伏見稲荷大社【白狐社】
白狐社は本殿の近くにある白狐を祀る末社である
【祭神】
命婦専女神
【由来】
810年~825年頃、船岡山に棲んでいた年老いた狐の夫婦が自分達の持つ霊智を諸人の役に立てたいと稲荷神に願ったところ許され夫婦は眷属となった
雄狐は小薄として雌狐は阿古町として名前が付けられた
二対の狐は参詣にきた人々にお告げをして悩める人々を救ったとされる
稲荷の眷属としての狐はここから始まったようだ
【命婦伝説】
平安時代の頃、藤原祇子は伏見稲荷に足しげく参詣していた
そんな祇子に阿古町は色々とお告げを告げ、やがて祇子は関白・藤原頼道の妻となった
その感謝の印として命婦の官位を阿古町に譲ったとされる
【命婦とは?】
女官が殿中に上れる資格を持つ官位の事である
【専女とは?】
稲荷の雌狐の事を指す
【眷属としての狐】
稲荷神に仕える狐は眷属と呼ばれる
そして狐には位が存在しているようだ
ただ言い方は統一されておらず様々な説が飛び交う
基本的には神格のある狐は善狐、神格の無い狐は野狐と呼ばれる
一番位の高い狐は真っ白な狐で、位が低くなっていく毎に黒くなっていき、黒い狐は野狐である
【野狐】
修行をしていない、または修行をサボっている狐
これらは総じて体が黒いらしい
人に憑いたり人を化かしたりするようだ
人々の祈願を聞いたりする事があるが、そもそも力は無いのでそれなりである
祈願が叶うと無茶な見返りを求めてくる事もあるという
【狐がくわえているもの】
左右対象に配置されている狐の像はくわえているものがそれぞれ異なる
大きく分けて四つある
『稲穂』稲荷神が農工神・五穀豊穣の神として祀られているのを象徴する
『巻物』知識や知恵を象徴する、どんな願いも叶える秘宝である
『玉』稲穂神の御神徳を象徴する
『鍵』米倉の鍵であり、稲穂神の御神徳を得たいとする願望の象徴である