話は切れていないし、嫌な雰囲気は伝わってこない。このままいけば、それなりに順調であると言えるだろう。




